
次世代SIMとして数年前に発表された「eSIM」だが、ようやく国内でもeSIM対応端末やeSIM対応キャリアが増えてきており、これから普及が進むことが期待される。ここではeSIMの特徴や利点、現状について解説する。
抜き差し不要な次世代SIM、「eSIM」とは
eSIMという言葉を目にすることが増えてきた。eSIMとは、Embedded Subscriber Identitiy
Moduleの略で、日本語にすると「組み込み用SIM」となる。SIMとは、スマートフォンや携帯電話、無線WAN対応PCなどで
eSIMの機能も基本的にはSIMと同じだが、

従来のSIMでは、一度SIMカードに書き込まれた契約情報をユーザー側で書き換えることはできないが、eSIMなら、ユーザーが自分で携帯電話事業者との契約を書き換えることができるほか、複数の契約情報を書き込めるため、
日本における「eSIM」対応状況
eSIMにはさまざまなメリットがあるため、普及が期待されているが、eSIMを利用するには、端末側の対応だけでなく、携帯電話事業者側での対応も必要となる。日本で正式販売されているeSIM対応端末としては、2018年秋以降にAppleから発売されたiPhoneの各モデル(下記の表を参照)などが挙げられる。
また、無線WAN対応のノートPCやタブレットでも、「iPad」をはじめとする下記表のデバイスなどが、eSIMに対応している。

総務省は、携帯電話事業者に電波を割り当てる際、アクション・プランに沿った取り組みを行っているか審査するとともに、各社の競争が公正かどうかを毎年検証するとしており、2021年夏以降は、大手携帯電話事業者もeSIM対応プランを提供してくることになりそうだ。
「eSIM」の普及が進むと何が便利になるのか
eSIMの最大の利点は、
海外にはあまり行かないという人でも、eSIMのメリットは大きい。携帯電話事業者の乗り換えが携帯電話ショップなどに行かずに簡単にできるようになるほか、一つの契約情報を複数のeSIMで共有することも可能になるので、気分やTPOに応じて好みの端末を使い分けることや、逆に一つの端末で複数の回線を使いわけることもできる。例えば、
また、eSIMが普及すれば、携帯電話事業者間の乗り換えがより気軽にできるようになるため、事業者の囲い込みの力が弱まり、利用料金値下げにつながることが期待できる。