最近、「MaaS」(マース)という言葉を目にすることが増えてきた。インターネットサービスの分類では、「SaaS」(Software as a Service)や「PaaS」(Platform as a Serivce)といった言葉が使われているが、「MaaS」は、Mobility as a Serviceの略であり、IT技術を活用して自家用車以外の交通手段をシームレスに繋ぎ、一つの移動(モビリティ)サービスとして提供するものだ。移動のサービス化、クラウド化といってもよい。
基本的なイメージとしては、スマートフォンのアプリを使って、さまざまな交通手段を利用して目的地に到達するまでの行程を検索し、必要に応じてその交通手段の手配を行うことで、自家用車を使わずに目的地までのDoor To Doorを実現するものである。MaaSが普及することで、自家用車の利用が減り、都市部での渋滞が緩和し、二酸化炭素の排出量が減ることが期待される。また、都市部以外においては、自動運転車を使用することで、タクシーなどが少ない地域での利便性が高まる。さらに、バスや電車など既存の公共交通手段が有効に活用され、外出機会が増えることによって地域活性化にも繋がる。MaaSと観光や医療、不動産など異業種を結びつけることで、地域におけるさまざまなサービスとの相乗効果が生まれることも期待できる。