高校GIGA(高等学校における1人1台の端末整備)
義務教育の1人1台端末実現の次の課題として浮上したのが、高校におけるGIGAスクール実現だ。小中学校の1人1台端末では、最低限の機能を備える端末の公費による一律貸与が前提だったが、高校GIGAでは多様な学びに対応するため、保護者による端末購入を選択する自治体も多く、そこにITビジネスとしての旨味も生まれている。
GIGAスクール構想の次の課題が高校GIGA
1人1台端末環境の実現を図るGIGAスクール構想は、義務教育段階に限ると2021年度中に98.5%の自治体が整備を完了した。2022年4月時点では、27の自治体で一部学年(主に低学年)の整備が未完了だが教育現場の1人1台端末運用はほぼ例外なく実現している。
それに伴い、新たな課題になったのが、高校における1人1台端末の実現である。100%公費負担(公立校の場合)を前提とした小中学校と異なり、公費負担と保護者負担が自治体により分かれる事情もあり、高校の1人1台端末整備は遅れが目立つのが実情だ。
このままではGIGAスクール世代が高校進学後、再び、紙と鉛筆による学びを余儀なくされるため、4月以降、文科省が高校における1人1台端末整備に本腰を入れて取り組むことになるのは間違いない。昨年末の中等教育局長名による「促進に係る留意点について」の告知に続き、今年1月には末松文部科学大臣・牧島デジタル大臣による高校GIGA促進メッセージが発信されたことはその表れである。
ITビジネスとして高校GIGAを捉えた場合、その本質が小中学校GIGAとは大きく違う点に注目する必要がある。まず着目したいのは、100%公費負担による貸与という形で1人1台端末を実現した小中学校と違い、
47都道府県中、24の自治体が100%公費負担による整備を進める一方、東京都を始め、23の自治体は保護者負担を前提とした整備を進めている。それに伴い、端末の調達方法も多様化し、それは大きく以下の4方法に分けられる。
●機材貸与
●指定購入(BYAD)
●選択購入(CYOD)
●自由持込(BYOD)
高校GIGAで注目したいのは、
小中学校のGIGAスクール構想においてChromebookが予想外に善戦した背景には、コスト面の強みと管理の容易さという強みがあった。しかし、より多様なニーズへの対応が求められる高校GIGAは、より高スペックな端末が求められるなど、その傾向は一味も二味も違うものになっている。
GIGAスクールビジネスは、新たなフェーズへと移行している。知恵と工夫次第で、パートナー様の新たなビジネスとして検討・提案する価値あるテーマであることは間違いない。