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Windows10のサポートが終了!Windows11に移行すべき?

掲載日:2024/06/20

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Windows10のサポートが終了!Windows11に移行すべき?

サポート終了後のWindows10を使用すると、脆弱性を狙ったウイルス感染などサイバー攻撃の被害に遭いやすくなり、機密情報や個人情報の漏えいにつながる恐れがあるため、注意が必要です。
この記事では、Windows10のサポート終了日や、サポート期限切れのパソコンを使用するリスク、Windows11で変更される機能などを詳しくご紹介します。

Windows10のサポートはいつ終了する?

Windows11が多くの企業や教育機関、一般家庭でも使用される機会が増えてきた中、Windows10を使用し続けている方も多いでしょう。しかし、Windows10のサポート終了日が迫っているため、注意が必要です。

Windows10のサポート終了は2025年10月14日

Microsoftでは2023年4月27日に、Windows10のバージョン22H2が最終バージョンであることが発表されました。これにより、Windows10では今後大きな機能の改善や新機能の追加は行われず、細かなバグの修正やセキュリティの更新のみ行われます。

Windows10のサポート期限は2025年10月14日ですが、あくまでバージョン22H2の場合の期限です。21H2など22H2より古いバージョンを使用している場合は、すでにサポート切れとなっているためご注意ください。

バージョン22H2でWindows10を使用している場合はサポート期限まで猶予があるものの、サポート終了間近でのアップデートやパソコンを買い替えることによるバックアップのし忘れや、目当ての製品の在庫切れなどが発生することも考えられるため、余裕を持ったアップデートや買い替えを行いましょう。

Windows10、Windows11のバージョンごとのサポート期限

Windows10、Windows11の各バージョンのサポート期限は、次のとおりです。

OS バージョン サポート終了日
Windows 10 Enterprise / Education 21H2 2024年6月11日
Windows 10 Home / Pro 22H2 2025年10月14日
Windows 10 Enterprise / Education 22H2 2025年10月14日
Windows 11 Enterprise / Education 21H2 2024年10月8日
Windows 11 Home / Pro 22H2 2024年10月8日
Windows 11 Enterprise / Education 22H2 2025年10月14日
Windows 11 Home / Pro 23H2 2025年11月11日
Windows 11 Enterprise / Education 23H2 2026年11月10日

Windows10のサポート終了後はどうなる?

Windows10のサポート終了後は、Microsoftからの無償のサポートが受けられなくなります。サポート終了後は更新プログラムが配布されなくなるため、パソコンの脆弱性を狙ったウイルス感染など、サイバー攻撃を受ける可能性が高まります。また、サポート終了後に脆弱性が新たに発見された場合は、Microsoftでは脆弱性への対処がされなくなるため注意が必要です。

そのため、なるべくサポート期間中にWindows11へアップグレードするか、Windows11を搭載したパソコンへ買い替えることをおすすめします。
なお、Windows10ユーザーはWindows11への無償アップグレードが可能です。

サポート終了後のWindows10を使い続けるリスク

サポート終了後のWindows10を使い続けることによって生じる具体的なリスクは、次のとおりです。

業務での継続利用が難しくなる

サポート終了後のWindows10を利用していると、Windows11のアップグレードによって提供されるさまざまな新機能が利用できません。Windows OSでは、最新技術を活用した新機能や、既存機能のブラッシュアップを常に提供しているため、これらの機能を使用しないことにより、生産性の伸び悩みにもつながるでしょう。

また、サイバー攻撃によるパソコンのトラブルや、パソコン本体に不具合が生じた際もMicrosoftからのサポートは受けられなくなるため、業務の進行に支障をきたす可能性があります。

DXの推進による業務効率化ができない

Windows11で配布されている更新プログラムを受け取れないことで、AIなどの最新技術を活用した新機能を扱えないため、DXの推進に影響を及ぼします。DXが促せないことにより、自動化・電子化できる業務範囲が狭まり、業務効率化が難しくなります。

また、先述のとおり、サポートが終了したWindows10を使用することで、業務の進行にも影響を及ぼす場合があります。パソコンのトラブルや不具合で業務が停滞した場合、トラブル対応など従業員が本来行う業務外の作業による時間外労働や長時間労働が発生することも懸念されます。

セキュリティリスクが高まる

サポート期間内ではセキュリティリスクからパソコンを守るための細かな更新作業などは行われるものの、サポート終了後はセキュリティ対策も行われなくなります。そのため、パソコンの脆弱性を狙った不正アクセスやウイルス感染、フィッシング詐欺などのサイバー攻撃を受けるリスクが高まり、組織内の機密情報や個人情報の窃取や情報漏えい、データ消失などが生じる可能性があります。

万が一ウイルスなどに感染しパソコンを使用できなくなった場合も、Microsoftでのサポート対象外となるため自身で対処することになります。

Windows11へアップグレードするメリットとデメリット

Windows10に使い慣れており、Windows11へアップグレードするか迷っている方も多いでしょう。ここでは、Windows11へアップグレードするメリットとデメリットをあわせてご紹介します。

Windows11へアップグレードするメリット

Windows11へアップグレードすることで、画面に表示されるタスクバーなどのデザインが一新され、直感的な操作がしやすくなります。

また、チャットツールである個人向けのMicrosoft Teamsを無料で使用できたり、Androidアプリが使用できるようになったりと、パソコンの活用の幅も広がっています。特にTeamsなどでビデオ通話をする際は、背景ぼかしやボイスフォーカス、自動フレーミングなどの機能も加わり、快適な通話環境を実現できます。

さらに、Windows11ではWindows10よりもOSの起動が87%、標準ブラウザであるMicrosoft Edgeの起動が80%高速化されます。OSやブラウザの起動が早まることで効率よく業務を進められ、生産性の向上にもつながるでしょう。

Windows11で追加された新機能については、後ほど詳しくご紹介します。

Windows11へアップグレードするデメリット

Windows11へアップグレードすることで、Windows11に非対応のソフトウェアが使用できなくなります。Windows10では使用できてもWindows11では使用できないといったソフトウェアも多く、このようなソフトウェアをいくつも使用している場合はすべて別のソフトウェアに変更する必要があるため、時間や労力、導入費用などの負担増加に注意が必要です。

また、Windows11へアップグレードするには、Microsoftから提示されている最低システム要件を満たす必要があります。そのため、システム要件を満たしていないパソコンはWindows11搭載パソコンへ買い替えなければならず、大量のパソコンを買い替える場合は導入費用が高額になる恐れがあります。

Windows11への移行で変わる機能

Windows10からWindows11へアップグレードすることで、次のような機能が変更・追加されます。

画面のデザイン

Windows11では、画面のデザインが大きく変更されました。Windows10では、画面下部に配置されているタスクバーの各アプリケーションが左端に配置されていましたが、Windows11では中央ぞろえに設定されています。中央ぞろえに慣れない場合は、設定画面から左ぞろえに直すこともできます。

また、スタートボタンをクリックすることで開くスタートメニューのデザインも一新されています。Windows10では各アプリをタイル状に並べて表示していましたが、Windows11ではアイコンのみを並べており、シンプルなデザインになりました。

タッチキーボード

キーボードを取り外し、タブレットとしても利用できるパソコンの場合は、タッチキーボードが使えます。通常のキーボードと同様の配列のローマ字入力や、五十音順に配列したひらがな入力、スマートフォンと同じ操作で文字入力ができるテンキーなどさまざまな入力方式があります。

また、キーボードのデザインを複数のテーマや任意の画像から変更することもでき、好みやデスクトップ画面の色味に合わせたカスタマイズが可能です。キーボードのデザイン以外にも、キーボードのサイズやキーの文字サイズなど細かな調整も行えます。

スナップレイアウト

スナップレイアウトはWindows11で新たに加わった機能です。ウインドウの最大化ボタンにマウスカーソルを合わせると、ウインドウの配置パターンを示したスナップレイアウトが表示されます。スナップレイアウトでは、左右で2ウインドウを表示したり、左に1ウインドウ・右上と右下に1ウインドウずつの合計3ウインドウを表示したりといった分割表示が簡単に設定できるようになります。

従来のショートカットキー(「Win」+「Alt」+「← / →」)での操作も可能ですが、スナップレイアウトは直感的にウインドウの配置を選べるため、より素早くウインドウを並べ替えられるでしょう。

ウィジェット

ウィジェットは、Windows VistaやWindows 7など以前のOSに搭載されていた機能で、Windows11より再度追加されています。ウィジェットでは、天気やニュース、カレンダー、ToDoリストなどをまとめて表示することで、ユーザーが素早く最新情報を確認できます。表示するニュースも、「国内に関するもの」「海外に関するもの」「政治」「ビジネス」など多岐にわたるカテゴリからカスタマイズ可能です。

ただし、ウィジェットではデフォルトでOneDrive上の写真も表示されるため、情報公開前の画像などが意図せず第三者に見られてしまう恐れがあります。ビジネス用途でパソコンを使用する際は、あらかじめ他人に見られても問題ないウィジェットのみ設定しておきましょう。

Teamsの標準搭載

Windows11では、個人向けのTeamsが標準搭載されており、無料で使用できます。個人向けのTeamsでは、チャットやオンライン通話、タスク管理などが行えます。

ただし、上記のTeamsは個人向けのため、Microsoft 365で使用できる法人・学校向けのTeamsとは別物で、利用できる機能も異なります。そのため、会社や学校でTeamsを利用している際は、個人向けTeamsは使用せず、会社や学校で付与されたTeamsアプリおよびアカウントを使用しましょう。

Androidアプリの利用(※2025年3月5日で終了)

Windows11では、Androidアプリを動作させる機能である「Windows Subsystem for Android(WSA)」を提供しています。WSAでは、Androidの仮想マシンをWindows11上で起動することで、Androidアプリを起動・操作できる仕組みです。

ただし、WSAは2025年3月5日でサービスの提供およびサポートの終了が発表されており、2024年3月5日をもって、新規アプリのインストールは不可となっています。

Windows11への移行でなくなった機能

Windows11にアップグレードすることで、削除される機能は次のとおりです。

Internet Explorer

Windows11より、Windowsの標準ブラウザとして搭載されていたInternet Explorerが廃止されます。Windows11からはMicrosoft Edgeが既定のブラウザとして設定されているため、Google Chromeなどのほかのブラウザを使用しない場合はEdgeを使用することになります。

Internet Explorerは2022年6月15日でサポートを終了しており、Internet Explorerでのみ動作するソフトウェアなどを使用する場合は、Edgeの「Internet Explorerモード」で読み込む必要があります。ただし、Internet Explorerモードは完全互換するものではないため、ソフトウェアが正常に動作するか事前に検証しておきましょう。

タブレットモード

タブレットモードはWindows10で追加された機能で、オンにすることでタブレット操作しやすいようメニューやアプリが全画面で表示されるように切り替わります。Windows11では、タブレットモードのオン・オフを切り替える機能が廃止されました。

しかし、2 in 1デバイスやタッチスクリーンデバイスのパソコンを使用している場合は、キーボードを取り外すだけで自動的にタブレットモードがオンに切り替わります。反対に、キーボードを再度取りつけることで、自動的にタブレットモードが解除される仕組みです。

Cortana

「Cortana(コルタナ)」は、Windows10に搭載されていた音声アシスタント機能で、iOSのSiriなどに近い役割を果たします。ユーザーはCortanaに話しかけることで、内容に合わせてWeb検索やアプリの起動などが行えます。

Microsoftでは2023年にCortanaを廃止しましたが、AIを活用した「Microsoft Copilot」など新たなサービスを展開し、Cortana以上の支援機能の提供に取り組んでいます。

Skype

Windows10では、ビデオ通話ツールである「Skype(スカイプ)」のアプリがデフォルトでインストールされていました。Windows11では、タスクバーにデフォルトで個人向けTeamsのアプリが追加されたことからSkypeが廃止されました。Windows11でSkypeを利用するためには、Microsoft Storeで手動でインストールする必要があります。

なお、Windows10からWindows11にアップグレードした場合は、パソコン上にSkypeのアプリはそのまま残るため、引き続き利用できます。

タスクバーの画面上部・左右端への移動

Windows10では、タスクバーを画面上部や左右の端へ配置することができました。しかし、Windows11ではタスクバーの位置が画面下部に固定されます。

ただし、先述のとおりタスクバーに配置されているアイコンを中央ぞろえから左ぞろえに変更することはできます。設定を変更する手順は、次のとおりです。

  • タスクバーの余白を右クリックする
  • 「タスク バーの設定」をクリックする
  • 「タスク バーの動作」をクリックする
  • 「タスク バーの配置」から設定を変更する

やむを得ずWindows10を利用し続ける場合の注意点

業務で使用するソフトウェアや周辺機器などがWindows11に対応していないなどの理由から、やむを得ずWindows10の使用を続ける場合は、サポート終了の2025年10月14日までに、以下の点を確認しておきましょう。

  • 現在使用しているWindows10のバージョンが、サポート中の22H2であるか
  • ソフトウェアや周辺機器はサポート期間内であるか

また、サポート期間内でのアップグレードやパソコンの買い替えが難しい企業に向けて、Microsoftでは「Windows 10 ESU(Extended Security Update)」という最長3年間の有償サポートプログラムを提供しています。有償サポート期間中は毎月セキュリティが更新されるものの、技術的なサポートや新機能の追加などは行われません。

基本はアップグレードがおすすめ

業務で使用するソフトウェアの互換性など、やむを得ない理由がない場合は、基本的にWindows11へのアップグレードをおすすめします。先述したように、Windows11ではWindows10に含まれる機能やこれまでのデザインを一新し、より使いやすさを追求した仕様となっています。

また、高速通信が可能なWi-Fi 6Eは、6GHzの無線LANに対応したネットワークアダプターを使用している場合でも、Windows10では無線LANを使用できないため、Windows11にアップグレードする必要があります。

まとめ

この記事では、Windows10のサポート終了日や、サポート期限切れのパソコンを使用するリスク、Windows11とWindows10で異なる機能などを詳しくご紹介しました。

記事内でご紹介したとおり、Windows11ではさまざまな業務に役立つ機能が追加され、OSやブラウザの起動も高速化されます。サポート終了後はセキュリティリスクに遭う危険性も高まるため、期限内にアップグレードやパソコンの買い替えを行いましょう。

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