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-10~55℃の環境で使用できるファンレス薄型UPS

オムロン
BV55REM / BV55RE

掲載日:2021/08/17

オムロン BV55REM / BV55RE

IPカメラやIoTの普及により、これまでは設置されていなかった場所にもネットワーク機器や電源系機器を設置する必要が生じている。倉庫などの、空調がなく高温になる場所に設置するには、過酷な環境でも安定して動作する機器を選定しなければならない。IoTでは停電によるデータ消失などを防止するためにUPSが必要になる場合があるが、ネットワーク機器などと同様に、過酷な環境でも使用できる製品を選ぶ必要がある。

-10~55℃で使用可能

オムロンの『BV55REM』と『BV55RE』は、過酷な環境でも使用できるUPSだ。

IPカメラやIoTで使用されるセンサーやそのコントローラーなどは、空調がない場所に設置される場合もある。継続した監視やデータ採取を行うためには、万一の停電の際にもデータを保護するために、UPSの使用が必須といえる。

同製品の使用環境温度は-10~55℃なので、空調のない場所や、冷蔵倉庫などでも使用することが可能だ。また、ファンレス設計を採用しているので、塵埃のある環境でも故障のリスクを軽減できる。

本体は薄型1UサイズでEIA規格に適合しており、従来のUPSでは困難だった通信キャビネットなどの狭所環境にも搭載できることに加え、別売りの金具とセットで使用することで、置き場所に応じた多彩なスタイルでの設置が可能となっている。

遠隔監視機能を搭載

IPカメラや無線LANアクセスポイントなど、ネットワークの拡大は運用への負担を大きくする。UPSについても同様だが、『BV55REM』には遠隔監視用ネットワーク機能が搭載されているので、運用管理の負担を低減したいというユーザーにはおすすめだ。

PoEスイッチに接続されたIPカメラや無線LANアクセスポイントなどに異常が生じた場合には、異常のあるPoEポートを自動で検出しリブートする機能により、死活監視と遠隔ON/OFF制御が行える。管理者がIPカメラなどの設置場所に移動する必要がなくなるので、新型コロナウイルスの感染防止効果も期待できる。

また、3系統の出力コンセントはそれぞれ停止遅延時間と起動遅延時間を設定できるため、現場の運用に合わせた細かな制御が可能になっている。

いわゆる「ゲリラ豪雨」に伴う落雷など、電源周りのトラブル要因が増加する一方で、IPカメラや無線LANアクセスポイント、IoTなど、その影響を被る機器も増加している。過酷な環境でも使用できるUPSを、電源系トラブル対策の選択肢としてぜひ提案していただきたい。

主な仕様

型式 BV55REM BV55RE
交流入力 定格入力電圧 AC100V
起動電圧範囲※1 電圧標準感度設定 AC84±2~116±2V
電圧高感度設定 AC89±2~111±2V
入力電圧範囲※2 電圧標準感度設定 AC88±2~112±2V
電圧高感度設定 AC93±2~107±2V
入力周波数 50/60Hz±4Hz
最大電流※3 6A/7A
相数 単相2線(アース付)
交流入力 出力容量(共に上限) 550VA/330W
定格電流(出力定格電圧時) 5.5A
切替時間 10msec.以内
出力電圧(商用運転時) 入力電圧スルー出力
出力電圧(バックアップ運転時) AC100V±6%
出力周波数(商用運転時) 入力周波数スルー出力
出力周波数(バックアップ運転時) 50/60Hz±0.1Hz
バッテリー バッテリー種類 リチウムイオン蓄電池
バッテリー容量(V/mAh)/個数 DC25.2V/2900mAh/1個
充電時間 フル充電:約12時間
バックアップ時間※4 8.5分(330W)
外形寸法(W×D×H) 400×230×43mm(1U)
本体質量 約4.4kg 約4.3kg
使用環境温度/湿度※5 -10~55℃(バッテリ充電時:0~55℃)/10~90%RH(無結露)
ノイズ規制 VCCIクラスA適合
安全規格 UN38.3取得
内部消費電力※6
無負荷時  通常時/最大時
定格負荷時 通常時/最大時
8W/23W
15W/30W
5W/20W
12W/27W

※1 電源スイッチをONにしてUPSを起動できる入力電圧範囲です。

※2 商用運転が可能な入力電圧範囲です。

※3 定格入力電圧時/最小入力電圧時、定格負荷接続時。

※4 周囲温度25℃、バッテリが初期状態の場合。

※5 設置時に隣接機器がある場合は、その表面温度を考慮した温度が仕様としての周囲温度です。

※6 定格入力電圧時。発熱量(kJ/h)に換算する場合、「内部消費電力(W)x3.6」で計算してください。