CAD・CAM・CAE

業種別ツールセットを備えた AutoCAD Plus

Autodesk
AutoCAD including specialized toolsets

掲載日:2021/09/21

Autodesk AutoCAD including specialized toolsets

オートデスクは、2D図面の作図・編集に機能を絞った「AutoCAD LT」の新規販売を終了する代わりに、これと同一価格で『AutoCAD』の提供を開始した。これは業種別ツールセットを含まない標準的な汎用CADソフトだが、『AutoCAD Plus(AutoCAD including specialized toolsets)』では、建築設計や地図情報、プラント設計といった業種別ツールセットが利用可能となる。各分野に特化したツールで、より効率的な設計作業を実現する。

各業種に特化した機能とライブラリで効率を向上

オートデスクは『AutoCAD』シリーズのラインアップを整理し、6月7日で2D図面の作図・編集に機能を絞った「AutoCAD LT」の新規販売を終了、その一方で5月7日より『AutoCAD』を「AutoCAD LT」と同価格で提供開始した。

こちらはAutoCADの標準機能を備えた汎用CADだが、別途『AutoCAD Plus(including specialized toolsets)』を購入することで、建築設計や電気など、各分野に特化したツールセットが使用可能となる。

ツールセットは、建築設計向けのArchitecture、機械設計向けのMechanical、地図情報のMap 3D、設備設計向けのMEP、電気制御設計のElectrical、プラント設計のPlant 3D、ラスター画像処理のRaster Designの7種類。それぞれの分野で活用できるオブジェクトが、ライブラリへ豊富に収録されており、すばやく設計を行える。

各業種専用の機能も豊富だ。例えばArchitectureツールセットでは、壁やドアの実際の動作や構造を再現した要素やリノベーション専用のモードが、Plant 3Dツールセットでは、ツールパレットに標準のシンボル ライブラリが備わっている。そのほかにも、設計を補助する機能が多数用意されている。

プロジェクト内の連携も容易

こうした高度な設計環境を異なるデバイス間で扱える点は、大きなメリットだ。モバイルアプリやWebアプリを利用して、どこにいても図面にアクセスし、時と場所を選ばず編集や注釈記入などを行える。

また、AutoCAD と同じく最新のバージョン 2022 では、プラットフォーム間およびオートデスク製品間の連携性の向上、カウントなどの新しい自動化機能が備わっている点も注目したいところだ。

同社の調査では、業種別ツールセットの使用時は、標準版と比較して生産性が平均63%向上したとの結果が報告されている。「AutoCAD LT」からの切り替えも含めて、ぜひお客様にご提案いただきたい。

主な仕様

製品名 AutoCAD including specialized toolsets
用途 ・2D 作図、図面、ドキュメントの作成
・3D モデリングおよびビジュアライゼーション
機能 2D ジオメトリの作成と編集
ソリッド、サーフェス、メッシュ オブジェクトを使用して 3D モデルを作成し編集
テキスト、寸法値、引出線、表を使用して図面に注釈付け
アドオン アプリケーションや API を使用したカスタマイズ
リボンやツール パレットのカスタマイズ
オブジェクト データを表に抽出
PDF ファイルからデータをアタッチして読み込み
DGN ファイル、Navisworks、Bing マップのデータを共有して使用
CAD 標準仕様を適用して準拠状態を確認
Mechanical ツールセット
700,000 点以上の標準パーツとフィーチャを使用してより正確な図面を作成
Architecture ツールセット
8,500 点以上の建築コンポーネントのライブラリ(マルチレベル ブロックを含む)を装備
Electrical ツールセット
AS、GB、IEC、IEC-60617、JIC、JIS、NFPA、IEEE の各規格に対応した 65,000 点を超えるインテリジェントな電気制御設計シンボル ライブラリを装備
Map 3D ツールセット
DGN ファイル、Navisworks、Bing マップのマップ データを共有して使用
MEP ツールセット(日本語未対応)
AIA 2nd Edition、BS1192 Descriptive、BS1192 – AUG Version 2 標準、DIN 276、ISYBAU Long Format、ISYBAU Short Format、STLB の各レイヤ規格に対応した 10,500 点を超えるインテリジェントな MEP オブジェクトを使用
Plant 3D ツールセット
ANSI や DIN など 40 種類の規格に対応した 400 点を超えるインテリジェントなプラントオブジェクト ライブラリ(機器テンプレート、サポート テンプレート、構造部材などを含む)を装備
Raster Design ツールセット
ラスターイメージから DWG オブジェクトへの変換をサポートする専用ツールを使用して、使い慣れた AutoCAD 環境でスキャン図面を編集
含まれるもの ・Autodesk App Store へのアクセス
・AutoCAD Web アプリ
・AutoCAD モバイル アプリ
プラットフォーム Windows
Mac
(業種別ツールセットは Windows のみ)

※ 動作環境ほか詳細はメーカーサイトにてご確認ください