ネットワーク機器

約1kmの長距離無線通信を実現する無線LANブリッジ

サイレックス・テクノロジー
BR-100AH

掲載日:2023/01/31

約1kmの長距離無線通信を実現する無線LANブリッジ

IoTを導入したり、モバイル端末を使用したDXを推進したりするためには、より柔軟に、無線ネットワークを構築できる機器が必要になる。特に広域のネットワークを効率的に構築しようとすると、伝送距離が約100mであるWi-Fi6が、使用できない場合が少なくない。しかし、新しい規格のIEEE 802.11ahに対応した機器であれば、約1kmの長距離無線通信が可能になる。これにより、全く新しい視点で無線ネットワークを考えられるようになる。

広域無線LANネットワーク

サイレックス・テクノロジーの『BR-100AH』は、IEEE 802.11ahに対応した無線LANブリッジ(子機)だ。

IEEE 802.11ahは、Wi-Fi HaLow(ワイファイ ヘイロー)とも呼ばれる、長距離無線通信と映像・画像を送信できる通信速度を両立した、新しいWi-Fi規格だ

同社「AP-100AH」を親機とし、同製品を子機として使用すると、約1kmを無線接続することが可能になる。同製品には最大16台の有線LAN機器の接続が可能で、それらを無線化できるマルチクライアントモードで動作する。

セキュリティは最新のWPA3に対応していることに加え、MACアドレスによるデバイスフィルター機能が搭載されている。MACアドレスとは、機器固有の識別子。デバイスフィルター機能を有効にすると、リストにMACアドレスを登録した有線LAN機器のみが同製品と接続できるようになるため、ネットワークのセキュリティを確保することができるのだ。

IoTネットワークの選択肢に

『BR-100AH』を活用することによって、無線LANの活用シーンを大きく広げることが可能になる。

例えば設備管理では、新たに同製品を導入することで、これまでのWi-Fiでは電波が届きにくかった階段や屋上などのエリアをカバーできるようになる。また、工場や倉庫など、広範囲を無線LANでカバーしたい場合には、アクセスポイントを削減することが可能になる。

環境によるが、通信速度は150kbps~15Mbpsで、1km地点で1Mbps程度なので、Webカメラによる監視や遠隔臨場などにも活用できる。センサーなどで異常を監視し、必要に応じて同じネットワークを用いて、現地の画像や映像を遠隔から確認するといったことが容易に実現可能だ。

ネットワーク機器を広範囲に設置すると、保守管理の負担が増大するが、同製品は別売りの統合管理ソフトウェア「AMC Manager」に対応しているので、複数機器を遠隔一括管理することが可能。同製品を提案する際には、あわせて提案していただきたい。

親機である「AP-100AH」同様、同製品もハードウェア、ソフトウェア、テクノロジー、機能などを、お客様独自の要件に合わせてカスタマイズすることが可能。IoTネットワークの選択をする際に、この点も同製品の強力なセールスポイントになるだろう。

主な仕様

型番 BR-100AH(JP)
有線LANインターフェイス RJ-45x1
10BASE-T / 100BASE-TX(自動認識)
無線LANインターフェイス IEEE802.11ah
■920MHz
周波数:
1MHz幅:921.0MHz, 923.0MHz, 924.0MHz, 925.0MHz, 926.0MHz, 927.0MHz
2MHz幅:923.5MHz, 924.5MHz, 925.5MHz, 926.5MHz
4MHz幅:924.5MHz, 925.5MHz
LED RJ-45:LED x 2(緑、オレンジ)
本体:LED x3 (緑、黄色、オレンジ)
動作環境条件 温度条件:0°C ~ 40°C
湿度条件:20%RH ~ 90%RH
電源 5.0V ± 5%
最大消費電力 2W(DC5V 0.4A)
各種取得規格 VCCI Class A, RoHS
セキュリティ機能(認証方式) Open
Enhanced Open (OWE)
WPA3-Personal(SAE)
WPA3-Enterprise(128bitモード)
セキュリティ機能(暗号化方式) AES (128bit)
AES-CCMP (128bit)
セキュリティ機能(その他) MACアドレスフィルターによる接続機器限定機能
最大端末接続数 最大有線LAN機器接続台数:16台
設定方法 Web ブラウザ
統合管理ソフトウェア AMC Manager®
外形寸法(W×D×H) 126 x 75 x 24mm(±2mm)
重量 約 230g
保証期間 5年

※ 詳細はメーカーサイトにてご確認ください。