ネットワーク機器

クラウドサービスを快適に活用できるVPNルーター

ヤマハ
RTX840

掲載日:2025/11/11

クラウドサービスを快適に活用できるVPNルーター

ネットワークのセキュリティと快適さの両立は、永遠の課題と言っても良いだろう。「クラウドファースト」が謳われ、企業が外部のクラウドサービスを利用する機会は大幅に増加した。そのため、新たな課題が生じることになった。クラウドサービスを利用する際には必ずインターネットとの通信が発生するが、そのためにVPN内の通信量が増大する。増加するネットワークへの負荷にはハードウェアでの対応も有効だ。

クラウドによる帯域不足を解消

ヤマハの『RTX840』は、メンテナンス不要でローカルブレイクアウトに対応した、小規模拠点向けのギガアクセスVPNルーターだ。

本製品は同社従来モデル「RTX830」に対して4倍のメモリーを搭載し、NATおよび動的フィルターの最大セッション数を65,534から150,000まで増強していることに加え、TCPコネクション処理性能も約30%強化されている。

また、拠点ルーターからセンタールーターを経由せずにインターネットへ直接接続する「ローカルブレイクアウト」に対応することで、ネットワークの負荷を低減することが可能だ。

本製品を使用することで、インターネット経由で提供されるSaaS型業務システムやWeb会議、ストレージサービスなどのクラウドサービスを快適に利用できるようになる。

ローカルブレイクアウト機能にはIPアドレスまたはFQDNで定義された通信先リストが必要になるが、本製品では無償で同社のサーバーから定期的に自動で配信されるために、面倒なメンテナンス作業を行うことなく、最新の情報で通信制御を行える。

効率的な管理業務をサポート

『RTX840』はクラウドサービスをより活用したいユーザーや、クラウドサービスの利用で増大したネットワークの負荷に対応したいユーザーにおすすめしていただきたい製品だ。

本製品のメリットの一つとして、同社従来モデル「RTX830」を使用している場合は、そのまま置き換えできる点が挙げられる。

さらに無償で利用可能なネットワーク管理用GUI「LANマップ」が搭載されており、同社製のルーターとスイッチ、無線LANアクセスポイントなどをネットワークに接続されている端末を含めた状況をLANマップ上で簡単に把握できる。万が一のトラブル発生時にも発生箇所の特定が容易なので、即座に対応することが可能だ。

さらに、クラウド型ネットワーク統合管理サービス「Yamaha Network Organizer(YNO)」にも対応しているので、遠隔地のネットワークをブラウザ上から管理することも可能だ。

主な仕様

製品名 RTX840
インターフェイス数 LAN/WANポート LAN:4ポート、WAN:1ポート ※全ポート:10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T、 ストレート/クロス自動判別 ※LANポートは4ポートL2スイッチ
microSDスロット 1スロット(SDHC対応)
USBポート 1ポート(USB 2.0 Type-A、 給電電流:最大500mA、 USBメモリー/USBデータ通信端末に対応)※1
コンソールポート(設定用) 2ポート(RJ-45、 USB Mini-B<5pin>、 9,600/19,200/38,400/57,600/115,200 bit/s)※2
メモリー Flash ROM 64MB(ファームウェア:1組, コンフィグ:5組/履歴機能あり)
RAM 1GB
性能 内蔵L2スイッチ機能 ポート分離、 LAN分割(ポートベースVLAN)、 ポートミラーリング
閉域網サービス用機能 タグVLAN、 IPv6マルチキャスト(MLDv1、 MLDv2、 MLDプロキシ)
タグVLAN(IEEE 802.1Q) LANごとに32ID
PPPoEセッション数 5
対応回線およびサービス網※3※4 FTTH(光ファイバー)、 ADSL、 CATV、 ATM回線、 IP-VPN網、 広域イーサネット網、 携帯電話網、 データコネクト
スループット スループット 最大2.0Gbit/s ※5
IPsecスループット 最大1.0Gbit/s※6 
VPN機能 IPsec(VPN機能:NATトラバーサル、 XAUTH)+AES128/256、 3DES、 DES(暗号機能:ハードウェア処理)+IKEv1(メインモード、 アグレッシブモード)/IKEv2、 IKEv2/IPsecリモートアクセス(PSK)※7、 PPTP(VPN機能)+RC4(暗号機能) ※8、 L2TP/Ipsec、 L2TPv3、 L2TPv3/Ipsec、 IPIPトンネル、 マルチポイントトンネル(クライアント)
セキュリティ 認証機能 RADIUS、 PAP/CHAP、 MS-CHAP/MS-CHAPv2
セキュリティ機能 URLフィルター(内部データベース参照型)、 DHCP端末認証機能、 Winnyフィルター(Winny Version2 対応)、 Shareフィルター(Share バージョン1.0 EX2対応)、MACアドレスフィルター
ファイアウォール機能
(IPv4/IPv6静的フィルタリング)
IPアドレス、ポート、 プロトコル (Established, TCPフラグ有り)、 FQDN、 ソース/デスティネーション、LAN側/WAN側のIN/OUTに適用
ファイアウォール機能
(IPv4/IPv6動的フィルタリング)
基本アプリケーション(TCP、 UDP)、応用アプリケーション(FTP、 TFTP、 DNS、 WWW、 SMTP、 POP3、 TELNET)、自由定義、LAN側/WAN側のIN/OUTに適用
動的フィルターセッション数 150,000
ファイアウォール機能
(IDS:IPv4不正アクセス検知)
LAN側/WAN側のIN/OUTに適用、 IPヘッダー、IPオプションヘッダー、 ICMP/UDP/TCP/FTPなどのカテゴリーで41種の不正アクセスを検出可能、不正アクセス検知メール通知機能
管理/設定 統計管理機能 ダッシュボード機能(システム情報、 リソース情報、 インターフェース情報、 トラフィック情報、 プロバイダー接続状態、 VPN接続状態、 YNOエージェント動作状態、 NATセッション数、 ファストパス フロー数、 動的フィルター セッション数、 URLのキーワードチェック統計、 プロバイダー接続履歴、 不正アクセス検知履歴、 UTXセキュリティ、 SYSLOG)
YNO YNOエージェント機能、 GUI Forwarder、 ゼロコンフィグ、 LAS
LAN管理 L2MSマネージャー ※9、 L2MSエージェント※9、 VLAN一括設定、 スナップショット機能、 LANケーブル二重化、 LANマップ、一覧マップ
SNMP SNMP(v1、 v2c、 v3)
ロギング機能 メモリーに蓄積、 SYSLOGでの出力、 外部メモリー(microSD、 USBメモリー)への出力(暗号機能あり)、 電源スイッチ切断時のログ保存(パワーオフログ保存機能)、 リブートログ保存機能
ログ記憶容量 最大10,000行
設定手段 コンソール、 TELNETサーバー(多重)、 TELNETクライアント、 SSHサーバー(多重)、 SSHクライアント、 Web GUI(カスタムGUI対応)、 外部メモリー(microSD、 USBメモリー)経由での設定、 TFTP/SFTP/SCPによるダウンロード/アップロード、 データコネクト経由のリモートセットアップ
GUIの推奨ブラウザー※10 Windows: Microsoft Edge、 Google Chrome、 Mozilla FireFox
macOS: Safari
iPadOS: Safari
ハードウェア 状態表示インジケーター 前面:14(POWER、STATUS、LAN<LINK/DATA、SPEED>×4、WAN<LINK/DATA、SPEED>、microSD、USB)背面:0
動作環境条件 周囲温度0〜50℃、 周囲湿度15〜80%(結露しないこと)
電源 AC100~240V(50/60Hz)※11、 電源内蔵, 電源インレット(2極コネクター、 C8タイプ)、 電源スイッチ
最大消費電力(皮相電力)、
最大消費電流、発熱量
12W(24VA)、 0.24A、 43.2kJ/h
省エネ機能 EEE(Energy Efficient Ethernet)、 未使用LANポートのシャットダウン、 microSDスロット/USBポート停止
筐体内温度測定
筐体 金属筐体、 ファンレス
電波障害規格、環境負荷物質管理 VCCIクラスA, RoHS対応
デフォルトIPアドレス 192.168.100.1
外形寸法(W×D×H) 220×160×43.5mm (ケーブル、端子類は含まず)
質量(付属品含まず) 1.1kg

※1 全てのUSBメモリーの動作を保証するものではありません。USBハブは利用できません。動作確認済みのUSBデータ通信端末は技術情報(RTpro)サイト https://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/external-memory/ に掲載しています。

※2 市販品の USB Mini-B ケーブル、または、別売りオプション品の RJ-45 コンソールケーブル「YRC-RJ45C」をご使用ください。

※3 ADSL、CATV、FTTH(光ファイバー)等の回線との接続には、別途ADSLモデム、ケーブルモデムまたはメディアコンバーターが必要です。ATM 回線との接続には、ATM-TAが別途必要です。また、複数のPCでの使用を認めていないプロバイダーもありますので、 契約内容をご確認ください。

※4 データコネクトは、東日本通信電話株式会社および西日本通信電話株式会社の登録商標です。

※5 スループット値は、RFC2544に準じた測定値(NATなし、フィルターなし、双方向)です。

※6 AES+SHA1利用時の測定値(双方向)です。

※7 AndroidとiOS、iPadOSからのリモートアクセス接続のみの対応です。各クライアントの動作確認済みのOSバージョンは、技術情報(RTpro)サイトに掲載しています。

※8 本製品は「RC4」を使用しています。RC4はRSA Security LLCの米国およびその他の国における登録商標です。

※9 L2MS(Layer2 Management Service)は、ヤマハネットワーク機器をレイヤー2レベルで管理する機能です。L2MSエージェント対応機種は、技術情報(RTpro)サイトに掲載しています。

※10 ブラウザーのバージョンは、最新バージョンにしてご利用いただくことを推奨します。また、最新のWebブラウザー対応状況は、技術情報(RTpro)サイトに掲載しています。

※11 付属の電源コードを使用する場合は、日本国内AC100Vのみ使用可能です。

※ 詳細はメーカーサイトにてご確認ください。