テレワーク

Web会議でよりよい時間を作る印象テクニック

掲載日:2020/12/23

テレワークに潜むセキュリティの落とし穴

2020年、新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、感染拡大対策として世界中でリモートワークが推進されている。日本の企業でもリモートワークは増えているが、実際にリモートで仕事をしてみるとさまざまな問題が見えてくる。例えば、リモートワークにおいて必ずといっていいほど用いられるZoomやMicrosoft TeamsなどのWeb会議ツールを利用したときの自分の見られ方に対する不満だ。画面越しに顔を合わせているとはいえ、実際に対面しているときと比べるとニュアンスが伝わりづらく、場合によっては暗い印象を与えてしまうこともある。Web会議で良い印象を与えるためにはどうしたらいいのだろうか?

第一印象を決める印象デザイン

Web会議をする中で多くの人が感じる問題といえば、コミュニケーションの難しさだ。自身が画面を通じて周りに与える印象はどうなのだろうか、相手から受けた印象は果たして相手の本心なのだろうか。

対面で会話をしている場合は、表情や雰囲気から相手の人となりや考えが伝わってくるが、画面からそのニュアンスを把握することは困難だ。

また、社外のスタッフとの商談や打ち合わせでWeb会議をする場合は、対面で接する場合と同じく、失礼な印象を与えないように気を付ける必要がある。

画面越しに映る自分が相手からどのように見られているのか。表情や声のトーン、服装や部屋の照明に至るまでいつにも増して気を配りたいところだ。

株式会社パーソナルデザイン代表取締役で学術博士(コミュニケーション学)の唐澤理恵氏は、オンラインでの会議や打ち合わせなどにおける第一印象の大切さをこのように語っている。

「オンラインでのコミュニケーションは、対面の場合と比べて得られる情報が限られます。その少ない判断材料から相手の第一印象を形成するわけですが、画面を通して得た印象は対面した場合と比べると実際のその人のイメージと異なることが多いです。私たちは相手の人格や性格に合わせたコミュニケーションを取ろうとします。第一印象は『相手に対する期待』とも考えることができ、その期待が裏切られることによって、より深いコミュニケーションを取れるようになるまで時間を要してしまうのです。時間に制約があるなかで、深い話を進めるためには相手に与える印象をデザインすることが重要です」

唐澤氏が提唱する「パーソナルデザイン」の考え方に基づき、「見た目を内面に合わせることが重要」ということだ。

では、「見た目を内面に合わせる」とは具体的にどういうことなのだろうか。それは、穏やかな人は見た目からも穏やかそうだと思われるような、逆に相手に強く見せたい場合はそのような印象を抱かせるような自身をデザインするということだ。

具体的には、目や眉がはっきりと見える髪型・眼鏡などを準備すること、ビデオ通話時のカメラを見て話すことなどに気をつけることで、相手に与える印象をコントロールできる。

さらに、Web会議ツールや活用する機材の機能によっては、与える印象をさらにコントロールすることが可能だ。例えば、Zoomには「美肌機能」というオプションが設定されており、これを有効にすることで肌の色合いがなめらかに見えるエフェクトをかけることができる。肌のトーンが明るくなることで表情も明るく見えるため、男女関係なく活用したい機能だ。

これらのテクニックを活用し、好印象を与えられれば、Web会議でもスムーズにコミュニケーションを取ることができる。

対面での会議に劣ることのない
Web会議の実施は十分可能

その他にも、会議の前後に5分間程度、直接業務に関係ない話題で雑談タイムを設ける運用を行う企業もある。コロナ禍以前を思い出すと、オフィスで顔を合わせた同僚と、とりとめない話で盛り上がったことも多々あったはず。

Web会議と並行して、雑談専用の会議室やチャットルームを常設するアイデアも、場の雰囲気をなごませることがスムーズなコミュニケーションのきっかけにもなるのだ。

相手にいい印象を与えることも、会議前の雑談も、よりよい時間を作るための一つの手段。まだまだ今の状況は続きそうだが、対面での会議に劣ることのないWeb会議を実施することは十分可能であるといえる。