ペーパーレス化

ペーパーレス化の成功メソッドとおすすめ商品

掲載日:2021/01/26

ペーパーレス化の成功メソッドとおすすめ商品

現在、企業や政府・自治体においてペーパーレス化が急務となっている。ペーパーレス化とは紙の利用を減らし、契約書や請求書といった書類をデータとしてPCやスマートフォン上で管理・運用することだ。これにより、経費削減や資源の有効活用にもつながる。注目が集まるペーパーレス化の特長とメリット・デメリットを理解し、最適な提案につなげよう。

なぜ今ペーパーレス化が必要か

「ペーパーレス化」というと、近年注目されるSDGs(Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標)」)における森林などの陸上資源の保全といった、自然環境への配慮が大きな目的という印象がある。しかし、今日におけるペーパーレス化の需要はむしろ、「働き方改革」と「コロナ禍」によるものが大きいだろう。

働き方改革は、2019年に政府が本格的に推進を始めた生産力向上や多用な労働形態の実現を目指す運動。その中では労働や契約などについての法整備も進められ、「e-文書法」「電子帳簿保存法」などの改正が行われた。これにより、会計帳簿や国税関係書類といった書類のスキャンデータを原本として保存することなどが認められ、以前まで保存が義務付けられていた紙の法定保存文書を破棄することも一部可能となった。

デジタル管理は紙による管理に比べ、不要な工数の削減や労働時間の短縮が期待できる。企業や自治体にとって、より効率的な働き方を実現するためには、ペーパーレス化は必要不可欠なのだ。

そして、新型コロナウイルスの感染拡大がペーパーレス化の需要に拍車をかけることになった。コロナ禍ではテレワークが推奨されているが、紙の契約書や請求書の処理のため出社せざるを得ないという企業も多く見られる。さらに、紙での手続きには人と人が接触する機会も増えてしまう。感染リスクの低減という観点からもペーパーレス化需要は高まっているのだ。

ペーパーレス化のデメリットと対処法

一方、ペーパーレス化によるデメリットも存在する。まず、書類のデジタル化においては、スキャナーやOCRソフトといった設備の導入が必要だ。また、デジタルデータを管理する際は見やすく探しやすい最適な形に編集し、種別ごとに分別して保存する必要がある。これらの問題に対しては、適切な機器を選択し、用途ごとに使い分けることが重要だ。

さらに、ペーパーレス化によってテレワークの利便性向上が期待されるものの、利用者のネットワーク環境や端末の状況によっては効果を発揮しない恐れがある。必要な情報を適切なタイミングで参照できるよう、回線の整備やPCの導入も同時に提案することをおすすめしたい。

また、データ化したことでコピー&ペーストでの複製リスクが発生したり、複数人で同時に管理することで正しい最新データがどれなのかが分からなくなるなど、運用面で課題を抱えるケースも考えられる。かえって業務効率が悪くなる可能性もあるため、導入に当たっては事業者ごとに運用ルールをきちんと決め、徹底することが重要だ。

おすすめペーパーレス化商品

実際にペーパーレス化を進める際は、以下のような製品を導入することで紙文書の電子化や管理、効率的なワークフローの実現が期待できる。

1.Adobe Acrobat DC

PDFデータの取り扱いには、Adobe Acrobat DCを提案しよう。基本的な閲覧や編集が可能なことはもちろん、スマートフォンやタブレットといったデバイスを問わず作業できる点が魅力だ。また、Adobe Scanと組み合わせることで紙からスキャンした画像を自動補正し、OCRをかけてPDF化できる。

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2.Microsoft 365

書類作成や表計算、プレゼン資料の作成においてはMicrosoft 365をおすすめする。WordやExcel、OutlookといったOfficeソフトを定額制で、常に最新バージョンで利用可能なほか、プランによってはデータを大量に保存できるクラウドストレージも付帯する。

3.Adobe Sign

契約書や見積書に電子サインを記載する場合は、Adobe Signが便利だ。電子サインの記入に特化したシンプルな機能設計となっており、扱いやすく簡単に動作する。

4.PFU DynaEye 10

紙に印刷された文書のデータ化には、OCRアプリのPFU DynaEye 10をおすすめする。スキャナーで読み取った書類の内容を判別し、必要な情報を選択してデータ化が可能だ。請求書や納品書、名刺といった書式がバラバラな書類でも内容を自動で判別するため、スキャン前に手作業で分類するような手間がかからない。

5.ScanSnap

大量に書類をデータ化する際は、より専門的な機能を持つスキャナーのPFUの ScanSnapを使おう。携帯に便利なモバイルモデルや冊子の読み取り向きの非接触モデルなどが発売されており、使用機会に応じた機種の選択ができる。専用アプリのScanSnap HomeはOCR機能に加え、取り込んだテータの色調や余白を自動的に補正する機能や、Word、PowerPointなどのデータに変換する機能もあるため、編集の手間がかからないのも魅力だ。

6.楽²ライブラリ クライアントサーバ

データ化した膨大なデータを管理する際は、ファイリングソフトの楽²ライブラリ クライアントサーバを提案しよう。PC上に書棚を模したデータ管理画面を表示できるため、必要なデータを視覚的に探すことができる。また、データ化した書類に画面上で付箋を貼ったり、マーカーを引いたりすることも可能なので、紙の書類を扱う感覚で操作できる。

7.サイボウズOffice・サイボウズkintone

ペーパーレス化によるワークフローの効率化を目指す場合は、サイボウズOfficeやサイボウズkintoneをおすすめする。サイボウズOfficeは、複数の参加者が接続し、SNSのようにコミュニケーションを取りながら情報のやり取りを行えるサービスだ。チャットや添付データの送受信はもちろん、ファイル共有やスケジュール管理、設備予約などの機能を有している。一方、サイボウズkintoneは開発の知識不要でドラッグ&ドロップで必要なアプリケーションを作成できるサービスだ。自ら必要なシステムを構築して情報をクラウド上に一元管理することで、紙による申請や情報共有・掲示を大幅に削減できる。

一口にペーパーレス化といっても、その形態は事業所や利用者によってさまざまである。適切な製品を判断し、需要に見合ったものを提案することが重要だ。

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