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GIGAスクール構想実現に向け
解決すべき3つの課題

掲載日:2021/02/02

GIGAスクール構想実現に向け解決すべき3つの課題

働き方改革の推進やコロナ禍における新しい生活様式の導入により、ここ1年ほどで急速に社会のデジタル化が進んでいる。当然、教育現場においてもデジタル化は重要課題だ。特に、文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」は、デジタル化により教育を大きく変えるプロジェクトとして注目を浴びている。

GIGAスクール構想とは

GIGAスクール構想とは「Global and Innovation Gateway for All」の略で、「全ての児童生徒に世界と改革への入り口を提供する」という意味だ。このプロジェクトを実現するため、文部科学省は1人1端末の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備する5カ年計画を進めている。計画は2018年よりスタートし、2020年には3年目を迎えた。しかし、実際に計画を進めるうえではさまざまな問題が発生し、当初の計画通りスムーズな導入ができていないのも事実である。

さらに、コロナ禍に伴う学校の一斉休校を受け、計画の予算や方針が全面的に見直された。これにより、デジタル環境の整備をさらに前倒しすることが発表されている。当初は2023年度までの達成を目指していた1人1端末環境の実現も、より速いスピードで完了する予定だ。ITベンダーにおいても教育分野からの需要が増えることが予想されており、これに準備しておくことが重要といえる。

GIGAスクール構想の課題と対策

GIGAスクール構想の実現には大きく3つの課題が存在する。特に教育現場では、生徒の安全な学習を保護するためにもセキュリティリスクの対策が重要だ。それぞれの課題において注意すべき点と対策をまとめた。

①校内LANの整備

動画教材を使った授業や遠隔授業などを滞りなく実現するためには、高速ネットワークが必要不可欠である。当然、全校生徒が同時にインターネットを使っても問題のない環境整備が求められる。また、校内のどこからでもアクセスできる環境を実現するためには、有線ではなく無線LANで接続できなくてはいけない。

一方で、無線LAN接続には第三者の不正利用や情報漏えいの危険性が考えられる。そのため、校内LAN環境の構築時は通信の暗号化処理や、不審なMACアドレスからのアクセスを遮断するなどの対策を十分に整備することが重要だ。また、Wi-Fiのパスワードを厳重に管理し、生徒や職員からの漏えいを防ぐだけでも大きなトラブル防止につながる。

②学習者用PCの導入

文部科学省は、学習者用PCの標準的な仕様を公開している。実際の教育現場では、ネットワークや使いたい教材・ソフトウェアに対応したPCを導入する必要がある。ただし、生徒はPCを家に持ち帰り、教員の見えない場所でも使う可能性がある。そのため、有害サイトへのアクセス制限や利用制限、端末管理などを可能とするソフトウェアの導入が必須となる。

③学習ツールと校務のクラウド化

GIGAスクール構想では、クラウドの活用を推奨している。学習ツールとしては「協働学習支援ツール」「グループウェア」「ファイル共有」などの導入が必要だ。校務では、教務・学籍・学校事務などを一括管理する「統合型校務支援システム」の導入が求められている。インターネットを介したサービスのため、児童生徒や教員の個人情報漏えいやサイバー攻撃、ウイルス対策が重要だ。

課題解決におすすめの製品

では、これらの課題をクリアするためにはどのような製品を導入すればよいのか。BP事業部の取り扱う製品の中から、特におすすめできるものをピックアップした。

ソリトンシステムズ NetAttest EPS GIGAスクールモデル

ソリトンシステムズ NetAttest EPS GIGAスクールモデルは、VPN機器や無線LANアクセスポイントなどと連携し、端末や利用者の認証を強化するアプライアンスセットの製品だ。無線LANに接続しようとした端末を確認し、事前に登録したPCやスマートフォンを判別することで、不審な利用者によるアクセスを防ぐことができる。

また、GIGAスクール構想下で活用されることを想定した仕様となっていることが特長だ。平易な日本語GUIで環境設定が可能なため、教育現場に専門的な知識を有する担当者が不在でも簡単に利用できる。

ソリトンシステムズ NetAttest D3 GIGAスクールモデル

ソリトンシステムズ NetAttest D3 GIGAスクールモデルは、DHCPサーバーとDNSサーバーを提供することに特化した専用アプライアンスセットの製品だ。DHCPサーバーは他社の一般的なルーターや汎用サーバーなどに比べ、最大10倍のIPアドレス払い出し能力を有する。そのため、学校のように、多数の生徒が同時にインターネットへアクセスする状況でも、高速通信を実現するための高いパフォーマンスを発揮してくれることが魅力だ。

エムオーテックス LANSCOPE オンプレミス版

エムオーテックス LANSCOPE オンプレミス版は、校内LANの安全な運用を支える機能を兼ね備えた管理ツールだ。例えば、校内LANに接続する端末の情報を自動で取得し、利用者名やウイルス対策ソフトのインストール有無などの情報を自動で取得する機能を有している。生徒が適切に端末を利用しているか確認が可能だ。

また、接続端末が機密情報にアクセスしたり、USBメモリーを利用するなどの履歴を確認する機能もある。これらの情報は定期的なレポートとして管理者が確認可能なため、個人情報の漏えいなどが想定される生徒を事前に把握できる。

さらに、接続端末のOSやアプリケーション情報を随時収集する機能も有する。問題のあるバージョンの利用が確認された場合は、公開済みの最新版パッチを自動的に各端末へ配信することで、生徒のPCに高いセキュリティ環境を維持することが可能だ。

エムオーテックス LANSCOPE クラウド版

エムオーテックス LANSCOPE クラウド版は、接続端末の利用状況を自動で取得する管理ツール。物理ハードを必要としないクラウドサービスなので、気軽に導入できる点が魅力だ。グラフィカルで直感的に操作できる管理画面が使いやすく、簡単に操作可能なため、IT機器に不慣れな方でも手軽に使うことができる。

Windows・macOSはもちろん、iOSやAndroidといった幅広いOSの端末に対応しているため、生徒の私物スマートフォンやタブレットまで一括管理可能だ。どんなアプリやWEBサイトを利用しているかや、利用時間まで確認できるため、学習に最適な端末利用がされているかを把握できる点も魅力である。

  

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デジタルアーツ i-FILTER@Cloud GIGAスクール版

デジタルアーツ i-FILTER@Cloud GIGAスクール版は、生徒の安全なインターネット接続を保護するサービスだ。接続端末の利用時間を自動的に収集することはもちろん、インターネット利用ログを保存するため、不適切なアクセス有無を確認することができる。

また、有害サイトのアクセスをブロックするフィルタリング機能を搭載。さらに、サービス提供会社が事前にリストアップした安全なURLにのみアクセスできるよう設定可能なため、生徒の安全なネット利用を強力に助けてくれる。

これらの製品を適切に導入することで、教育現場におけるセキュリティを効果的に向上できる。しかし、実際に現場で機器を利用するのは生徒たちである。一人一人が情報リテラシーを持ち、安全な利用方法を身につけることも、セキュリティ向上に重要なポイントである。設備を整えることに加え、情報教育の拡充にも新たなビジネスチャンスが広がっている。