組織改革

テレワークで働きすぎが増加中!
今求められる労務管理とは?

掲載日:2021/02/16

テレワークで働きすぎが増加中! 今求められる労務管理とは?

テレワークが常態化する中、新たな課題となっているのが労務管理だ。管理者の目の届かない場所で働いているため、労働時間の適正な把握が難しくなっており、いつの間にか長時間労働になっているケースも多いという。そんな状況でもITを活用すれば、労務管理の課題を解決することができる。

なぜ労務管理が課題となるのか

管理者の多くは、テレワークによって生産性が低下することを懸念する。しかし、実際にはテレワーク環境の充実、コミュニケーション環境の整備、適切なタスク管理を実施することで大半の課題は解決可能で、テレワークを実施していない企業と比べると生産性が向上することが多い。その一方で意外に見落としがちなのが、労務管理だ。

労務管理の目的とは、従業員の労働の実態(業務の遂行状況)を把握して適切に評価し、健全な労務環境を維持することにある。

ところが、オフィスに出社していたときと異なり、テレワークでは他者の目が届かない環境で仕事をするため、労働実態が適切であるかどうかを判断しにくく、オーバーワークを見過ごしてしまうことが多い。

残業時間が増える原因はさまざまだが、テレワークという働き方に慣れていないことが原因となるケースもある。

例えばテレワーク中は、常にコミュニケーションツールやメールソフトのウィンドウを開いたまま作業をすることが多いが、通知を受けると作業を中断して通知を確認することになる。この作業の切り替えによって、集中力が維持できずに業務効率が低下し、結果的に勤務時間の増加につながってしまう。

また、複数人で進めるコラボレーションワークを物理的に離れたメンバー間で進めていく場合、タスク管理やスケジュール管理はオフィスワーク以上にきちんと実施しなければならない。

そこが徹底出来ていない場合には、完了済みの作業を他の人が重複して作業してしまう、優先順位が不明確だったために他の人の作業完了を待っている、といった状態となり、それが頻発すれば、当然多くの無駄な勤務時間が発生してしまうことになる。

テレワークと適正な労働時間の管理

労務管理には、労働時間管理、給与・福利厚生計算、安全衛生管理、人事関連の諸手続きなど「ヒト」に関連するさまざまな管理業務がある。

このうち、テレワークでもっとも重視すべきなのは労働時間の適切な管理だ。もちろんテレワークでも労働基準関係法令は適用されるため、企業には従業員の労働時間を適切に管理して働きすぎを防止する義務がある。

しかし、テレワークによって既存の勤怠管理の仕組みだけでは労働実態を把握できないという課題を抱えている企業は意外に多く、総務部門など適切な労働時間管理をしなければならない担当部門がオーバーワークになっているという皮肉な話も聞かれる。

労働時間の把握については、近年さまざまなサービスが提供されるようになった勤怠管理ツールなどを利用することで比較的容易に解決することができる。しかし、超過勤務を是正するには、テレワークで勤務している従業員のPC使用状況を把握し、必要であれば強制的に利用を停止できるような仕組みが必要になる場合もある。

それぞれの企業に適したツールを提案しよう

一概に労働時間管理といっても、企業によって就業ルールは異なる。フレックス制やシフト勤務など、企業ごとに制定されている業務ルールに対応したツールであることは重要だ。

テレワークにおける労働時間管理ツールには、「始業時間」「休憩時間」「終業時間」の入力はもちろん、業務の中断/再開(中抜け)に対応したものを選択しよう。

合わせて、労働時間管理のツールは、現在顧客が導入している給与計算や人事管理の仕組みと連携できる方が望ましい。労働時間に沿って給与や有休休暇の残日数などを自動で計算できれば、担当部門の作業工数を大幅に削減することにつながる。

さらに、企業に保管義務のある「賃金台帳」「労働者名簿」「出勤簿」を出力できるツールも便利だ。

しかし、プロジェクトのコストや従業員のヘルスケアに大きく影響を与える超過勤務を適切に管理するには、労務管理の仕組みに加えてIT資産管理に近い機能が必要となる。

代表的な2製品を紹介しよう。

SKYSEA Client View

Skyが提供しているIT運用管理ツール「SKYSEA Client View」には、テレワークにおける労務管理機能も含まれている。PCの電源ON/OFF、使用時間などを監視しており、従業員の残業時間把握、深夜や休日に作業している従業員へのアラートなどもできるため、労務管理を徹底することができる。

また、勤怠管理ツールとの連携によって、申告と実際の勤務状況が異なる場合には、さらに詳しくPCで作業した内容を確認することもできる。

指定した時間になったら自動的に電源をOFFにする、休日は作業できないなど強制的なPCの使用制限を設定する、残業申請のない従業員がオフラインでも作業を継続しないよう画面をロックするなど積極的に超過勤務を削減する機能を搭載している。

製品紹介動画はこちらから
https://bp-platinum.com/platinum/view/files/telework2020/index.html

LanScope Cat

MOTEXが提供する「LanScope Cat」も、カテゴリーとしてはIT資産管理/内部不正/外部脅威対策に含まれるツールだ。テレワークに使用しているデバイスに限らず、社内で使用されているIT資産を一元的に管理しているため、PCの電源ON/OFFから使用状況までが監視対象となる。

そのため、超過勤務をしている従業員がいないか、申告と勤務実態が異なる従業員がいないかといったことも管理可能だ。また、PCの使用時間制限、社内ネットワークからの遮断といった機能も提供している。

製品紹介動画はこちらから
https://bp-platinum.com/platinum/view/files/telework2020/index.html

テレワークのルール設定は必須

IT活用によってテレワークでの勤怠管理を行う場合、注意する点がある。それは、どの企業でもPCの使用状況や作業内容を監視されていることに抵抗を感じる従業員は少なからず存在するため、テレワークでも適正な評価をするために必要なであること、社員を守るための取り組みであることをきちんと説明して理解してもらうことだ。

労働時間管理をはじめとした労務管理の仕組みを提案する際には、単に勤怠管理ツールを提案するだけではなく、コミュニケーションの充実、分かりやすいタスク管理、明確なIT資産管理など、それぞれの企業の特性に合ったルールや仕組みなど、統合的な視点が必要になる。

顧客企業がテレワークにどのような課題を抱えているのかをヒアリングによって把握し、適切なツールの提案やルール策定のサポートができるかどうかが、提案時の重要なポイントとなるだろう。