マーケティング

2021年に需要加速する3つのデジタルマーケティング

掲載日:2021/03/02

2021年に需要加速する3つのデジタルマーケティング

新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークや在宅勤務は日常の風景となった。これにより多くの企業ではマーケティング手法の見直しが行われ、中でもITを活用したデジタルマーケティングの導入が進んだ。コロナ禍の影響が続くと予想される2021年に注目すべき、デジタルマーケティングとは何だろうか。

デジタルマーケティングとは?

デジタルマーケティングとは、Webサイトやスマートフォンアプリなどを通じて消費者のデータを活用し、サービスを訴求するマーケティングである。似た言葉である「Webマーケティング」がSEO改善やWeb広告の出稿といった、Webサイトへの集客を増加するための訴求行為を指すのに対し、デジタルマーケティングはWebマーケティングの機能を内包し、さまざまなデジタル機器から情報を得て、より広いサービス利用を訴求する。

デジタルマーケティングはさまざまな分野の企業で導入が進んでおり、近年のDX促進によってもその注目はより高まっている。

例えば、大手スーパーチェーン店では 新たな取り組みとして「ダイナミックプライジング」の導入を検討している。これは、利用回数や金額といったデータをもとに、同一商品の値段を顧客ごとに変更して販売するというものだ。ヘビーユーザーに、よりお得感を感じてもらうため、金額の差で還元する方針だという。

また、とあるプロスポーツチームではECサイトの利用履歴をもとに、顧客ごとに異なる内容のグッズ販促メールを送っている。同チームではスタジアムの入場料収入が伸び悩む一方、物販収入においては過去最高値を達成する見込みとなり、デジタルマーケティングの効果が大きく出た結果となっている。

2021年のデジタルマーケティング事情

2021年は、在宅勤務や商談のオンライン化といった動きが、より加速することが予想されている。人々がデジタル機器に接する時間はより長く、密接になるだろう。これにより得られた情報は膨大なものになり、マーケティングに活用する大きな材料となる。そのため、デジタルマーケティングの導入が加速すると考えられる。

今後デジタルマーケティングに力を入れる際、特に優先すべきものは、これから需要が高まる3つの分野である。具体的な例と、実際に取り入れる場合に効果的な機能を発揮するツールについても紹介しよう。

ウェビナー

ウェビナーとは、インターネット上でセミナーを開催することを指す言葉だ。コロナ禍においては大勢の人が集まることや、密閉した空間での会話は感染拡大防止の面で望ましくない。そのため、優れたサービスがあっても顧客に対面でその魅力を伝えることが難しく、インターネットを通じて顧客に語りかける宣伝手段はとても効果的だ。データをもとにサービスに適合する顧客を見極め、ウェビナーでその魅力を伝えることは、非常に効率的なマーケティング方法といえる。ここからは、おすすめのウェビナーツールをご紹介しよう。

Cisco Webex

Cisco Webexは、タスク管理機能を兼ね備えたビデオ会議サービスだ。社内会議のインターネット化はもちろん、顧客に対しての連絡にも問題なく利用できる。最大の特長は、最高4万人の参加者に対し、同時にビデオ通話することが可能な点である。多数の顧客に対しサービスをアピールすることで、効果的な宣伝を狙おう。

Zoom

同様のウェビナーツールとしては、Zoomもおすすめできる。こちらは一度にビデオ通話できる参加者の数が最大1万人と限られているものの、知名度の高さによる普及率が魅力だ。2020年のテレワーク需要により多くの人々が利用を経験しているほか、参加者ごとの固有IDを発行できるなどセキュリティの面からも導入ハードルが低く、使いやすいといえるだろう。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、顧客にプロモーションビデオや冊子といったコンテンツを提供し、購買活動につなげるマーケティング手法である。展示会イベントの中止や対面での情報交換の減少により、オンラインにおけるコンテンツ発信はこれまで以上に重要視されることだろう。特に動画コンテンツはオンライン商談やWeb配信において効果が期待できる。以下のようなツールを活用し、自社でコンテンツを内製することも視野に入れたい。

Adobe Premiere Rush

Adobe Premiere Rushは、動画コンテンツを簡単に作成できる編集ソフトだ。一般に、動画編集は使用するデータの容量が大きいため、ある程度のスペックがあるPCが必要とされている。しかしAdobe Premiere Rushは、PCはもちろんスマートフォンやタブレット端末でも容易に動画を編集できる。

アプリ内で利用可能な機能も必要なものが厳選されており、動画編集の初心者でも使いやすく整備されている。直感的に映像素材をつなぎ合わせることが可能なため、専門的な知識がない人でも扱いやすい点が魅力だ。また、アカウントを共有する端末ならば制作中の動画に編集を加えることもできる。そのため、例えばスマートフォンで撮影した動画を外出先でつなぎ合わせ、帰宅後にPCから細かく編集するような使い方もできる。

Adobe Illustrator

Adobe Illustratorは、イラストやロゴなどをデザインできる描画ツールである。チラシやパンフレット等の作成に用いられるほか、Webサイトのデザインに利用することも可能だ。普段は印刷物のデザインを行っている人も、同じ感覚でWebサイトの作成を始めることができる。

Webサイトを作成する際は、文字や図といったコンテンツをブラウザで制作意図通りに表示させるための、コーディングと呼ばれる作業を行う必要がある。しかし、Adobe Illustratorではデザインのそれぞれを機械的にデータとして抽出できるため、コーディングに当たって必要な情報を手早く準備し、作業量を削減することが可能だ。

メール/SNS

直接顧客に声を届ける方法としては、メールやSNSを使うことをおすすめしたい。これは、テレワークの普及によりDMやFAX、文書によるアプローチが難しくなっているためだ。自由な環境下で働くことが望まれるコロナ禍においては、職場や住宅に送付する紙媒体は訴求力が下がる。そこで、どこにいても人々が手放さないPCやスマートフォンに届く形で情報を伝えることが効果的だ。

ただし、単に情報をばらまくだけでは効果的なマーケティングが期待できない。ITによる分析や最適化計算を生かし、最も有益な顧客を分析してからピンポイントで声を届けることが大切だ。

ホットプロファイル

ホットプロファイルは、オンラインで利用可能な名刺管理サービスだ。名刺をスキャンまたは撮影することにより容易にデータ化し、管理できる。さらに、社内構築したSFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)を読み込ませることも可能で、ターゲティングメールという機能では、企業や個人などの属性、営業活動や顧客の興味状況などに応じてOne to One形式、メルマガ形式でのメール配信をすることが可能だ。

Adobe XD

Adobe XDは、WebサイトなどのUX(ユーザーエクスペリエンス)をデザインできるツールで、Webサイト内のボタンやアプリのオブジェクトなどを簡単にデザインできる。特に、顧客の注目を集める印象的なバナー作成などにも役立つツールなので、配信メールやSNSでの集客において高いパフォーマンスが期待できる。

デジタルマーケティングは今後も拡大が予想される市場である。デジタルマーケティングのトレンドを把握し、具体的なツールと活用方法を顧客へ提案していこう。

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