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「Kubernetes」ってナニ?
コンテナ技術とオーケストレーションツールの基礎知識

掲載日:2021/09/21

「Kubernetes」ってナニ?コンテナ技術とオーケストレーションツールの基礎知識

近年、IT業界で目にすることが増えた「Kubernetes」。エンジニアにとって重要なトレンドワードであるが、その全容を理解するのは難しく、ハードルが高いと感じるパートナー様も少なくないだろう。本記事では、Kubernetesの概要とメリットをできるだけ平易に解説。ビジネスの幅を広げる際の足掛かりとしてご活用いただきたい。

Kubernetesはコンテナを管理するツール

結論から述べると、Kubernetes(クバネティス/クーべネティス)は「コンテナの設定や管理を自動化するためのソフトウェア」である。

まず「コンテナ」とは何かを解説する。コンテナとは仮想化技術の一つで、ホストOSの一部を分離・隔離した専用エリアのこと。その中にアプリケーション起動に必要なCPU・メモリー・ファイルなどをひとまとめにし、コンテナ内に新たな仮想OS実行環境を作り出せる。

コンテナ同士は互いに干渉することなく、独自にアプリケーションを実行可能。さらに、コンテナ別に物理サーバーやクラウドサーバー上へ簡単に移管・起動もできる。別々のOS実行環境を一つのシステム上でスピーディーに構築でき、その後のアプリケーション移管・配布まで容易になることがコンテナのメリットと言える。

そして、それらをまとめて管理できるソフトウェアがKubernetesなのだ。

Kubernetesのメリット

Kubernetesは、ホストOS上のコンテナをネットワークやサーバーと連携管理(オーケストレーション)できる。コンテナの負荷状況によってサーバーのストレージを増減させたり、一つのコンテナが動作を停止したタイミングで別のコンテナを起動させたりなど、効率的なコンテナ管理・運用が可能だ。

2019年にIT専門の調査会社IDCが発表したレポートによると、現在コンテナを利用している企業のうち、その管理にKubernetesを利用している企業が45.5%、次点で別製品を利用している企業が19.8%だった。ただし、次点の別製品もKubernetesをベースにしているため、実質65.3%がKubernetesを利用していると言える。

実際にKubernetesを導入した企業では、コンテナへのアクセスに時間がかかるという課題を解決できたり、自社開発のシステムと比較して効率が良くなったり、という事例もある。

既に国内利用の過半数を超えており、実績もあるプラットフォームとして、積極的にユーザーへアピールしていこう。