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2022年大注目のITトレンドはこれだ!
掲載日:2022/02/08
IT業界にとって、激動の1年となった2021年。ビジネス環境の変化に合わせて、世界中で新たな概念が急速に普及していった。しかし、環境の変化に対応し切れない企業も多くあったことだろう。2022年はビジネスを円滑に進めるために、最新のトレンド情報を今のうちに把握しておきたい。
2021年のITトレンドを振り返る
コロナ禍2年目となった2021年は、さまざまなITニュースが話題になった1年だった。
デジタルの仮想空間上に現実世界の情報をコピーしてシミュレーションなどに活用する「デジタルツイン」や、ネットワーク上に構成されるもう一つの社会ともいえる「メタバース」は、人々の働き方や生活様式を大きく変えるとして注目を集め続けている。温室効果ガスの実質排出量ゼロの状態を目指す取り組み「カーボンニュートラル」の浸透も、企業活動に影響した。
また、電子帳簿保存法の改正にそなえて、会計業務の見直しに取り組んだ企業が多くあった。Cookieレス化の動きが急激に加速し、新しいマーケティング手法の模索が求められたのも、記憶に新しい。
近い将来、振り返れば2021年は社会が環境問題に大きな関心を向けるきっかけの年だった、と評価されるときが来るかもしれない。
2021年のITトレンド解説記事はこちら
・デジタルツイン:
https://bp-platinum.com/platinum/view/files/sps/trend/tr20210615-2/
・メタバース:
https://bp-platinum.com/platinum/view/files/sps/trend/tr20211207-1/
・カーボンニュートラル:
https://bp-platinum.com/platinum/view/files/sps/trend/tr20220105-2/
・電子帳簿保存法の改正:
https://bp-platinum.com/platinum/view/files/sps/trend/tr20211214-2/
・Cookieレス時代のマーケティング手法:
https://bp-platinum.com/platinum/view/files/sps/trend/tr20220111-2/
2022年のITトレンド
そんな中、2022年のトレンドについて、各社からさまざまな予測が発表されている。その中から注目のワードを解説しよう。
デジタルレジリエンシー
ビジネスにおいて、未曽有の問題が突然発生した場合の備えが必要となる。そこで重要なのが、デジタルレジリエンシーという概念だ。デジタルレジリエンシーは、ITを活用することで外部環境の変化にデジタル技術で対応し、今後の成長の糧にできるような能力を指す。
2021年に総務省が発表した『情報通信白書』では、デジタルレジリエンシーが今後の重要な課題だと位置付けられている。特に、少子高齢化による労働力の低下は、優先的にデジタルレジリエンシーの力で解決へ導くべき課題であるといえるだろう。
オートノミック・システム
ここ最近、世界のIT化が進むスピードに、自動化技術の浸透が追いつけていないのではという声が上がっている。これは、世界中で急速に増える自動化需要に対し、人的・時間的なリソースが不足しているからである。
そこで注目されているのが、オートノミック・システムという概念。これは、環境から学習する自己管理型システムのことだ。システム自体が日々の業務から要素を分析するので、最適な処理ができるように自らアルゴリズムを書き換えることができる。この概念の実装により、システム管理者の業務負担がより減少する社会を実現できると予測されている。
意思決定インテリジェンス
意思決定インテリジェンスとは、意思決定プロセスにテクノロジーを融合させたものを指す言葉だ。意思決定そのものやその管理方法、あるいはその結果を分析して、改善方法などについてテクノロジーが介入し、最適な形を算出する。
こういったテクノロジーは単に意思決定を補助するだけではなく、経営者以外の社員の意思決定プロセスへの参加を容易にする。多様な人材の知見をすり合わせ、スムーズに最適解を見つけるのに有用だ。
サイバーセキュリティ・メッシュ
ネットワークが複雑化した昨今、注目を集めているのがゼロトラストモデルと呼ばれる対策だ。このゼロトラストモデルを発展させたものが、サイバーセキュリティ・メッシュである。
これは、保護が必要な情報を、専門の企業が有する安全が確保されたクラウドに預け、必要な機会に閲覧できるようにするという考え方。ゼロトラストモデル式にその信用を都度調査するため、極めて高いレベルでのセキュリティ保護が可能になる。
エコシステムプラットフォーム
「テックジャイアント」と呼ばれる巨大IT企業は、さまざまなプラットフォーム事業を展開している。このプラットフォームをさまざまなプレーヤーが利用し、ビジネスの環境として利用している状況を、エコシステムプラットフォームと呼ぶ。
エコシステムプラットフォームは、企業が顧客と取引をする場として使われるのはもちろん、競合他社や異業種と接する場としても活用される。さまざまなイノベーションに期待したい。
今回紹介した内容は、2022年の終わり頃には広く一般に知られたワードになっていることが予想される。今は耳なじみのないさまざまな概念が、数カ月後には一般常識になっているかもしれない。
その時々に最適な製品・サービスの紹介ができるよう、今から各ワードに注目しておきたい。