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2023年に迫る、Windows Server 2012サポート終了!

掲載日:2022/02/22

2023年に迫る、Windows Server 2012サポート終了!

国内でサーバー用OSとして広く活用されているWindows Server 2012。しかし、延長サポートの終了が2023年に迫っているのはご存じだろうか? サポートが終了してからの運用も可能ではあるものの、それによって発生する問題は見逃せない。セキュリティリスクを減らして快適な業務環境を実現するためには、多くの企業で切り替え作業が必要となりそうだ。

Windows Server 2012サポート終了

2023年10月、Windows Server 2012/2012 R2の延長サポートが終了する。これらを利用している企業は、サポート終了までの対応が必要だ。

なお、システムの更新が行われるメインストリームサポートは2018年10月に既に終了している。セキュリティ関連に限って更新される延長サポートは現状続いているものの、「2012」は2022年7月に、「2012 R2」は2023年10月に終了することが告知済みだ。

サポート終了によって発生する問題とは?

サポートが終了することが告知されたとはいえ、手間や費用の問題ですぐに対応できないという企業も多いだろう。もしくは、サポートが終了しても運用自体は可能なので今後も使い続ける、という企業もあるかもしれない。しかし、以下のようなリスクが発生し得ることは覚えておきたい。

セキュリティリスク

サポート終了によって、Windows Server 2012ではセキュリティパッチの提供がなくなる。新たにセキュリティ上の問題が発見された場合、それを修正できなくなるのだ。

脆弱性が露見したソフトウェアは、サイバー攻撃による格好の餌食だ。不正侵入や情報漏えいの危険性が高まり、業務におけるセキュリティリスクが跳ね上がることになる。

トラブルなどによる業務停止リスク

サポート終了後に万が一トラブルが発生したとしても、マイクロソフトのサポートが受けられなくなる。基幹システムを運用するサーバーでトラブルが発生した場合は業務・ビジネスの停止を引き起こす可能性が高まるため、企業にとって大きな痛手となる。

また、最新のソリューションやソフトウェアの種類によっては、サポートの終了したOSは動作対象外として扱われる場合もある。

企業が取るべき対応

サポート終了に伴い、多くの企業がVPSやクラウドサーバー、別OSのサーバーへ切り替えを行うことが考えられる。そこで、切り替え先ごとの特長を確認しよう。

VPSへの切り替え

手軽かつ利便性の高い選択肢として挙げられるのが、VPS(仮想専用サーバー)への切り替えである。これは、仮想化技術を活用し、1つの物理サーバーを独立した専用サーバーのように複数人で利用する技術だ。業務に応じてさまざまな形式にカスタマイズできる特長を持ちながら、専用サーバーよりも安価なコストで導入できるというメリットがある。

安価に導入できる、というメリットはレンタルサーバーとも共通している。しかし、レンタルサーバーはユーザーに管理者権限が付与されず、アプリやプログラムを自由にインストールできない。一方、VPSは管理者権限が付与されるので、自由度が高く業務上の不都合が少ないのだ。

クラウドサーバーへの切り替え

用途の異なる複数台のサーバーを切り替える必要がある場合は、クラウドサーバーの導入をおすすめする。クラウドはVPSと異なり、1契約で複数台の仮想サーバーを構築可能だ。そのため用途に応じてさまざまな仮想サーバーを構築し、業務に活用できる。

また、クラウドはVPSよりもスモールスタートに適しているといえる。VPSは固定リソースの仮想サーバーと契約するサービスであり、導入後のリソースの拡張・縮小ができない。一方、クラウドは自由なリソースの仮想サーバーと契約するため、好きなタイミングでリソースの拡張や縮小ができる。そのため、最初は試験的に小規模なリソースで導入し、使い勝手を確かめながら拡張していくといった活用法も可能だ。

OSの切り替え

2018年にリリースされたMicrosoft Windows Server 2019は、メインストリームサポートが2024年、延長サポートが2029年に終了することが予告されているため、当面はセキュリティ面での不安がない。ただし、こちらについてもサポート終了期限には今回のような切り替えに対応する手間が発生することを考慮しなくてはいけない。

なお、最新版OSであるWindows Server 2022が2021年に登場しているため、リリース以降に新規に事業を立ち上げる企業には、こちらの導入をおすすめしたい。

株式会社MM総研の調査によると、2021年現在、国内でWindows Server 2012が稼働している物理サーバーの数は約45万台にのぼるという。サポート終了を機にこれだけのサーバーが切り替えを必要とすると考えると、ベンダーにとっては大きなビジネスチャンスとなるだろう。各企業のサーバー用途をよく分析し、最適なソリューションの提供ができるよう、備えておきたい。