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「SDGsアクションプラン2022」まとめ

掲載日:2022/05/10

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SDGsの達成度・進捗状況に関する国際レポートである「Sustainable Development Report」の2021年度版によると、日本のSDGs達成度合いは世界ランキング18位。一見するとまだまだSDGsの実現が進んでいないように感じられる日本だが、実際の取り組みはどのようなものなのだろうか。SDGsにおいて日本が特に注力して解決すべき課題への対応策を具体的に示した「SDGsアクションプラン」を中心にして、その取り組みを説明する。

日本のSDGsへの取り組み

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標だ。これは、2015年の国連総会で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」、いわゆる2030アジェンダの中核を担う目標であり、現在世界中で実現に向けた取り組みが進んでいる。

日本も例外ではなく、2016年5月には総理大臣を本部長、官房長官と外務大臣を副本部長とした「SDGs推進本部」が設置された。世界各国が、2030年までの間に全17項目の目標達成に向けて行動していくことで、2030年以降も「持続可能な社会」を実現し続けることを目指しているのだ。

SDGs17の目標はこちらからチェック!

「SDGsアクションプラン」とは?

SDGs推進本部を設置した同年には、日本政府が「SDGs実施方針」を策定したことが発表されている。これは、SDGsを実施するために、行政や民間セクター、NGOやNPOなどの、あらゆる分野のステークホルダーと連携しつつ資源や施策を効果的に動員するための指針だ。日本が世界のロールモデルとなり、世界を誰一人取り残されることのない持続可能なものにするための取り組みを進めていくことが目指されている。

「SDGs実施方針」では、SDGsにおいて日本が特に注力すべきものを、8つの優先課題として整理している。

この8つの優先課題をどのように解決していくべきか、という具体策が「SDGsアクションプラン」と呼ばれているものだ。なお、この優先課題に取り組むための対策はそのときの国内外の状況に適応したものであるべきとされており、毎年アップデートされている。

「SDGsアクションプラン2022」の注目ポイント

前述のとおり、SDGsアクションプランは毎年アップデートが重ねられている。2021年版では、新型コロナウイルスへの対策としてPCR検査やワクチン製造になど対する戦略が新たに加えられたほか、コロナ禍終息後の復興に向けた、DXの加速やESG投資などについての目標も定められた。

そして最新のアクションプランが2021年12月に発表された「SDGsアクションプラン2022」だ。2022年版において最も注目すべき点は、8つの優先課題における具体的な内容が、項目の性質ごとに5つに分類されたことだ。これは、2030アジェンダの中核としてSDGsが発表された際、17の目標を「5つのP」というキーワードで分類したことに倣ったものである。

5つのPとは「People(人間)」、「Prosperity(繁栄)」、「Planet(地球)」、「Peace(平和)」、「Partnership(パートナーシップ)」といった5のキーワード。SDGsアクションプランの一覧をもとにしてSDGsアクションプラン2022の内容を5つのPに当てはめると、①②はPeople(人間)、③はProsperity(繁栄)、④⑤⑥はPlanet(地球)、⑦はPeace(平和)、⑧はPartnership(パートナーシップ)という分類になる。

これまで8つの優先事項は単独で示されるものだったため、関連づけて文章化されたのは初めてだ。各項目が具体的なキーワードと関連付けられたことにより、どの課題の解決が何の実現につながるのかをイメージしやすくなった。

SDGsの認知度が向上し、人々の意識が変わってくると同時に、アクションプランも年々進歩を続けている。この進歩は、SDGsへの取り組みに対する認知を大きく下支えするのに大きく役立っているといえよう。

この注目の増加に乗じてSDGsに関連する製品やサービスを提供することは、多くのベンダーにとって大きなビジネスチャンスとなるのではないだろうか。ユーザーの関心を鋭く見極め、どんな貢献ができるのかをいま一度確認しておこう。