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アルコールチェック義務化への対応とおすすめ製品

掲載日:2022/10/04

アルコールチェック義務化への対応とおすすめ製品

2022年4月施行の道路交通法改正によって、アルコールチェックが義務化。安全運転管理者には酒気帯びの有無の確認や、その確認内容の記録・保管などが求められている。ほかにも今後は「アルコール検知器を用いた酒気帯びの有無の確認」や「アルコール検知器を常時有効に保持すること」などが必要になる予定だ。そこで本記事では、法改正に伴い運送事業者に提案できるおすすめのアルコールチェッカーを紹介する。

アルコールチェック義務化とは

2021年6月、千葉県で飲酒運転のトラックに下校中の小学生がはねられ、児童5人が死傷した事故があった。これを受けて、同年8月4日に開催された「第2回交通安全対策に関する関係閣僚会議」では「通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策」が決定。これを踏まえて、これまで主に緑ナンバー(運輸・物流業を営む業者が使用する営業車)事業者に義務付けられていたアルコールチェックが、白ナンバー(社用車・自家用車)事業者にも義務化されるようになった。

2022年4月からは、運転前後に目視などで酒気帯びの有無を確認し、その確認内容を記録して1年間保管することが求められ、今後はアルコールチェッカーを用いたチェックと、アルコールチェッカーの常時有効な保持が求められる予定だ(2022年10月1日からこの義務化が予定されていたが、2022年9月時点で「当面延期」とされている)。この影響で、現在アルコールチェッカーの需要が大きく増加している。

アルコールチェッカーとはどのような機器なのか

アルコールチェッカーとは、体内の残留アルコール濃度を数値化する機器のことだ。大きく分けて「血液採取」と「呼気採取」の2種類存在するが、業務用途では、息を吹きかけることで測定可能な呼気採取方式のアルコールチェッカーがよく使われている。

また、呼気採取方式のアルコールチェッカーは、センサーの形式によって大きく二つに分けられる。一つは半導体ガスセンターを搭載したもので、一般的に価格が安く小型かつ持ち運びしやすいことが特徴である。また、測定時間が短く、低濃度でも感度が高いという点もメリットだ。反面、アルコール以外のガスに反応するなど、測定環境によっては不正確な結果になりやすいというデメリットもある。

もう一つは電気化学式(燃料電池式)センサーを搭載したもので、高価だが正確な測定が可能なことがメリットである。ただし、定期的なメンテナンスが必要だったり、測定にかかる時間が長かったりすること、そして取り扱いがやや難しい点がデメリットといえる。

アルコールチェッカーの選び方

では、実際にアルコールチェッカーを選ぶ際にはどのような点に注意すべきなのだろうか。まず注目すべきは、想定される利用状況に応じたアルコールチェッカーの形式だ。例えば「ドライバーが出勤前に事業所で順番に測定する」という状況であれば、据え置き型のアルコールチェッカーを選ぶことをおすすめする。対して、出先での利用を想定するならば、持ち運びが可能なハンディ型を選ぶべきだ。

さらに、夜勤のドライバーを抱える事業者の場合は、夜間や屋外でアルコールチェッカーを利用するという状況も考えられる。その場合は暗所でも問題なく活用できるよう、ディスプレイにバックライト機能が備わったものを選ぶ必要がある。

また、アルコールチェッカーで検知した記録は、1年間記録・保存することが義務付けられる。多数のドライバーを抱える事業所でも測定の漏れがないよう、データメモリ件数にゆとりがあるものを選びたい。そのほかにも、PCやスマートフォンと連携し、測定データを自動的に保存できるアルコールチェッカーもある。毎日ドライバーが使う機材だからこそ、できる限り測定を自動化し、必要工数が少ないものを選ぶことが望ましいだろう。

アルコールチェッカーおすすめ製品紹介

前述の選定ポイントをもとにして、BP事業部がおすすめするアルコールチェッカーは以下の3製品だ。ぜひ選定の参考としてほしい。

株式会社ミヨシ アルコールチェッカー『TS-AL01』

シンプルかつ基本的な機能のそろったアルコールチェッカーを求める方には『TS-AL01』をおすすめする。この製品はコンパクトサイズでありながらエラー表示機能を搭載しており、測定の正確性を高めることが可能な点が魅力だ。単4アルカリ乾電池で駆動し、バックライト機能も搭載しているため、場所を問わず持ち運べることもメリットである。

株式会社オーグ アルコールチェッカー『EK90』

EK90は最大32件の測定データを保存可能なアルコールチェッカーだ。計測結果をディスプレイに赤、黄、緑の3 色表示できるほか、高精度 BAC(血中アルコール濃度)測定が可能なため、検出結果に高い信頼が得られる点がメリットである。

エレコム株式会社 アルコールチェッカー(ホワイト) “ALSmart”『HCS-AC01BTWH』

『ALSmart』は燃料電池(電気化学式)センサーを採用した精度の高いアルコールチェッカーだ。コンパクトサイズのため持ち運びに適するほか、測定したデータを連携したスマホで送信できるため、事業所でリアルタイムに確認することも容易である。専用アプリからは1年間の測定履歴を確認可能なため、1年間の記録保管義務に対応するうえでも便利な機器だ。

改正道路交通法ではアルコールチェックを怠っていた場合や飲酒運転を行った場合、罰則が科される可能性がある。もちろん、事業者の社会的なイメージが大きく損なわれることも免れないことから、アルコールチェッカーの準備は絶対に欠かせない。アルコールチェッカーの需要が大きく増加している中で、前述の商品を企業に紹介し、ビジネスチャンスを逃さないようにしたい。