ワークスタイル改革

ツール導入でWeb会議を効率化!

掲載日:2023/01/10

ツール導入でWeb会議を効率化!

コロナ禍以降、Web会議はビジネスにおいて急速に浸透した。対面での会話を避けられるだけではなく、柔軟な働き方への対応や、コスト削減という意味でもメリットが多いことに大勢の人が気づきつつある。一方で、Web会議特有のトラブルがしばしば見受けられるのも事実だ。そこでトラブルを防止し、さらに効率的な会議実現を助けるツールを紹介する。

Web会議で発生するトラブル

いまやWeb会議はビジネスにおけるスタンダードな存在となった。コロナ禍の情勢にかかわらず、今後は当たり前に利用され続けていくことだろう。その一方で、かつては存在しなかったWeb会議特有のトラブルも発生し始めている。

例えば、Web会議に初対面の人物が複数人参加した際に「どの音声がどの参加者の声なのか?」と混乱したという経験を持つ人は多いのではないだろうか。特に最近は「特別に必要な理由がなければ、Web会議ではカメラを起動して顔を映さなくてもよい」という暗黙の了解も広がっているため、このような状況に陥る機会は増えているだろう。

また、Web会議の議事録作成の作業に辟易しているという声もよく聞く。物理的な制限がないこともあってWeb会議は参加者が増えやすいし、開催のハードルが下がって会議の回数自体が多くなりがちだ。結果的に議事録の情報量は多くなり、作成本数も増える。そもそもWeb会議の内容は映像データとして簡単に保存できるのに、人力でテキストにまとめ直さなくてはいけないというのもナンセンスである。

さらに、PCやスマートフォンの小さな画面にあらゆる情報を表示するというWeb会議の形式に不便さを感じる場合もあるだろう。本来はプロジェクターでスクリーンに映写する目的で作られた細かい資料を、画面共有機能で見せるのには苦しいものがある。単に情報量が多くて見づらいというだけではなく、視力が低い人などにとっては状況を認識するだけでも一苦労というケースが考えられる。

補助ツールの導入でトラブル回避

これらの問題を解決するために重要なのは、適切な補助ツールの導入だ。以下で紹介するようなツールを利用することで、会議の効率向上やトラブルの防止によるストレスの軽減も期待できる。これらのツールは独自のソフト・機器として販売されているものの、おおむね一般的に利用されているWeb会議ソフトと連携する機能があるため、使用感を損なわず利用できることがメリットだ。

自動字幕ツール

音声関連のトラブルを大きく軽減する効果が期待できるのが、自動字幕ツールである。これは、Web会議の音声をAIが認識し、話している内容を自動的に字幕として表示してくれるものだ。ソフトによっては会話の内容をさかのぼって確認できるため、会議中に別途メモを取る必要がないという点もメリットである。

また、一部のツールは外国語の認識や字幕表示にも対応している。初めて聞く単語や言い回しは、音だけでとらえるよりも文字を目視することでずっと理解しやすくなる。翻訳機能を兼ね備えるものであれば、外国語でのWeb会議において圧倒的にスムーズな進行が可能になることは言うまでもない。

自動字幕機能のツールを導入したとある自治体は、業務効率化を実感するだけに限らず、聴覚障がい者とのコミュニケーションにも役立つことを高く評価している。これまで会議に参加することが困難だった人の意見を吸い上げるためにも、有効なツールと言えるだろう。

自動議事録ツール

いわゆる自動議事録ツールは、前述した自動字幕ツールの機能を発展させ、内容を精査してまとめることに特化したものだ。議事録の作成において、大きな効果を発揮する。

なお、ビジネスにおいては、議事録作成にだけでも会議の話題に関連する専門的な知識が求められることがある。人間が議事録を作成するにしても、慣れないうちは専門用語を聞き取れず内容が理解できないというケースもあるだろう。しかし、近年の自動議事録ツールは業界ごとに特別な音声認識AIを開発することで、専門用語を理解し複雑な議事録を作成可能になった。そのため、単なる議事録作成に限らず、会議の内容を認識してより高度に理解するための補佐的役割を担ってもらうのにも便利なツールである。

実際、自動議事録ツールを導入した企業からは「会議の進行に集中できるようになった」「専門用語の聞き逃しを防止できる」との声が上がっている。負荷を軽減し、よりクリエイティブな業務にウエートを置くためには重要なツールである。

電子黒板

タッチセンサーを兼ね備えた大型のディスプレイを電子黒板と呼ぶ。電子黒板は、指やタッチペンで画面に直接文字や図形を書き込むことはもちろん、接続したPCの画面を表示可能だ。会議室で顔を合わせる従来型の会議でも便利だが、Web会議でも有効性のあるツールである。

まず、単純に電子黒板はディスプレイサイズが大きい。一般的に50~90インチほどのモデルが販売されており、その大きさはノートPCやスマートフォンと比べ物にならない。当然、複雑な内容も見やすく表示できる。

また、多くの電子黒板はWeb会議に対応する目的でカメラやスピーカーフォンがあらかじめ備え付けられている。Web会議のたびにこれらの機器を準備することは面倒だが、電子黒板があれば非常にスムーズだ。実際、電子黒板を導入した企業からは、準備に手間取ることがなくなった点を高く評価する声が寄せられている。

世の中ではまだまだ「対面の会議をWeb上に置き換えただけ」のWeb会議が多く散見される。しかし、Web会議の特徴を生かせば機械的かつ効率的に情報を拾い上げられるはずだ。その点において、今回紹介したツールは非常に優秀である。今後は、どのツールを活用すればWeb会議をさらに効率化できるのかというアイデアがより重要視されることになるだろう。