ワークスタイル改革

業務効率を上げるオフィスデザインとは?

掲載日:2023/02/07

業務効率を上げるオフィスデザインとは?

働き方改革とコロナ禍で広がったハイブリッドワークで、オフィスのあり方が変わりつつある。リモートワークを推進している企業ではオフィスを縮小し、フリーアドレス制を取り入れているケースも増えている。 これからオフィスを変えていこうと計画している企業は、どのようなオフィスデザインにすると良いのだろうか。オフィス内の部屋の配置をどうするか、どのような動線が理想的なのかなど、業務効率をアップさせられる魅力的なオフィスとはどのようなものなのかについて解説する。

オフィスデザインの重要性

かつては、グレー一色の事務机が並んでいる光景がオフィスのスタンダードだった。しかし、近年オフィス用のデスクやチェアも木目を生かしたナチュラルなテイストや、大理石を模したアーバン調をはじめ、多種多様になってきている。

オフィスデザインを変えて心地よい空間が作れると、従業員の仕事に対するモチベーションがアップする。また、オフィスデザインにコーポレートカラーを使用したり、業務内容に合ったインテリアやモチーフを取り入れたりすることで、外部からの企業イメージの向上につなげられる可能性もある。

さらに、おしゃれなオフィスというのは、新しい人材を募る際にもメリットがある。デザイン性やコンセプトがあるオフィスであれば、応募先の業界への関心だけでなく、働く環境にも興味を持って「ここのオフィスなら働いてみたい」と思う人など、より多くの優秀な人材を呼ぶきっかけになるだろう。

オフィス環境で業務効率を高めるポイント

もしオフィスのデザインを変更する場合、具体的にどのようなオフィスなら業務効率が上がるのであろうか。五つのポイントに分けて紹介する。

1.業務内容によって使うスペースや配置を工夫する

オフィスで仕事を進めることのメリットは、リモートワークに比べてコミュニケーションが取りやすいこと。そのため、オープンなスペースで会話しやすい執務室を中心に考えると良い。逆に、話しかけられずに業務に集中したいときに使える集中ブースも設けておく必要がある。

また会話しやすいデスクの配置としては、対面型、背面型が考えられる。対面型は、机を向かい合わせる形で、背面型は同じチームの社員が背中を向けて座る形になる。後者は一見話しにくいようにも感じるが、椅子の向きを変えるだけで、小さなミーティングスペースとなる。社員同士の会話を重視せず、業務に集中しやすい環境を作りたいのであれば、学校の机のように全員が同じ方向を向く形のレイアウトも考えられる。

2.会議室はさまざまなニーズに応えるように

お客様が出入りする機会の多い会議室には、高級感のあるインテリアを取り入れ、心地よいスペースにするよう意識しよう。このとき、室外からのぞき見られないような工夫をしておくことも必要だ。

また、お客様とのオンラインミーティングを行う部屋は、室外に声が漏れない空間が良いだろう。社内であっても、お客様の情報を漏らさないために、オンラインミーティングスペースから従業員が集まるスペースが離れていると安心だ。

3.動線を考える

社外の人が立ち入る会議室などはできるだけ入り口に近いところに、機密情報を扱う執務室は奥に配置し、社外の人から業務内容を見られないようにする。出入りする人の動きによって、スペースのレイアウトを考えることが重要だ。

4.リフレッシュルームを設ける

社員食堂がない企業では、ランチを食べたり、休憩を取ったりするスペースがあることが好ましい。業務中の社員の邪魔にならず、かつ業務から頭を切り替えるためにリフレッシュできるような場所だ。リフレッシュルームでの何気ない会話からビジネスにつながるアイデアが生まれることも考えられるため、このようなスペースを有効活用したい。

5.感染対策も意識する

新型コロナ以外にも、今後感染症が流行する可能性はある。三密にならないよう、スペースを広く取り、換気しやすい状態を作るようにしておこう。特に会議室では、使用する人数に応じてレイアウトを変えられるように、椅子やテーブルを可動式にしておくと便利だ。

オフィスデザイン改革の注意点

オフィスデザインを考えるうえで注意したい点は、セキュリティと安全性だ。前述した動線の話でも触れたとおり、ゾーニング(区分け)を明確にし、機密情報を扱う部署は入り口からできるだけ遠い位置にし、情報漏えいリスクを低減させる。情報の機密度によっては、許可を得た人のみが入室できる鍵付きの部屋を設けておくと良いだろう。

一方、安全性というのは、火事や震災などの自然災害や人的災害が起きたときに、社員全員が速やかに退避できるようにしておくことだ。書類や荷物などの収納スペースを十分に取り、使っている物以外は常に片付けておく習慣を付けることも心掛けたい。機密書類はキャビネットに鍵をかけておくことで、紛失、盗難などのリスクを減らせる。また、常に片付けておくと、万が一の災害時に足元で邪魔になることも防げる。

もちろん、定期的に書類や機器を点検して不要なものは処分し、消化器前や避難通路が荷物でふさがれていないかなど、普段から確認しておくことも大切だ。

以前は金属製で無骨なものしかなかったサーバーラックなどのオフィス家具にも、最近ではデザイン性のあるものが流通してきているため、おしゃれなオフィスを作りやすくなっている。ただその際には情報漏えいの心配がないレイアウトや、もしもの時の社員の安全を確保できているオフィスであるかどうかについても、同時に考えておくことが重要だ。

これからオフィスデザインの改革を検討している企業には、このような点も踏まえて、従業員の業務効率を上げる素敵なオフィスを提案していきたい。