セキュリティ

社用携帯のセキュリティ対策

掲載日:2023/02/14

社用携帯のセキュリティ対策

ロシアによる侵攻が続くウクライナでは、市民のスマートフォンをターゲットとしたサイバー攻撃の発生が懸念されている。この事態は日本においても他人事ではなく、特にビジネス用途のスマートフォンを狙った犯罪の脅威に備えることが重要だ。社用のスマートフォンついて、どのようなセキュリティ対策が必要なのかを解説する。

社用携帯もターゲットになり得るスマートフォン攻撃

2022年11月、アメリカオハイオ州立大学の研究者らが、Bluetooth使用機器のセキュリティ不備について指摘する論文を発表した。この論文によると、Bluetoothを使用するモバイル機器は構造的欠陥を有しており、これが原因となり第三者が位置情報を不正に追跡する被害が発生する恐れがあるという。このような被害は、企業が社員に支給する社用携帯でも起こりかねない。機密情報の詰まった社用携帯が攻撃された場合に備えることは、もはや企業とって急務だ。

リモートワークの浸透も相まって、現代のビジネスにおいてスマートフォンを利用しないという状況は考えづらい。しかし、スマートフォンを標的とした攻撃の脅威は年々高まっている。

社用携帯のセキュリティを一元管理するソリューションとは

このような状況で重要性が高まっているのがMDM(Mobile Device Management=モバイルデバイス管理)だ。これは、スマートフォンに対する統合的なセキュリティ対策であり、任意に登録した複数のスマートフォンを一元的に管理できるソリューションの総称である。具体的には、遠隔地からスマートフォンの設定を変更し、ロックや初期化、内部情報の削除などが可能なソリューションを指している。

社用携帯をMDMで管理することにより、社員個人では解決の難しいトラブルについても包括的に対応できる。例えば、とある社員が社用携帯を紛失した際は、内部に保存しているデータの流出や、社外秘のネットワークへ不正にアクセスされるなどのトラブルが発生することが考えられる。しかし、スマートフォンを紛失した社員本人はこれらのトラブルを防げない。このような事態が起きた場合は、MDMによって紛失したスマートフォンをロックあるいは初期化することによって、トラブルを防げる。

では、実際にどのようなMDMソリューションを導入することが重要なのだろうか。用途に合わせておすすめしたい製品を三つ紹介する。

インヴェンティット株式会社『mobiconnect』

インヴェンティットの『mobiconnect』は、基本的な機能を総合的に兼ね備えるベーシックなMDMソリューションだ。スマートフォンの紛失時や盗難時に役立つロックや初期化などの遠隔制御機能に加え、端末の位置情報を管理者が取得できる機能などを備えている。

また、登録したスマートフォンに一括でファイルやアプリをダウンロードできるなどの配布機能が備わっていることも特徴だ。これにより、社用携帯に必要なデータを一つ一つ管理者が手作業でダウンロードするなどの手間を省けるほか、社員に管理をまかせることによってトラブルが生じる、などの事態を防ぐことも可能だ。

株式会社ハンモック『AssetView』

部署や部門ごとに細かく権限を設定して管理したい場合は、ハンモックの『AssetView』の利用をおすすめする。このMDMは操作範囲や閲覧範囲などの権限を個別に設定できるため、細かな運用を組織の一部にまかせつつ、管理体制を強化したい場合などには有用なソリューションだ。セキュリティ強化とプライバシー保護や各ステークホルダーの尊重を両立することはなかなか難しい課題だが、『AssetView』を活用することによって、実現に結び付けたい。

エムオーテックス株式会社 『LANSCOPE クラウド版』

リモートワークを導入している企業に大きく貢献するMDMとしておすすめしたいのがエムオーテックスの 『LANSCOPE クラウド版』である。このソリューションは、ロックやデータ削除といった遠隔制御機能を一通り備えているほか、あらかじめ設定した条件を満たした端末に対し、任意のアクションを自動実行する機能も有している。リモートワーク先の社員が一斉に同一の業務へ取り組む際、タイミングを合わせる用途などにも活用できそうだ。

また、『LANSCOPE クラウド版』がPCにも対応している点が特徴だ。管理機能はもちろん、操作ログを取得し、その内訳を自動的にレポートとしてまとめる機能もあるため、リモートワークの勤務状況を統括的に監督するためのソリューションとしても最適である。

『LANSCOPE クラウド版』の詳細はこちら!

これまではサイバー攻撃と聞くとどうしてもPCの被害が連想されていたが、社会構造やビジネス様式が変わる中で携帯電話やスマートフォンもターゲットになる時代へ突入した。高性能かつ大容量な現代のモバイル端末は、もはやPCと何ら変わりない存在である。企業としても「携帯電話だから、スマートフォンだから」と見くびらず、それなりのコストを覚悟したうえで対応していくことが求められるだろう。ベンダーとしても、早急なセキュリティ対策をぜひおすすめしたい。