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2023年に注目したいITトレンドはこれだ!
掲載日:2023/02/28
ガートナージャパン株式会社が2022年11月に「2023年の戦略的テクノロジのトップ・トレンド」を発表した。ここに挙げられている内容に加え、2022年から2023年1月にかけてのIT業界の動きを振り返りながら、この先何に注目すべきなのかを考えていこう。
ガートナーの「戦略的テクノロジのトップ・トレンド」とは
ガートナーは毎年11月に「Gartner IT Symposium/XpoTM」を開催し、翌年のトップ・トレンドを発表している。2021年11月に発表された2022年版の内容を振り返ってみよう。
ジェネレーティブAI
生成系AIとも呼ばれる、AI自らが新しい画像や設計図、文章などを作り出すAIのこと。命令文を打ち込むだけでイラストを生成する「Stable Diffusion」や、対話形式で精度の高い文章を書きあげる「ChatGPT」などのジェネレーティブAIが話題を集めている。
クラウド・ネイティブ・プラットフォーム
クラウド・ネイティブというのは、クラウドのメリットを最大限に利用したシステム開発や運用のことで、クラウド・ネイティブ・プラットフォームはクラウド・ネイティブの考えを具現化したプラットフォームを指す。
システム導入時にクラウドでの実装を最優先にする「クラウド・ファースト」や、クラウドでの実装を第一候補とする「クラウド・バイ・デフォルト」と言葉が似ているということで比較されることもあるが、意味は異なる。クラウド・ネイティブ・プラットフォームはオンプレミスより導入・運用コストが安く、システム更新のスピードが速いというメリットから、注目されている。
このように、ガートナーの発表するトレンドは、振り返ってみても確かなものであると考えて良さそうだ。
2023年のトップ・トレンド
さて、ガートナーは2023年のトップ・トレンドとして三つのカテゴリーに分けて以下を取り上げている。
いくつか取り上げて見てみよう。
デジタル免疫システム(DIS:Digital Immune System)
けがや病を負った生物が免疫によって回復していくように、バグやセキュリティの問題を抱えたシステムが、さまざまな技術を組み合わせて問題を自己修復させる、という考え方。
障害から迅速に回復できるようにレジリエンスを高めることで、ダウンタイムを削減することは企業の規模を問わず、取り入れるべきことである。
AI TRiSM
AI Trust, Risk and Security Managementの略語。AIモデルのセキュリティ、プライバシーなどの倫理に対して、信頼性や公平性、データ保護を保証するというもの。AIの利用場面はスピードを持って拡大しているが、AIのリスク管理が伴っていない状態だ。AI利用において、最適化させようという動きが出てきている。
ワイヤレスの高付加価値化
ワイヤレスの利用範囲は、従来のエンドユーザーのPC、スマートフォンなどのデバイスにとどまらず、エッジ・コンピューターのサポートや、RFIDソリューションまで広範囲をカバーする。あらゆる環境での使用に耐える幅広いワイヤレスソリューションが求められるようになるだろう。
メタバース
近年注目されているメタバースは、Web3やデジタルツイン、スぺ―シャル(空間)コンピューティングとの組み合わせで、利用範囲が広がっている。メタバースベースのプロジェクトは大企業を中心に活用されるだろうと見られている。
Withコロナの年に
政府は新型コロナの感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同等の5類に変更すると発表した。これにより、2021年、2022年に出たような緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に規制はなくなる。
しかし、残念ながら新型コロナがそれで消えるわけではなく、コロナ前と同じような日常に戻ることはないだろう。コロナ前から推し進められていた「多様な働き方」への移行とともに、感染症対策は続く。
IT業界でのトレンドと併せて社会の動きを読み、各企業が新しい働き方、オフィスの在り方を模索する中、それに最適解なソリューションを提供したい。