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社用携帯おすすめアプリ

掲載日:2023/03/21

社用携帯おすすめアプリ

近年、多くの企業で社用携帯の導入が進んでいる。実際、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会が2021年に発表した調査によると、「スマートフォンなどのスマートデバイスを従業員に支給しているか」という質問について「ほぼ全ての従業員が対象」か「特定の条件を満たした従業員のみ対象」と回答した企業の割合は58%だった。前年の同調査における同回答の割合が約20%だったことと比べると、実に大幅な増加である。企業は社用携帯に何を求めているのだろうか。

社用携帯を導入するメリット

企業が社員に社用携帯を配布する最大のメリットは、セキュリティの向上が期待できることだ。私用の携帯を業務で利用することの危険性を知ればおのずとその意味が伝わるだろう。そもそも、業務で携帯を利用するということは、機密情報を持ち歩くことと同義である。個人が管理する私用携帯で機密を取り扱うことは危険この上ない。とはいえ、私用携帯の利用状況を企業が管理することはプライバシー保護の点から困難だ。だからこそ私用携帯は業務と切り離し、企業が管理する端末を社用携帯とすることが望ましい。

社用携帯の管理を助けるMDM

では、実際に社用携帯を運用する際はどのようなポイントに注目するべきだろうか。ここで重要なのは、管理の負担をどう軽減するかという点だ。

社用携帯はその特性上、複数人の社員に配布することになる。その際には事前に各端末に必要なデータや業務で使用するアプリをダウンロードする必要があるのだが、1台1台を管理者の手で操作していては処理に膨大な手間と時間を浪費することになる。社員数が多い企業の場合は尚更だ。しかし、これらの作業を個々の社員に任せた場合、処理に抜け漏れが発生し、後々業務に悪影響が出かねない。このような理由により、社用携帯を業務で積極的に活用するためには、導入当初の段階で管理者が意図したとおりのセットアップを済ませておくことが必要不可欠だ。

そこで重要になるのが、管理者による一元管理に対応したMDMアプリである。MDMアプリの多くは、あらかじめ登録した端末についてデータやアプリのダウンロードを一元的に管理できる。これにより手間や時間を掛けずに多数の端末をセットアップ可能だ。

また、MDMは単にセットアップに利用できるだけではなく、セキュリティ対策や勤怠管理などの面でも有効なアプリである。

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社用携帯向けおすすめアプリ

社用携帯の活用を効率化する場合は、業務に用いることを念頭に提供されている各種アプリの導入をおすすめしたい。

スケジュール・タスク管理ツール

サイボウズの『kintone』は、スマートフォンからも使いやすいベーシックな業務改善アプリだ。テキストによる連絡やファイルの送受信に加え、各社員の抱えるタスクの進捗状況を把握できるワークフロー機能など、業務効率を向上できる機能が充実していることが魅力である。

対して、PR TIMESがプロデュースしている『Jooto』は、社員のタスクやプロジェクトを管理する機能に特化している点が魅力的だ。この『Jooto』には、各社員の抱えるタスクやプロジェクトを一覧に表示し、その進捗状況を色やラベルで視覚的にチェックできる機能が備わっている。表示内容は優先度に応じて入れ替え可能なため、担当部署や管理者の特性に合わせたカスタマイズができる点もうれしい。

コミュニケーションツール

キングソフトの『WowTalk』は、社員のコミュニケーションを活性化しつつ、管理者による必要な統制を強化できることが強みの多機能なビジネスチャットだ。具体的には、テキストによるチャットや音声通話、掲示板機能による多人数のコミュニケーションなど、さまざまなチャンネルで多人数での情報共有をサポートしてくれる。一方で、それぞれの社員が連絡できる範囲を任意に設定できるなど、プライバシー管理やハラスメント防止の面で効果を発揮してくれる点も魅力だ。

そのほか、コミュニケーションツールとしておすすめしたいのは、Microsoftの『Microsoft Teams』だ。このアプリはWindowsユーザーを中心に世界中で使われていることが魅力的である。外部委託のフリーランスや取引先の企業も高確率で導入しているため、連絡のためにわざわざアプリを使い分けるといった負担が生じにくいというメリットがある。

グループウェアアプリ

社用携帯向けのグループウェアは多数存在しており、選定が難しい。これはそもそもグループウェアという分野が複数の機能を内包する性質を持つため、傍目にはそれぞれの違いを判別しづらいという点も影響しているだろう。そこで、ここでは主にグループウェアに求められる特徴を大きく二つに分け、それぞれについて代表的なアプリを紹介したい。

社内における幅広いやりとりに対応するアプリを利用したい場合は、サイボウズの『サイボウズOffice』をおすすめする。これは業務における一般的なコミュニケーションはもちろん、経費精算や日報提出などの業務の管理についても対応可能なグループウェアだ。また、任意に機能を調整できる「カスタムアプリ」を設定可能なため、企業の業務内容に応じて特殊な業務に対するレジリエンスを持っている点もメリットである。

複数人で共同作業を効率的に進められるアプリを使いたい場合は、Googleの『Google Workspace』がおすすめだ。複数人が同時にWeb上で文書や表計算シートなどを閲覧・編集できるほか、その権限を個別に設定できる点が特徴のグループウェアである。ビデオ会議やチャットなども同一のアカウントで参加可能であり、これらを包括的に管理できるカレンダーアプリも備わっていることがうれしい。

このようにアプリとの組み合わせが重要な社用携帯だが、今回紹介したのはあくまでも一般的な例である。実際は企業ごとに異なる問題意識を持ち、それ故に求められる端末とアプリの組み合わせも異なるだろう。

最適な組み合わせを発見するためには実際に利用してみることが一番だが、資金も時間も限られる各企業でそれを実践しながら選定することは難しい。ベンダーとしては豊富な知識と経験を生かし、問題解決に最適なソリューションが何なのかを企業に代わって探ることからビジネスを進めたい。