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企業の前進には不可欠!?
データマネジメントを知ろう

掲載日:2023/08/08

企業の前進には不可欠!?データマネジメントを知ろう

昨今はデータの量や種類が増加し続け、企業にデータの多角的な分析・活用が求められている。顧客のニーズが細分化していることからも、これまで以上に適切なデータ管理が重要視されているのは明確だ。そこで、効果的なデータ活用に有益なデータマネジメントの必要性と、その成功のポイントを解説する。

なぜデータマネジメントが必要なのか

モバイルデバイスの浸透やIoTの発展などにより、収集できるデータ量は膨大になってきた。また、「モノ消費からコト消費へ」という概念の流行が象徴するように、顧客のニーズはここ十数年で大きく変化している。このように企業を取り巻く状況が変化する中、ビジネスを成功に導くためにはデータを用いた的確な分析とその活用が必要不可欠だ。そこで求められるのが、データマネジメントである。

データマネジメントとは、データをビジネスで継続的に活用するために管理することを指す言葉。単にデータを収集するのではなく、必要なタイミングで適切なデータを選別し、活用することが目的だ。

では、データマネジメントを導入すると企業はどのようなメリットを得られるのだろうか。代表的なものを紹介していこう。

意思決定の迅速化

データマネジメントでは、従来複数のシステムにあったデータを整理し、一つの場所に統合して蓄積する。

膨大なデータが統合されることで正確な情報を素早く入手でき、それを戦略立案に役立てられる。迅速な意思決定を実現させビジネスチャンスを逃さないことは、企業にとって大きなメリットとなる。

また、共通化されたデータを基にビジネスの動向を判断するため、個人の判断や習慣に影響されることなく業務の進行が可能という意味では、属人化の解消にも役立つだろう。

作業の効率化

前述のとおり、データマネジメントを導入するとデータが統合されるため、必要なデータに素早くアクセスできる。関連データの検索が容易になることも、作業時間短縮につながるだろう。

また、データ統合によって情報の重複や不正確さが解消され、データの信頼性が向上するために、作業プロセスの簡略化などといった効率化も期待できる。

セキュリティの向上

蓄積されたデータが放置されている状態は、サイバー攻撃の餌食となる。データマネジメントを成立させるためにはデータを管理し、監視の目が行き届く状態にすることが必要なため、必然的にセキュリティ向上が期待できる。具体的には、データベースへのアクセスログの記録や、アクセス権限設定による不適切な接触の把握などが可能だ。

接触の内容把握ができる状況は、サイバー攻撃だけではなく、データの不用意な外部流出の際などにも活用できる。

データマネジメントを成功させるために

データマネジメントを導入する際に重要なのは、まず目的を明確化し適切な組織構築を行う「基盤作り」である。企業の目標や戦略の実現のためにデータマネジメントが担う役割を明確にして、得られるメリットや達成すべき目標を共有することで、漫然とデータを収集するだけの状況を防ぐことにつながる。

さらに、部署や役職を問わずデータをやり取りできる社内風土を構築することも重要だ。個人や各部署だけがデータを所有している状態では、データを適切に、スムーズに活用することは難しい。サイロ化を防ぎ、協力してデータを活用したい。

しかし、このように運用体制を構築したところで、膨大なデータを人間の手で適切に管理・運用することは容易ではない。そこで必要になるのが、データマネジメントを補助するソリューションの導入である。

例えば企業が複数の業務システムを利用している場合、それぞれに互換性がなければデータマネジメントの実現は難しい。これは、あるシステムから記録したデータを別のシステムへスムーズに反映させるのが困難だからだ。複数のシステムを統合的に運用するためには、データ連携基盤(異なるシステム間でデータをやり取りする際の基盤システム)の導入が求められる。

また、データを常に最新に保つシステムを定期的にアップデートするなど、メンテナンスを怠らないことも重要だ。

データマネジメントは、人やノウハウを含む企業の資産の効果を何倍にも増幅させ得る手段である。企業の大きな武器として、今後ますます注目されることだろう。必要なソリューションの提案に備えて、その重要性を理解しておきたい。