ワークスタイル改革

企業に求められるオフィス戦略の見直し

掲載日:2023/10/17

企業に求められるオフィス戦略の見直し

2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことをきっかけに、働き方を「出社主体」へと戻した企業が多くある。ただ、コロナ禍での環境の変化や新たな発見を受けて、以前の勤務環境をそのまま戻す、というわけにはいかなくなってきている。そこで、多様な働き方が求められる時代に合ったオフィス環境を整える「オフィス戦略」の重要性について解説する。

テレワークの全面的な導入は正解なのか?

国土交通省が発表した「令和4年度 テレワーク人口実態調査」によると、雇用型就業者のうち約20%が「勤務先が週1日以上テレワークを認めている」と回答しているほか、既にテレワークを実施している就業者のうち約90%が、テレワーク継続の意思があるようだ。

ただ、2023年に株式会社アーバンプランが発表した調査では「あなたの理想の勤務形態を教えてください」という質問に対し、約60%が「ハイブリッドワーク(出社とテレワークの併用)」と回答したという。

このことから、単に完全テレワーク、あるいは完全出社といった制度の切り替えではなく、柔軟な制度の検討が必要だと考えられる。

本質的な要求を見極めてオフィスを働きやすい環境へ

このような状況下で注目されているのが、オフィスでの勤務環境の変革、すなわち「オフィス戦略」の見直しだ。経営陣には「どの業務をテレワークで代用できるのか」「現場でしか判断できない業務は何か」といった視点での取り組みだけではなく、従業員のモチベーションやコミュニケーションなどに配慮した、より生産性を向上させる環境整備が求められる。

ただ、工事が必要なレベルの大規模な変革は、コストや手間の面での負担が否めない。そこで、コストを抑えつつ勤務環境を変えられる方法が求められている。例えばオフィスの騒音が従業員の生産性に影響を与えてしまうと考えられる場合には、以下のような製品を導入すれば、個室のワークスペースを設置できる。遮音性の高さを生かしてWeb会議用のブースとしても使えるなど、使い方の幅が広い点も魅力的だ。

周囲の音を遮断しWeb会議に打ち込める個人用ワークブース サンワサプライ『SPT-PB007GY』

また、従業員が心地よく働ける空間を意識した備品をそろえることも重要だ。例えば、毎日使用する椅子やデスクは従業員に適したものか。照明は目に負担がかからないものか。換気や加湿といった空気の管理は適切か……など、さまざまな観点で見直しが必要になる。例えば、以下のような製品の導入を検討してみてはいかがだろうか。

生産性向上をサポートするサステナブルなメッシュチェア サンワサプライ『SNC-E11BK』
加湿や花粉対策まで対応するスリムな空気清浄機 シャープ『KC-M511』

これからのオフィス戦略

これまでオフィスは、ただ「業務をする場所」として位置づけられることもあった。しかし、コロナ禍をきっかけに多くの企業でオフィスのあり方やその役割が見直され、近年ではオフィス戦略を重視する企業が増加してきている。

オフィス戦略は、従業員の生産性向上、さらには人材確保にもつながる重要な役割を担う。例えばAmazon社では「バイオフィリア」という、自然とつながりたいという人間の本能的欲求の概念を反映したオフィスデザインにして生産性向上を図っているし、Meta社では個室を設けずにオープンな空間を作り出している。

今後は、オフィスを維持するのか否か、移転するのか否か、という観点でのオフィス戦略に加えて、「どのような環境が従業員に最適なのか」という観点も持つことが求められるだろう。従業員のニーズの変化にも注目してオフィス戦略を検討していきたい。