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IoTプラットフォームの魅力を知ろう

掲載日:2023/12/12

IoTプラットフォームの魅力を知ろう

近年、スマート家電や運転アシスト自動車が普及しIoT技術が身近になってきているが、果たしてIoT機器を効果的に運用することはできているだろうか。営業管理ならば営業管理システム、勤怠管理ならば勤怠管理システムの導入が効果的なように、IoTを管理する際におすすめしたいのが「IoTプラットフォーム」の導入である。

将来に備えて知っておきたいソリューション

2023年にIDC Japan 株式会社が発表した調査結果によると、国内IoT市場におけるユーザー支出額は2022年時点で約5兆8,000億円であり、2027年には8兆7,000億円に達する見込みだ。社会の中にIoTが浸透する分、データの管理や活用がこれまで以上に重要視されることだろう。

そこで注目したいのがIoTプラットフォームだ。IoTプラットフォームはIoT機器からデータを収集し、その分析や保護といった管理全般を行うシステム基盤である。

IoTプラットフォームを導入することで、管理や分析、保護などの懸念点を解消しつつ、さまざまなメリットを得られる。具体的なメリットと、実際に導入する際に検討すべきポイントをご紹介しよう。

IoT機器の接続・管理

家電や各種センサーなどさまざまなIoT機器があるが、それぞれ単体ではネットワークに接続できない。あるいは、ネットワークに接続できてもIoT機器が相互に情報をやりとりする機能を有していないため、実際はそれぞれ個別に運用しなければならない。

そこでIoTプラットフォームにIoT機器を接続すると、機器を相互に機能させることが可能になる。また、単一基板上で一括操作・運用できるため、管理の手間が大幅に楽になるというメリットもある。大規模な運用形態であるほど、IoTプラットフォームの導入を検討したいところだ。

この点を踏まえて、安定性に着目してIoTプラットフォームを選定することをおすすめしたい。具体的には、同時接続可能な機器の数や、接続中に機器が電源を喪失した場合のデータ保管などについて確認する必要がある。

セキュリティの向上

IoT機器を活用する際に注意しなければならないのが、個人情報をはじめとしたデータの扱いだ。ビジネス用途で社外秘の情報が含まれる場合、データの漏えいは許されない。また、家庭で活用する場合も厳重なプライバシー保護が不可欠だ。

IoTプラットフォームの活用は、このような被害を防ぐうえでも重要だ。多くのIoTプラットフォームは専用の強固なセキュリティチェック機能を備えており、不審な動向を検知して警告するなどのサービスを有している。また、産業機器汎用制御システムの国際標準である「IEC62443」や米国セキュリティ規格である「NIST SP800-171」などを満たしているかどうかも、選定の際に注目したいポイントだ。

IoTプラットフォームはどのように活用できるのか

IoTプラットフォームは今後さらに浸透していくと考えられる。実例を紹介すると、農業システムの開発などを行うとある企業では、多数のIoT機器を導入して業務を効率化しつつ、それらの管理に専用のIoTプラットフォームを活用している。以前はトラクターの自動運転システムを運用するために別途スマホアプリのGPS機能を活用していたが、衛星とのタイムラグが原因で正確な測位ができないという問題が発生していた。そこで自動運転システムの利用に最適化した専用IoTプラットフォームを導入したところ、タイムラグを軽減することで測位精度が大きく上昇し、燃費などのコストを約1割削減できたと報告されている。

また、その他製造業での活用シチュエーションとして、複数拠点がある場合は各拠点の稼働率を確認し、収集したデータを基に生産効率を可視化する、などの用途が考えられる。また、工場機器の稼働状況や過去に故障したときのデータ分析などにより、機器のメンテナンスにも活用できるだろう。

このように、IoTプラットフォームの導入は単にIoT機器の利便性向上だけではなく、副次的なメリットの享受も期待できる。複数の問題を解決可能な存在として、ユーザー様の注目も集まるだろう。