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ネットワークカメラをおすすめしたいワケ

掲載日:2024/01/16

ネットワークカメラをおすすめしたいワケ

オフィスや雑居ビル、商業施設の監視用として、また病院や介護施設での見守り用として、ネットワークカメラの活用シーンはますます広がっている。具体的にどのような目的で活用されているのか、人気のあるタイプはどのようなものなのかを確認しながら、ネットワークカメラをおすすめできる理由をご紹介しよう。

ネットワークカメラの特長

ネットワークカメラは、カメラ本体にコンピューターが内蔵されているため個々にIPアドレスを持ち、有線LANや無線LANによる通信が可能なカメラだ。そのためIPカメラ(Internet Protocol camera)と呼ばれることもある。ネットワークに接続することで遠隔でのモニタリングや操作もできるため、さまざまな用途で活用されている。Webカメラと混同されることもあるが、WebカメラはPCとの接続が必要で本体だけでは動作しない。例えば、ノートPCに内蔵されているカメラはWebカメラと同じ扱いである。

ネットワークカメラの基本的な構成は、動画撮影するためのカメラ機能、動画をデジタル信号に変換する機能、変換した映像信号をLANに接続し、データ通信を行う回路となる。

従来、監視用として利用されていたアナログカメラは、同軸ケーブルを何本も使って映像伝達を行っていた。そのため設置場所が限られるほか、導入も簡単ではなく用途が限られてしまっていた。

これがデジタル化されたことで、どこにでも簡単に設置できるようになった。各国で市中監視が行われるようになったり、マーケティング分野でも活用されるようになったりして、需要は大きく拡大した。また、コロナ禍では三密回避のための混雑状況の把握、体温検知などの用途でも広く活用されていた。

矢野経済研究所が2021年に発表した「監視カメラシステム世界市場規模推移・予測」によると、調査時点の2020年には世界市場が2兆9,700億円だったが、2026年には6兆4,000億円まで市場が拡大することが見込まれている。

ネットワークカメラの種類

メーカーごとに分類が異なるが、形状や機能、設置場所、給電、録画方法などから選定できることが多い。ここでは、それぞれの分類について見ていこう。

形状

球形のドーム型や四角いボックス型、レンズのパン(水平方向への首振り)、チルト(垂直方向への首振り)、ズームを遠隔操作または自動操作できるタイプのPTZ(Panoramac・Tilt・Zoom)などがある。

機能

基本的な機能はどのカメラも大きく変わらない。赤外線サーマル画像が撮れるもの、マルチセンサー付きのものなど、特徴的な機能を持つものもある。

設置場所

大きく分けて屋内と屋外に分類されている。特に屋外では耐久性や防じん・防水機能が付くものが多く、室内用を室外に転用することはほとんどないだろう。

給電タイプ

ACアダプター、内蔵バッテリー、PoEがあり、継続的な監視が必要な場合はACアダプター、設置場所に電源がない場合は内蔵バッテリーやPoEというように使い分ける。

録画方法

一般的なのは、録画データ保存用の専用サーバーを用いるサーバーやNASに保存する方法だ。手軽な方法としてクラウド上に保存する方法が選ばれることも多い。

ネットワークカメラの利用例

ここまでのネットワークカメラの情報を踏まえて、実際に活用されている場面をご紹介しよう。

防犯対策・監視

多い活用例は、施設内の防犯対策や異常検知の用途だ。不審者や犯罪をリアルタイムで発見でき、録画が残るため後から犯罪が発覚した場合でも現場の状況を確認することができる。

感染対策

コロナ禍で新たに生まれた活用方法だろう。一定基準以上の密集状態を検知し、入場制限などの対応につなげる。AI分析が可能で、体温の高い人やマスクをしていない人の検知もできる。アフターコロナの今も感染症などが流行する可能性は高い。今後も需要は残るだろう。

建築現場・工場・倉庫の事故防止

事故につながりやすい現場でも活用されている。機械や人の行動に異常があれば検知し、遠隔で指示や修理などを行う。ロボットとの組み合わせで、人の目で行っていた検査工程を自動化する機能を搭載したソリューションも販売されている。

子どもや高齢者の見守り

遠方に住んでいる場合や仕事などで外出している場合の子ども・ペットの見守り、高齢者施設での見守りにもネットワークカメラは有用だ。高齢者に通常とは異なる動きがあったときにカメラで検知し、警備会社から人を派遣するサービスも提供されている。

マーケティング

商業施設で人気のある商品や人の集まる時間帯などを計測して、それをマーケティングにつなげるという活用方法もある。

セキュリティにも要注意

ネットワークカメラは確かにメリットの多いソリューションだが、ネットワークにつないで利用することが必須であるため、サイバー攻撃の被害に遭う可能性を考慮しなくてはならない。ネットワークカメラに不正アクセスされると、そこから映像データが漏えいするリスクがある。最近のネットワークカメラは100~200万画素のものが中心で、中には300万画素以上の高画質カメラも存在する。そこに映った個人情報などが流出すると、場合によっては大きな問題になりかねない。ネットワークカメラを導入する際は、セキュリティ対策もセットで検討することをおすすめする。

ネットワークカメラにはさまざまな可能性がある。例えば、日本では労働人口の減少が問題になっているが、ネットワークカメラの導入によって補えるところもあるだろう。どのように活用できるか積極的に考えつつ、需要に応じた提案をしたい。