SDGs

オフィス用品の選び方を見直してSDGsに貢献しよう

掲載日:2024/02/20

オフィス用品の選び方を見直してSDGsに貢献しよう

2015年9月に国連サミットでSDGsが採択されてから8年以上が経過した。最近は「SDGs」という言葉の認知度が向上して取り組みを推進する企業も増加しているが、世界各国と比較すると日本でのSDGsへの取り組みはあまり進んでいない。そこで今回は、オフィスでの備品の選び方という視点から、SDGsに貢献する方法について解説したい。

日本のSDGs達成状況

国際的な学術機関などのネットワークであるSDSNの発表によると、2023年の日本のSDG指数(SDGs達成に向けた総合的指数)は166カ国中21位であり、2019年から毎年後退し続けている。2015年に採択されたSDGsは2030年までに達成すべき目標とされているため、2023年は折り返しの年となったが、毎年下がっている順位を見ると好ましい状態とは言えないだろう。

日本では、どの目標に対して取り組みが進んでいないのだろうか。同発表によると、SDGsが掲げる17の目標のうち、13番目の項目である「気候変動への対策」、14番目の項目である「海洋資源の保全」、15番目の目標である「陸上資源の保全」に課題が残っていると指摘されている。すなわち、環境問題への取り組みが不十分なのだ。

「SDGs 17の目標」についてはこちら!

オフィス用品選定の視点を変えてみよう

SDGsは大規模な課題だが、企業単位で貢献できる方法もある。その代表的な例として、環境へ配慮した製品を積極的にオフィスに導入するという手法を紹介したい。

例えば、とあるメーカーは自社製のPCに一定の基準を設けることで環境に配慮している。同社が販売するPCの約60%は、日米政府が合意している省エネルギー制度である「国際エネルギースタープログラム」の基準を満たしているという。また、同社が販売するPCの約90%は環境省の定める「グリーン購入法(環境負荷の少ない持続可能な社会の構築のため、国や自治体等へ積極的に再生品などの調達を推進する法律)」の基準を満たしている。

環境へ配慮した製品を利用してSDGsへ貢献するという手法は、もちろんPC以外のオフィス用品でも取り入れることが可能だ。「業務で必要な備品を用意する際、せっかくならばSDGsへ貢献できるものを選ぶ」といった姿勢であれば、企業にとって取り組みへのハードルが下がるだろう。例えば環境に優しい樹脂素材を利用したビジネスチェアや、繰り返し使用可能な詰め替えタイプの文房具などは、どんな業態でも利用できる。

環境へ配慮したビジネスチェアをチェック!

さらなるSDGs貢献に向けて求められること

オフィス用品という観点からSDGsに貢献できる方法は多くあり、例えば蛍光灯や白熱電球を利用している企業であれば、照明をLED電球へ交換するだけで消費電力を約85%も削減できる。電気代を約75%削減可能なうえ、LED電球は非常に長寿命なので長い目で見れば電球交換費を削減できる点も魅力だ。

また、SDGsが掲げる目標は環境問題だけではない。例えば5番目の項目である「ジェンダーの平等」や、17番目の項目である「パートナーシップによる目標の達成」も、各国と比較すると日本では取り組みが進んでいない。家庭で子育てをしながらも業務ができる環境の構築や、フェアトレード(発展途上国と先進国による平等な貿易)によって提供される製品の積極的な活用も重要な取り組みである。

SDGsの取り組みは、従業員の労働環境改善や取引先へのアピールなど、企業にとってメリットになるだろう。ベンダーとしては、コスト削減など短期的なメリットと、企業の信頼度アップなどの長期的なメリットの両方をアピールし、広く製品を提案していきたい。