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2024年最新消費トレンド 3つの「〇〇消費」とは

掲載日:2024/02/27

2024年最新消費トレンド 3つの「〇〇消費」とは

社会情勢の変化やサービスの複雑化、多様な価値観を持つ世代の台頭などを背景に、消費トレンドは日々変化している。消費トレンドを把握しておくことで、時流に沿った提案ができるだろう。今回はいくつかのリサーチを基に、2023年の消費トレンドを振り返るとともに2024年の最新消費トレンドについて紹介していく。

2023年消費トレンドの振り返り

2023年消費トレンドのうち、話題になったのが「タイムパフォーマンス消費(以下、タイパ消費)」だ。タイパ消費とは時間効率を重視した消費行動のこと。例えば徒歩15分の距離をタクシーを使って移動時間を3分にすることや、多少割高であっても食材デリバリーサービスを利用することなどがタイパ消費に該当する。特にZ世代がこのタイパ消費を重視する傾向にある。

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また物価高を背景に、2023年は「メリハリ消費」をする消費者も多く見受けられた。メリハリ消費とは、普段は節約して、欲しい物や価値を感じられる物には思い切った買い物をする消費行動のこと。2023年4月にデロイト トーマツ グループが男女5,000人を対象に実施した「国内消費者意識・購買行動調査」によれば、「節約と贅沢のメリハリをつけるようになった」と回答した人が3割弱に上るという。物価高が続けば、引き続きメリハリ消費の傾向も続く可能性がある。

そのほか、「インバウンド消費」や「エコ&経済的(=サステナブルな消費行動)」「MaaS(Mobility as a Service)」なども2023年消費トレンドのキーワードとして挙げられる。

2024年注目!3つの消費トレンド

2024年の消費トレンドを展望するうえで、押さえておきたい3つの消費トレンドを紹介する。

スポーツ消費

2024年はフランス・パリにて夏季オリンピック・パラリンピックが開催される。またオリンピックと同様に4年に1度のサッカーアジアカップが開催されるほか、「横浜BUNTAI」や「有明アーバンスポーツパーク」といった大型スポーツ施設の多数開業も予定されている。

このようにスポーツイベントが目白押しな2024年は「スポーツ消費」が脚光を浴びる可能性がある。スポーツ用品の購入や大会出場といった「スポーツをする」消費、現地もしくはスポーツバーなどで「スポーツを観戦する」消費が盛り上がる可能性は十分あるだろう。

トキ消費

「トキ消費」とは、その時・その場所でしか体験できないことを求める消費行動のことで、博報堂生活総合研究所が提唱する概念だ。体験を楽しむ「コト消費」から一歩進み、トキ消費には二度と同じ体験ができないという限定性や体験・感動を共有する参加性などに特徴がある。トキ消費の概念自体は2017年から存在したが、人とリアルな体験を共有する機会が少なかったコロナ禍の反動もあり、今後はより注目を集める可能性がある。

旅行・レジャー消費

2024年は「旅行・レジャー消費」も盛り上がりそうだ。株式会社クレオが公開している「2024年消費動向予測記事」によると、2023年と比較して最も消費意向が高まった「2024年にお金を費やしたいこと」が旅行・レジャーとなっている。

出典:(株)クレオ 生活行動研究課「2024年消費動向予測」記事を加工して作成

2024年は3連休以上の休みが10回※と非常に多く(2023年は6回※)、多くの消費者が旅行・レジャーに行くことが見込まれる。
※年末年始・GWを除く

消費トレンドを基に効果的な提案を

これまでモノ消費やコト消費、トキ消費などさまざまな消費活動の概念が提唱されてきた。ほかにも、イミ消費やエモ消費、デトックス消費といった概念が存在するように、これからも新しい「〇〇消費」が生まれることだろう。またスポーツ消費や旅行・レジャー消費のように、年によって特に盛り上がりそうな消費行動もある。

ベンダーとしては、その年の消費トレンドに沿った提案ができれば説得力を持たせることができる。また、消費トレンドについて情報共有をするだけでも、お客様とより深い関係性を築くことが期待できるだろう。