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誰でも開発者になれる⁉ 今注目のノーコードAIを解説!

掲載日:2024/04/09

誰でも開発者になれる⁉ 今注目のノーコードAIを解説!

ビジネスでのAI活用はここ数年で一般的なものになってきた。しかしAIシステムの構築や運用ができるAI人材は不足しているため、各企業のビジネスにマッチしたAI活用ができているのかという点には疑問が残る。そこで注目を集めているのが、プログラミングなどの知識がなくてもAIの開発ができる「ノーコードAI」だ。

開発の概念を変えるノーコードAI

ノーコードとは、ソースコードを記述せずにプログラミングができるサービスのことである。サービスやアプリの開発に使用するテンプレートが用意されているため、利用者はそれらを組み合わせることにより、専門的な知識がなくてもプログラミングが可能になる。

ノーコードAIは、ノーコードの仕組みを生かしてソースコードを記述せずにAIを開発できるサービスのことだ。これまで企業がAIを開発するにはAIエンジニアを確保しなければならなかったが、ノーコードAIを活用することでその必要がなくなるため、人員確保のコストを削減できる。また、エンジニアのスケジュールに左右されずに開発期間を設定することも可能だ。

さらにノーコードAIを活用すれば、既にほぼ構築されたテンプレートを利用できるため、テンプレートを組み合わせて開発することによって作業期間の短縮につながる。活用実績のあるテンプレートは一定の品質が担保されていると考えられるため、ゼロから開発を始めた場合と比較してエラーの発生を抑えられる点もメリットだ。

ノーコードAIはAI人材不足の対応策としても注目されている。総務省が発表した「令和2年版情報通信白書」によると「日本の企業がIoT・AI等のシステム・サービスを導入しない理由」について「使いこなす人材がいないから」という回答が上位にある。さらなるAI活用が求められる中、それを扱える人材が足りていない状況だからこそ、ノーコードAIの価値は相対的に高まると言える。

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導入事例とその効果

ノーコードAIは既に多くの企業で導入され、実績を残している。例えばあるメーカー企業では、AIの専門知識を有する従業員がいなかったにもかかわらず、導入から6カ月でノーコードAIによる売上予測システムの現場運用を実現した。以前と比較して売上予測の精度が改善したうえ、一部作業が自動化したため、浮いた分のリソースを別業務に充てられるというメリットも享受できている。

導入事例は教育現場からも報告されている。とある大学の研究室は、ノーコードAIによるデータ分析に取り組んでいるという。同研究室は建築設備の研究が中心であり、AIに関する専門的な知識を持つ学生はいないが、データ収集の高精度な自動化に成功している。

また、建設業界のある企業では、在庫管理にノーコードAIを活用している。同社は全国にある機材センターで建設機材のレンタルを手掛けているため、在庫管理などの重要業務の改善は大きな課題となっていた。そこでノーコードAIを導入したところ、精度の高い在庫予測によって、レンタル機材の稼働率が例年と比較して大幅に向上したという。また、重要業務の属人化を防ぐことができるほか、人件費の削減などにも効果が表れている。

ノーコードAIがつくる未来

かつてコンピューターを業務で利用できるのは一部のみだったが、今ではほぼ全てのビジネスパーソンが利用している。それと同様に、ノーコードという概念が広がることで、AIを当たり前に使える時代が来るだろう。ITが雇用の幅を広げたように、ノーコードAIにも新たな雇用創出への効果が期待されている。人材不足が叫ばれる今、ノーコードAIのさらなる浸透が人材問題の解決につながるかもしれない。