IoT・AI
最新AIモデルClaude 3.5 Sonnetが登場!
その性能と新機能を紹介
掲載日:2024/08/09
2024年6月、生成AIサービスを提供するAnthropic社は、最新のAIモデルとしてClaude 3.5 Sonnetを発表した。同社はClaude 3.5 Sonnetを「これまでで最も高性能」と評価しており、その性能の高さと新機能に注目が集まっている。
超高性能なAIモデル
Claude 3.5 Sonnet(以下Claude 3.5)は、特に推論能力とコーディング能力の高さが特長のAIモデルで、より複雑な分析や学術研究での活用に適している。
実際にAnthropic社はClaude 3.5とOpenAI社が提供するChat GPTを比較するために、大学院レベルの専門的な知識と論理的思考を必要とする推論力テストを実施。Chat GPTの最新モデルである「GPT-4o」が53.6%の問題を解決したのに対して、Claude 3.5は59.4%の問題を解決している。そのほか、コーディングや多言語数学などの分野でも、GPT-4oに比べClaude 3.5が同等もしくはそれを上回る成績を残している。
Claude 3.5 Sonnetの新機能
優れた性能を誇るClaude 3.5 だが、中でも注目を集めている新機能がArtifacts機能とProjects機能の二つだ。
Artifacts(アーティファクト)機能
Artifacts機能は利用者がAIと対話することで視覚的なコンテンツをリアルタイムに生成し、その内容を編集できるというものだ。
Webサイトのプロトタイプや簡単なゲーム、ベクター画像などの生成が自然言語を入力するだけでできるため、従来はプログラミングやデザインなどの専門的な知識がなければ作れなかったコンテンツを、Artifacts機能を活用することで容易に生成することが可能になった。
Artifacts機能を活用することで誰でもWebサイトや画像を生成できるようになるので、これらの作業をClaude 3.5のArtifacts機能に任せて、知識や経験を有する従業員はより専門的で創造性の高い業務に集中できるだろう。さらに、専門知識を有した人材を雇う必要があった業務をClaude 3.5に代行してもらうことで人件費削減にもつながる。
Projects (プロジェクト)機能
Projects機能は、Claude 3.5に資料やチャット履歴など過去のデータを学習させる機能だ。Claude 3.5 は学習させたデータを基に成果物を生成するため、個人のデータを読み込ませたClaude 3.5は、まるでその本人のように質問に回答し、画像や文章を生成することが可能になる。
Projects機能を活用することにより、チームでの共同作業を効率的に行うことが可能だ。例えば、ある業務を担当する従業員のデータをProjects機能で学習させておけば、本人が不在でもProjects機能を活用してほかの従業員が同じように業務を行えるようになる。また、定例ミーティングや新人研修のように同じコミュニケーションを繰り返すことの多い業務は、司会役や講師役をProjects機能に代行してもらうのも良いだろう。
Claude 3.5 Sonnetの利用方法
Claude 3.5有料版の利用料金は月額20ドルからとなっており、そこからさらに100万トークン分の月額API利用料金として入力に3ドル、出力に15ドルが発生する。これは、GPT-4oと同じ価格帯の料金設定であり、生成AIを業務に利用する場合の費用としては適当な値段と言える。業務を月38ドルで代行してもらえると考えれば、人件費に悩む経営者としては逃す手はない。
今後さらにAIとの共存が進む中で重要なのは、AIに任せる業務と人間にしかできない業務を区別することだ。そのためにもまずはClaude 3.5の性能の検証を行いながら、並行してAIに関する法や活用方法などの専門知識を有する人材の育成や確保なども進めておくことが重要だ。