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2024年後半にリリース予定!
「Windows Server 2025」の特長を紹介
掲載日:2024/08/09
2024年5月、Microsoftのサーバー用OS であるWindows Serverの次期バージョン「Windows Server 2025」のパブリックプレビュー版がリリースされた。正式リリースは2024年後半になる予定だ。そこで本記事では、Windows Server 2025の概要や新機能、今後の見通しなどについて解説する。
Windows Serverとは
「Windows Server」は、Microsoftが開発と提供を行うサーバー専用のOSである。一般的なPCに搭載されているOSよりも、さらに高度な安定性やセキュリティ、同時接続への耐久性などが求められるため、サーバーには高負荷にも耐えられる専用のOSが搭載されており、この専用OSの一つが「Windows Server」である。
Windows Server自体の歴史は長く、1993年7月にリリースされた「Windows NT 3.1」から約3~4年の周期でバージョンアップを重ねてきた。最新版は2021年8月にリリースされた「Windows Server 2022(2024年8月時点)」だが、2024年後半にはセキュリティやパフォーマンスが向上した「Windows Server 2025」のリリースが予定されている。ただし、Windows Server 2025のパブリックプレビュー版は2024年5月から提供されている。
Windows Server 2025の特長
Windows Server 2025を含むWindows Serverの特長として、普段利用しているWindows PCに近い操作性で利用できる点が挙げられる。Windows Server 2025の設定画面などは、最新のWindows 11と同じ仕様なので、普段からWindows PCを利用しているユーザーであれば、直感的に操作でき、新たに覚える操作や設定の学習コストも抑えることができる。
また、Windows Server 2025ではActive Directoryを活用できる点も特長だ。Active Directory はWindows Server 2022にも搭載されているファイル管理機能で、IDやパスワードの一元管理、ユーザーごとの閲覧・操作の制御などが可能である。そのほかにも、30年以上の豊富な実績と信頼性、提供元のMicrosoftのネームバリューの高さもWindows Serverの強みと言える。
Windows Server 2025の新機能
Windows Server 2025の新機能について、Windows Server 2022からの主な変更点を二つ紹介する。
一つ目は「ホットパッチ(Windows Server Hotpatching)」という機能の追加だ。この機能のポイントは再起動せずにアップデートが可能になる点で、システム利用を継続したままの状態、かつサーバー上で動作中のワークロードへダメージを与えることなくアップデートができるようになる。
二つ目は、AIのワークロードの大幅な向上が期待できる点だ。これはAI処理の速度の高速化と負荷の軽減が可能な高性能のGPUを新たに搭載することで、AIや機械学習に関するタスクの効率化を実現している。
そのほかにも、次世代Active Directoryのセキュリティ機能強化が図られ、より安全にID管理が可能になったほか、ファイルやプリンターを共有する際に用いられるSMB(Server Message Block)の改善によって、なりすましや攻撃に対する保護なども期待されている。
ただしWindows Server 2025はプレビュー版(2024年8月時点)となっているため、正式リリース時には変更が行われている可能性がある点には注意したい。
Windows Server 2025の今後の見通し
Windows Server 2025の正式リリースは2024年後半に予定されており、Windows Server 2022と比較してAI対応やセキュリティの強化を中心に改善されている。
例えば、高度なGPU機能によるAI関連タスクの業務効率化や、次世代Active Directoryによるセキュリティ強化と効率的なID管理が実現するだろう。
ただし、2024年8月現在Windows Server 2025はプレビュー段階であり、各種機能は今後変更される可能性がある。またWindows Server 2025登場後もWindows Server 2022は引き続き利用できるので、早急なリプレース対応は必要ないと考えられる。
とはいえ、AI対応やセキュリティの強化など企業への恩恵が大きいので、ベンダーとして引き続き最新情報をキャッチアップして、顧客の状況に応じた情報提供をしていきたい。