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Copilot for Microsoft 365 を使ってみよう!
Excel編

掲載日:2024/08/27

Copilot for Microsoft 365 を使ってみよう!Excel編

Excelは計算処理や作表などに利用することが多いが、『Copilot for Microsoft 365』を使用すれば知識がなくとも簡単にデータの計算や加工、編集ができる。『Copilot for Microsoft 365』の基本的な使い方や実用テクニックを紹介する連載シリーズ。今回は連載企画第3弾として、Excelにおける『Copilot for Microsoft 365』の使い方を学んでいこう。

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Excelにおける『Copilot for Microsoft 365』

『Copilot for Microsoft 365(以下、Copilot)』はMicrosoft 365 アプリの業務効率を向上してくれるチャット型AI。WordやPowerPointなどと同様に、Excelの業務もサポートしてくれる。

Excelでの代表的な活用方法は、データの加工・編集や強調表示・フィルターの適用、グラフの生成・追加だ。いずれもExcelの知識は必要なく、プロンプトを入力するだけで指示に沿った結果が出力される。普段からExcelを業務利用している人からExcelに苦手意識がある人まで、幅広いユーザーの業務生産性を向上させられるだろう。

Excelでの『Copilot for Microsoft 365 』活用例

ExcelでCopilotを使う際にはまず「自動保存をオン」にし、Copilotを適用するデータをテーブル形式に変換する必要がある。そのため、まずはデータを選択して「ホーム」タブから「テーブルとして書式設定」をクリックしよう。最後に同じく「ホーム」タブからCopilotボタンをクリックすれば、右側にCopilotウィンドウが表示される。

これでCopilotを使用する準備は完了。ここからは代表的な3つの活用方法の手順を紹介していく。

データの加工・編集

Copilotを活用すれば、関数を使用せずとも簡単に計算でき、データの加工・編集も可能だ。今回は営業担当者の評価をするという想定で、目標金額と実際の売上金額から各担当者の目標達成率を算出してみる。

まずは起動したCopilotのプロンプトに「目標と合計売上の値から各担当の目標達成率を算出し、I列に挿入してください。」と入力する。出力内容が正しいことを確認した後「列の挿入」を選択すると、目標達成率の列が新たにI列に追加される。関数や作表の方法について知識がなくても簡単に目標達成率を可視化することが可能だ。

データの強調表示・フィルター

続いて、挿入した目標達成率のデータを見やすく編集してみよう。

例えば、上位の目標達成率だけを強調表示したい場合には、プロンプトに「目標達成率の上位3名を太字・黄色の塗りつぶしで強調表示してください。」と入力。すると、プロンプトどおりに上位3名のみが強調表示される。

さらに条件に該当する特定のデータだけを表示させるフィルター作業も、Copilotであれば簡単にできる。今回は6月の売上が8,000以上の営業担当者のみを表示させてみよう。

まずは「プロンプトの表示」をクリックし「編集する」、「次の要素で絞り込む」の順に選択。次にプロンプトに「次の要素で絞り込む [6月の売上が8,000以上]」と入力し、最後に「適用」をクリックする。

これで、6月の売上が8,000以上の営業担当者のみのデータが表示される。特に大量のデータから抽出する場合には、このCopilotを利用したフィルター作業が有用だろう。

グラフの生成・追加

Copilotでは、グラフも簡単に生成・追加できる。ここでは営業担当者の目標達成率のデータをグラフ化してみよう。

まずはプロンプトに「目標達成率を表す棒グラフを以下の内容で作成してください。縦軸は目標達成率(%)、横軸は担当名で作成してください。」と入力。プロンプトに沿ったグラフが提示されるため、問題なければ「新しいシートに追加」を選択する。これでグラフが生成・表示されるので、必要に応じてグラフタイトルや縦ラベル、デザインなどを修正すれば完成だ。このようにCopilotを使用することで、視覚的に分かりやすいグラフを簡単に生成することもできる。

プロンプトを工夫してCopilotを使いこなそう

ExcelでCopilotを使いこなすためには、具体的かつ詳細な内容のプロンプトを入力することがポイントだ。どのようなプロンプトを入力すべきか迷う場合は、Copilotウィンドウの下部に表示されるプロンプト例や、「プロンプトの表示」をクリックして表示されるガイドを参考にするのも良い。

紹介した機能のほかにも外れ値などの把握や過去データを参考にした予測分析などもできるため、データの管理・運用の際にも効果を発揮するだろう。また、WordやPowerPointと連携することで報告書やプレゼン資料の作成までCopilotに全て任せることができる。

Copilotの活用は、Excel業務の大幅な効率改善を可能にする。Excel業務が多い顧客にはぜひCopilotの活用法を案内しておきたい。