組織改革

企業を長期的成長に導く
「持続可能なテクノロジー」とは

掲載日:2024/10/15

企業を長期的成長に導く「持続可能なテクノロジー」とは

近年は、自社利益の追求だけでなく、サステナビリティの視点を持つことも企業には求められている。そこで注目されているのが、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みを支える枠組みである「持続可能なテクノロジー」だ。今回は、持続可能なテクノロジーの概要や取り組みの具体例、そして企業にもたらされるメリットについて解説する。

「持続可能なテクノロジー」とは

「持続可能なテクノロジー」とは、企業の長期的な成長に必要な観点である「ESG(環境・社会・ガバナンス)」の取り組みの成果を促進するデジタルソリューションの枠組みだ。

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具体的には、再生可能エネルギーの活用やサステナブルサプライチェーンの実現、カーボンニュートラルの達成、グリーンITなど、環境負荷を抑える取り組みを推進することで、社会や地球環境の持続可能性を高めていく取り組みを指す。

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持続可能なテクノロジー推進の具体例

ここではESGに考慮した「持続可能なテクノロジー」の具体例を三つ紹介していく。

再生可能エネルギーの導入

近年、環境・社会的影響の大きい大企業が、太陽光発電システムの導入や電力購入契約などの再生可能エネルギーを活用する取り組みを積極的に発信している。例えば小売業大手のある企業では、太陽光パネルの設置や余剰再生可能エネルギーの活用などにより、2024年2月期において 国内店舗の使用電力のうち約55%をグリーンエネルギーへと転換した。こうした大企業の動きは、今後中小企業にも波及していく可能性がある。

グリーンITの推進

グリーンITとは脱炭素社会の実現を目的とする二つの概念のことである。一つ目はITシステム自身の環境負荷低減(以下、Green of IT)、二つ目はITシステムによる環境負荷低減(以下、Green by IT)だ。

Green of ITは、自社で使用するIT機器・ITシステムの消費電力を削減することで利用時のCO2排出量を削減する取り組みである。例えば、最新のIT機器を導入することで消費電力を抑えられた場合は、Green of ITに該当する。

一方のGreen by ITは、ITの活用によって人や物の移動量を抑えることで、CO2排出量の削減など環境負荷の軽減を実現する取り組みである。テレワークの導入やIT活用によるペーパーレス化がその例だ。

ESGレポートの作成・報告の積み重ね

持続可能なテクノロジーには「ESGレポートの作成・報告」も含まれる。ESGレポートとは、企業のESGに関する考え方や取り組みをまとめたレポートのことで、作成するにはESGに対する考え方を社内で確立し、取り組みを継続していく必要がある。小規模な取り組みであったとしても、公表したレポートの内容が外部から評価され、知名度の向上や取引先の拡大につながる可能性があるため、作成や報告を積み重ねていくことに意義があると言える。

持続可能なテクノロジーの導入が企業にもたらすメリット

持続可能なテクノロジーを導入してESGの成果を上げることは、長期的な成長を目指す企業にさまざまなメリットをもたらす。例えば、ブランド力の向上がその一つだ。持続可能なテクノロジーを導入してESG経営に取り組む企業は、自社の利益だけでなく社会にも貢献する企業と認識される可能性があるため、実際に持続可能なテクノロジーの導入によってブランド力を向上させようと取り組んでいる企業も存在する。

前述したように、持続可能なテクノロジーの導入への取り組み方法はさまざまだが、中でもベンダー側が注目したいのは、「Green of IT」だろう。顧客へ持続可能なテクノロジーの導入によるメリットを紹介しながら、提案を検討しても良いかもしれない。