ネットワーク

優れたハイブリッドワークを実現するための社内ネットワーク管理

掲載日:2024/12/10

優れたハイブリットワークを実現するための社内ネットワーク管理

ハイブリッドワークが一般化した昨今では、どこにいてもスムーズかつ安全な通信が可能な社内ネットワーク環境が求められている。それでは、具体的に社内ネットワークを管理する際はどのようなポイントに着目すればよいのだろうか。注目すべき二つのポイントを紹介する。

最適なネットワーク帯域幅の確保

Web会議の映像がしばしば途切れてしまう、大容量のデータを送信する際に時間がかかるなど、社内で通信の遅延がある状況では業務の効率を上げることは難しいだろう。このような状況を改善する方法の一つが、社内のネットワーク帯域を適切に管理することである。

ネットワーク帯域と通信の関係

「ネットワーク帯域」とは、電気信号の通信に使用される電波や光で使用可能な周波数の幅を指す言葉だ。一般的に、帯域が広いほど一度に送信可能な情報量も多くなる。

また、一定の時間内の送信できるデータの最大容量は「ネットワーク帯域幅」と呼ばれ、1秒あたりの転送量はbps(bit per second)という単位で表される。このネットワーク帯域幅が必要な通信に対して不十分な状態を、ネットワーク帯域不足と呼び、通信の遅延を引き起こす原因となる。

この状態を解決するためには、帯域制御の設定を見直すことが不可欠だ。帯域制御とはネットワークの流れに応じて、使用する回線容量を調節する技術である。社内ネットワークに対して帯域制御を行う場合は、必要な業務ごとに帯域を利用する優先順位を設定し、転送するデータ量に差をつけることが可能だ。これにより不要な通信による妨害が減り、限られた帯域幅の中でスムーズにデータの送受信を行うことができる。

帯域拡張

帯域不足を解決する根本的な方法としては、利用可能な帯域幅自体を拡張するという手段がある。これは、通信プロバイダーのサービスや通信機器を変更することで対応可能だ。

しかし、業務で用いるソリューションは日々アップデートしていくため、一度の帯域拡張で今後の安定した通信を担保できるとは限らず、五月雨式にコストがかかる場合も少なくない。そのため、帯域制御により現状の帯域のまま対策を行い、それでも解決しない場合は、帯域拡張を行うことが望ましいステップだと言えるだろう。

セキュアな通信を確保するソリューション

ネットワークの円滑化と同様に注目すべきなのがセキュリティの強化である。社内外ネットワークのセキュリティが不十分な状態で、ハイブリッドワークを実施することは極めて危険だ。特に、従業員が自宅や外出先からリモートで勤務する場合は、回線の安全性を確保することが難しく、サイバー攻撃の標的にもなりやすい。

トレンドマイクロ社が2021年に発表した調査によると、コロナ禍でハイブリッドワークが浸透して以降、サイバー攻撃の件数が激増している。例えばフィッシング攻撃の件数は、2019年に比べて2020年は約1.2倍、2021年は約3倍と増加し続けている。また、家庭用ネットワークで検出された不審な挙動の件数は、2019年に比べ2020年は約2倍という結果とのことだ。

接続機器やネットワークのセキュリティ対策

セキュアな通信を確保するために接続機器を導入する方法もある。例えばバッファローの『VR-U500X』はハイブリッドワークのセキュリティ対策に有効なVPNルーターだ。その特長は拠点間だけでなく従業員の私用スマホや自宅のPCからでも専用のVPNに接続可能な環境を構築できるほか、UTM(統合脅威管理)機能も搭載しており、エッジデバイスへの攻撃も監視してくれる。

『VR-U500X』について詳細はこちら!

境界型防御からの脱却

根本的なサイバー攻撃に対抗できるセキュリティ構築を目指したい場合は、社内ネットワークの仕組みを基本から見直すことも必要かもしれない。具体的には、ここ数年のトレンドとなっている「ゼロトラストセキュリティ」は、従来の主流だった「境界型防御」と大きく考え方の異なるセキュリティ手法として注目を集めている。

「ゼロトラストセキュリティ」について詳細はこちら!

今回はハイブリッドワークを前提としたネットワーク管理について紹介したが、それを加味しなくても、ビジネスにおいてスムーズかつ安全な通信は不可欠である。近い将来に必要になる投資だからこそ、その重要性やハイブリッドワークへの転換期である今から準備しておきたい。