DX
2025年開催の大阪・関西万博を起点とした
次世代DX技術の未来
掲載日:2025/01/28

2025年4月13日から開催される予定の大阪・関西万博(EXPO 2025)。今回の万博のテーマには「いのち輝く未来社会のデザイン」を掲げている。未来社会を見据えたスマートモビリティの展示や、先端デジタル技術で利便性を向上させた「超スマート会場」も注目ポイントだ。そこで万博のテーマや展示内容を確認していきながら未来の社会について想像してみよう。
大阪・関西万博の実施目的と概要
大阪・関西万博は、2025年4月13日(日)から10月13日(月)の184日間、大阪市の人工島である「夢洲(ゆめしま)」で開催される。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」、サブテーマには「Saving Lives」「Empowering Lives」「Connecting Lives」の3つが掲げられている。
過去の万博では、当時の最新技術や商品が紹介され、後に実用化されたケースも多い。例えば、1853年のニューヨーク万博ではエレベーターのデモンストレーションが行われ、1876年のフィラデルフィア万博では電話が初公開された。日本初の万博となった1970年の大阪万博でも、携帯電話や動く歩道などが披露されている。
大阪・関西万博が目指すものとして、「持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献」、「日本の国家戦略Society5.0の実現」の2点が掲げられており、SDGsを2030年までに実現するためのプラットフォームとなることを目指している。
「超スマート会場」を実現するデジタル万博
2025年開催の大阪・関西万博では未来社会のショーケースとして、6つの事業が進められている。中でも、会場に最先端のデジタル技術を導入し、未来を先取りした「超スマート会場」を実現する「デジタル万博」の事業は必見だ。
例えば「来場者向けパーソナルエージェント」と呼ばれる情報案内アプリは、施設やイベント情報、混雑状況などを提供するほか、個人の嗜好をAIが判断し、施設やコースのレコメンドを行う機能や、ARを用いた目的地までのルート案内を提案してくれる。
「自動翻訳システム」では、スマートフォンに専用アプリをインストールするだけで日本語を含む30言語に対応する。一人のガイドが複数の国の人を案内する場面では、日本語を含む13言語に同時翻訳を行える。
また夢洲の会場内では、高速通信・大容量化で消費電力を極限まで抑えた次世代ネットワーク(IOWN APN)で主要施設間を接続することで、距離感を感じさせないコミュニケーションを提供する。IOWN APN(All-Photonics Network)とは、フォトニクス(光)ベースの技術で、エンド・ツー・エンドでの波長ネットワークによって高速、大容量、低遅延の高品質な通信を提供する次世代の通信サービスだ。
未来社会ショーケース事業
前述した「デジタル万博」以外にも、先の未来を感じさせる多くの事業が実施される予定だ。
例えば、昨今話題になっている「スマートモビリティ万博」は、空飛ぶクルマ、EVバスの実証実験が行われる。特にEVバスは、走りながらの自動給電やレベル4の自動運転が披露される予定だ。
「バーチャル万博」では、来場者がアバターとしてバーチャルパビリオンやイベント施設を巡れるほか、社会問題解決に向けた「TEAM EXPO 2025」プログラムなど世界中の人たちと考え、意見を交換して世の中に共創を生み出す取り組みを行うことができる。
また、「フューチャーライフ万博」として、リアル会場とバーチャル会場でSociety 5.0が実現する未来社会をつくり上げ、未来の都市、食、文化、ヘルスケアなどを仮想体験できる。
大阪・関西万博への参加

「広報・プロモーション参加」の募集はパビリオンや大型の企画での参加はすでに締め切っているが、プロモーションでの参加であれば、2025年6月30日(月)の最終締め切りまではまだ応募可能だ。
参加形態に応じて自社の製品、サービスの広告宣伝・販売促進に「大阪・関西万博」の呼称を記載できる「呼称権」、社名などを万博会場内の設備や建物へ表示する「名称表示権」、協会ホームページ、出版物などに社名が掲載される「社名掲載権」、「万博公式ロゴマーク使用権」などさまざまな特典を得られる。多くの人が訪れる会場にて会社名やサービス名が目に触れられることで、大きな宣伝効果も期待できるだろう。
大阪・関西万博は、近い将来のデジタル技術のショーケースとなるため、今後の事業展開のヒントの宝庫となる。
家族や友人などとレジャーとして楽しむのでも構わないが、新しい技術に触れられる機会を活用し、自社の新しいビジネス創出につなげていきたい。