業務改善

レガシーシステムからの脱却!
最新システムがもたらす業務効率化

掲載日:2025/05/13

レガシーシステムからの脱却! 最新システムがもたらす業務効率化

業務効率や生産性を高めるには、社内に残るレガシーシステムの見直しが不可欠である。本記事では、そうした見直しに取り組んだ企業の事例や活用できる制度を紹介する。自社の業務改革を進めるうえでの参考として役立ててほしい。

レガシーシステムからの脱却が必要な理由

レガシーシステムとは過去の技術や仕組みで構築されたシステムのことを指す。同システムは長年の改修や機能追加によってシステムが複雑化し、最新技術との互換性や連携の確保が困難であることなどが課題だ。

経済産業省が、公表している「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」で、「既存システムの複雑化・ブラックボックス化の問題が解決されなかった場合、DXが実現できないだけでなくデジタル競争の敗者となり(中略)」と言及している。レガシーシステムから最新テクノロジーへの移行は、熾烈(しれつ)なデジタル競争を勝ち抜くための最優先経営課題の一つと言える。

関連記事:経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」の内容とその対策方法

最新テクノロジーの導入効果が分かる事例

では、最新テクノロジーの導入により具体的に業務へどのような効果が表れるのだろうか。導入事例を見ていこう。

ノーコード・ローコードツールでアプリを量産

『kintone(キントーン)』はサイボウズ社が提供する、プログラミング知識不要でアプリを開発できるノーコード・ローコードツールである。

フィットネスクラブを運営するある企業では、『kintone』を用いてシステム開発の経験のない担当者2人が契約管理システムを作成した。「直感的にどんどん作れて、楽しいおもちゃみたい」と担当者が話すようにシステム開発を容易に行えるツールである。

『kintone』導入後4カ月で、契約管理以外にも店舗管理やトラブル報告書などの業務に関わるさまざまなアプリを約90個制作。従来は数時間かかっていた雇用契約更新の書類作業が数分に短縮されたという。

関連記事:リモートワークの業務環境を整え生産性を向上 サイボウズ kintone

生成AIでモップアップ作成業務を効率化

『Adobe Firefly』は、アドビ社が提供する生成AI技術を用いた画像コンテンツ作成ツールである。

ある大手総合広告代理店では同ツールを活用してモックアップコンテンツを作成。通常、クリエイティブ制作に必要なモックアップを作成するにはスケッチと図が必要であり一定の時間がかかっていた。

しかし、『Adobe Firefly』の導入によって、要素を調整して案を作成するまでを数分で実行できるため、すぐにデザインを検討することが可能となった。『Adobe Firefly』をはじめとした生成AIを活用することで短時間での制作を実現できる。

RPAで小口チェック作業&メール作業をなくす

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールは、人力で行っている業務プロセスを自動化するツールのことである。大塚商会でRPAの導入を支援したお客様にはさまざまな導入効果が表れている。

例えば、交通費精算チェック業務の効率化もその一つ。交通費精算申請の照合や金額の判定などの工程にRPAを導入し、毎月半日を要していた80人分の小口チェック作業および修正依頼メール送信の自動化に成功した。

また請求書発行業務を効率化した例も報告されている。担当者がExcelで作成した売上伝票を共有フォルダに保存すると自動で請求書が発行される仕組みをRPAで構築した。

ほかにも大塚商会では、名刺作成や商談日報の確認など、さまざまな業務をRPAにより効率化させた事例が報告されている。

業務効率化に最適な補助金制度

実際に業務効率化を実践する際、重要になるのは自社に合ったシステム・製品をどのように選定すべきかという点だろう。そこで参考になるのが「中小企業省力化投資補助金」だ。

同制度は独立行政法人中小企業基盤整備機構が選定したカタログから省力化製品を導入することで、導入費用の最大1/2の補助が受けられる。省力化製品には検品・仕分工程を自動化するシステムなど、カタログにはさまざまな効率化や省力化に貢献する製品が登録されている。特に業務の自動化を図りたいクライアントには、同制度について情報共有してみてはいかがだろうか。

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