中小企業
トランプ関税が発動!
企業が検討したい対策とは
掲載日:2025/09/16

2025年8月7日、トランプ政権は世界各国および地域へ相互関税を発動。日本は15%の関税が課されることとなった。そこで本記事では帝国データバンクが2025年7月に発表した調査を基に、トランプ関税の影響と企業の対策を論じる。
トランプ関税の企業への影響トップ3
帝国データバンクが2025年7月に発表した「トランプ関税は『マイナス』、 短期的・中長期的ともに 全国を上回る」では、東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)の1,176社を対象に「トランプ関税」に関する調査を実施※。
同調査では、トランプ関税に関する短期および中長期での具体的な影響について、「原材料コストの上昇(短期:57.7%、中長期:50.9%)」、「売り上げの減少(短期:57.0%、中長期:47.1%)」、「物流コストの上昇(短期:38.4%、中長期:34.1%)」という回答が上位3つにランクインした。

例えば「売り上げの減少」について、関税が上がれば米国内での販売価格が上昇し、結果として「商品があまり売れなくなる=売り上げの減少」につながるリスクがあるのだ。売り上げの減少や各種コストの上昇は企業に深刻な経営リスクをもたらしかねない。企業は早急な対応が求められる。
トランプ関税に対する企業の対策
トランプ関税について企業はどのような対策を考えているのだろうか。ここでは帝国データバンクの調査で回答された「上位3つの対策」と「各対策を加速させるソリューション」を紹介する。
価格転嫁
トランプ関税に対する具体的な対策(今後の可能性も含む)として最も多く回答されたのが「価格転嫁(47.6%)」である。コスト上昇分を販売価格に転嫁することで、利益を維持しようと考える企業が多いのだろう。
一方、価格転嫁の実現には相手企業との交渉が必須だ。そこで活用を検討したいのが、中小企業庁が公表している各種「価格交渉・転嫁の支援ツール」だ。
例えば「ここから始める価格交渉」は価格交渉のポイントなどについて解説した資料。「原価を示した価格交渉が有効」「原材料やエネルギー価格変動データに基づいて価格改定が必要な理由を示す」など実践的な情報も掲載されている。またコスト増加分を踏まえた取引価格をシミュレーションできる「価格転嫁検討ツール」も用意されている。
特に、これまで価格転嫁の経験が少ない企業はぜひ活用を検討したいツールと言えよう。
新規市場の開拓
トランプ関税に対する対策について、2番目に多く回答されたのが「新規市場の開拓(23.4%)」である。新たな領域で売り上げを確保することで、関税アップによる売り上げ減少のリスクを抑えたいものと考えられる。
新規市場の開拓に有効なのが「営業代行サービス」の活用だ。営業代行サービスはその名のとおり、自社の営業活動の一部または全てを外部の専門企業に委託できるサービスのこと。具体的にはメディアでの露出も多い「カクトク」やBtoB特化の「セイヤク」などのサービスが該当する。同サービスを活用すれば、プロの営業組織による顧客アプローチを通じて、新規市場の開拓を加速できる可能性がある。
製品やサービスの付加価値を高めることによる競争力の強化
トランプ関税への対策として3位にランクインしたのは「製品やサービスの付加価値を高めることによる競争力の強化(21.9%)」だ。2位の「新規市場の開拓」と同様、競争力強化を通じて売り上げ減少リスクを低減させたいものと推測される。
「製品やサービスの付加価値を高めることによる競争力の強化」に寄与するのが「市場調査ツール」だ。同ツールを用いることで、市場や顧客のニーズを把握し、より有効な価値を製品やサービスに付加することができる。なお、一口に市場調査ツールと言っても、キーワードの検索回数から需要を予測する「Google トレンド」や顧客満足度などについてオーダーメード調査を依頼できる「矢野経済研究所」など多種多様なものが存在する。
トランプ関税の影響を考慮した提案を

トランプ関税の影響はこれからさまざまな面で表れてくるかもしれない。仮に影響が出てきたのであれば、本記事で紹介したサービスを含め、ベンダーとしてクライアントの課題に応じたソリューションを提案していきたい。