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停電時のBCP対策に有効な「UPS」
おすすめ商品4選も紹介

掲載日:2025/12/09

停電時のBCP対策に有効な「UPS」 おすすめ商品4選も紹介

電源トラブル発生時にデータの損失やハードディスクの故障を防ぐ「UPS(無停電電源装置)」。電力供給トラブルに対する「BCP(事業継続計画)」としてぜひ導入を検討したい装置である。本記事ではUPSの概要やおすすめ商品を解説する。

UPS(無停電電源装置)とは

「UPS(無停電電源装置)」とは、停電などによる電力供給トラブル発生時に、電力を一定時間供給する装置のこと。UPSが稼働することで、データの損失やハードディスクの破損などを防ぐことができる。

一般的にUPSが電力を供給する時間は3~10分程度であり、UPSだけでは長時間の停電には対応しきれない。それでも停電による生産ラインの停止や重要データの損失などのリスクは重大であり、対策は不可欠だ。だからこそ、UPSは「PCを安全にシャットダウンするまで」あるいは「非常用発電機が起動されるまで」のバックアップに非常に有効な装置として重宝されている。

BCP(事業継続計画)におけるUPSの重要性

UPSは「BCP(事業継続計画)」においても重要だ。停電などにより、少しでも設備や電子機器に電力が供給されない時間が生まれると、機器の破損やデータの損失などを招きかねない。その点、UPSは短時間ながら一瞬も途切れることなく電力を供給できるため、それらのリスクを低減できる。UPSの導入は、災害による停電時においても安定的な事業運営を可能にし、結果的にクライアントとの信頼関係向上にもつながり得る。

一方、これまで停電トラブルを経験したことがない事業者はその必要性をあまり感じないかもしれない。しかし、瞬間的に電圧が低下する「瞬低(瞬時電圧低下)」は全国平均年3~6回、雷多発地域では10~20回以上発生するとされている。また瞬間的な停電である「瞬停(瞬時停電)」も起こり得る。UPSは停電だけでなく、より発生リスクが高い「瞬低」や「瞬停」へのBCP対策としても有効だ。

中小企業におすすめのUPS4選

ここからは中小企業におすすめのUPSを四つ紹介する。

BL100T/BL75T/BL50T|オムロンソーシアルソリューションズ

オムロンソーシアルソリューションズの『BL100T』『BL75T』『BL50T』の型番は無償保証延長サービスパックが付いたUPSだ。無償保証サ-ビスとは、通常3年間の無償保証期間を4年、5年、6年、7年に延長できるサービスのこと。

特長は、従来の鉛バッテリーの2倍にあたる10年という期待寿命を持つリチウムイオンバッテリーを搭載していること。これにより、バッテリー交換の手間が大幅に削減される。また、同社の同等機種と比べて体積約53%・質量約30%の小型&軽量化も実現しているため、設置場所に困ることも少ないだろう。

関連記事:オムロンソーシアルソリューションズBL100T/BL75T/BL50T

SRTL5KRM2UJ|シュナイダーエレクトリック

『SRTL5KRM2UJ(型番)』は、シュナイダーエレクトリックの「APC Smart-UPS Ultra」シリーズのUPSである。従来機比で重量47%・筐体サイズ33%の削減をしていることに加え、縦置き・横置きのどちらにも対応しているため、設置場所の自由度が高い点が特長だ。また長寿命のリチウムイオンバッテリーを採用しており、期待寿命は従来バッテリーの2倍にあたる最大10年。従来よりもバッテリー交換頻度が少なくて済む。

そのほか、オプションで外部バッテリーパックを最大10台接続することで、バックアップ時間を拡大することもできる。

なお、商品詳細については以下ページでも紹介している。

関連記事:シュナイダーエレクトリックSRTL5KRM2UJ

BV55REM・BV55RE|オムロンソーシアルソリューションズ

オムロンソーシアルソリューションズの『BV55REM』および『BV55RE』の型番は、過酷な環境でも使用できる点が特長のUPSだ。具体的には、使用環境温度-10~55℃で使用できるため、例えば空調のない場所や冷蔵倉庫、機器の排熱で設置場所が高温になる場所などでも使用可能である。条件の厳しい環境でもUPSを使用したい事業者におすすめの商品だ。

そのほか『BV55REM』には遠隔監視用ネットワーク機能が搭載されているため、運用管理の負担を低減し得る点もポイントだ。

関連記事:オムロン BV55REM / BV55RE

SMT750RMJ1U|シュナイダーエレクトリック

シュナイダーエレクトリック『SMT750RMJ1U』は、可用性の高さが特長のUPSだ。具体的には、自動的に実施される定期点検機能が搭載さていることに加え、「シャットダウンからの復旧時に接続先の機器を自動で再起動する」「サージやスパイクなどの電源障害から接続機器を保護する」など、より安全・安定な運用を実現する。そのほか、シュナイダーエレクトリックとのプラットフォーム連携により、24時間監視体制も構築することができる。ベンダーとして電源トラブル発生時のリスクと、BCP対策としてのUPSの価値を正確に伝えていきたい。

関連記事:シュナイダーエレクトリックSMT750RMJ1U