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生成AIが外部ツールなどと連携するプロトコル「MCP」とは?

掲載日:2026/01/27

生成AIが外部ツールなどと連携するプロトコル「MCP」とは?

MCPとは、生成AIが外部ツールやデータを呼び出しやすくするためのプロトコルのこと。Anthropic社が2024年に発表し、AIサービスを提供する大手企業が次々と採用している。2026年に大きく広がるといわれるMCPの概要を見ていこう。

MCPとは?

「日経クロステック/日経コンピュータ」が有識者5人と選んだ「ITインフラテクノロジーAWARD2026」。2026年にブレークするITインフラ技術として、1位に選ばれたのは「MCP(Model Context Protocol)」だ。

MCPは、生成AIアプリケーションが外部のデータやプログラムにアクセスするためのプロトコル。2024年11月に、Claudeを開発しているAnthropic社が発表した特定のメーカーに縛られない仕組み(オープンプロトコル)で、業界の標準ルールになりつつある。

Anthropic社は、MCPと同時に、自社のアプリケーションに簡単に適用できるSDK(Software Development Kit)も発表し、普及が進んでいる。OpenAI、Google、Microsoft、AWSといったAIサービス提供企業各社も採用を発表した。

AIエージェントとツール

MCPの仕組みを見ていく前に、AIエージェントとツールについて簡単におさらいしておこう。

AIエージェントとは、人間の代理(エージェント)として業務を遂行するシステムの総称を言う。LLM(大規模言語モデル)ベースのAIエージェントは、以下の四つの特徴を持つ。

ツールには主に2種類が挙げられる。

MCPの仕組み

MCPは構成要素を大きく三つに分けて考える。

まず一つ目は、MCPクライアントをコントロールする、ユーザーと対話するAIアプリケーション本体を指す、「MCPホスト」。二つ目は、LLMの指示をMCPサーバーに伝え、結果をサーバーから受け取る「MCPクライアント」。三つ目はLLMへ情報を提供するほか、実際の操作の指示を請け負う「橋渡し」の役割を担う「MCPサーバー」である。

MCPの標準的な機能

MCPサーバー、MCPクライアントがLLMに提供する標準的な機能を「プリミティブ」という。それぞれ以下の機能が挙げられる。

例えば、ファイルを検索→ログを解析→要約→別システムに登録の場合、プロンプト→ツール→リソース→ツールというワークフローになる。

MCPで実現できること

従来、AIエージェント型のアプリケーションを作成するには、要件を実現するために必要なツールを全て作って組み込む必要があった。似たようなツールを流用したい場合、他の開発者が作成したツールのソースコードが公開されていても、プログラミング言語やフレームワークが異なっているとそのまま使うことはできない。

しかし、MCPによってツールの提供方法と呼び出し方が標準化され、MCPに準拠したツールのコードであれば流用しやすくなった。

また、自社でMCP仕様でのツールを作成すれば、それを多くの人のアプリケーションに利用してもらい、ビジネスチャンスにつなげられる可能性も出てきた。

MCPはプロトコルにすぎないが、ソフトウェア開発にMCPサーバーを挟むことで、あらゆるログを横断的に検索したり、監視アラートとひもづけて要約したりといった作業が簡単に実現できる。

2026年は、MCPの本格的な活用が広がるといわれている。MCPには、LLMにツールの利用法を教える際に悪意のある指示を仕込むなどの、特有のリスクも生じ得るが、リスクも踏まえたうえで、活用の場を考えていきたい。