セキュリティ

ひとり情シスにもおすすめの「UTM(統合脅威管理)」とは

掲載日:2026/02/03

ひとり情シスにもおすすめの「UTM(統合脅威管理)」とは

日々、一人でセキュリティシステムの導入から運用・管理までを担当している「ひとり情シス」も多いはず。しかし、一人でそれら全ての業務をこなすのは決して簡単なことではない。そこでおすすめなのが、一つの機器で多様なセキュリティ対策を実行できる「UTM(統合脅威管理)」だ。本記事ではUTMの概要やメリット・デメリットなどを解説する。

「UTM(統合脅威管理)」とは

「UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)」とは、複数のセキュリティ機能を一つの機器に集約して運用を行うネットワークセキュリティシステム(対策)のこと。従来は個別の製品を導入することでファイアウォールやアンチウイルス、アンチスパムなどのセキュリティ機能を管理・運用していた業務を、UTMでは一つの機器が担う。つまり、これまで製品ごとに「分散」していたセキュリティ機能を、一つの機器に「集約」したものがUTMである。なお、UTMをクラウド上で提供する「クラウド型UTM」もある。

UTMを導入するメリット・デメリット

UTM導入のメリットの一つが「担当者の負荷軽減」だ。UTMは一つの機器が複数のセキュリティ機能を搭載しているため、複数機器を運用する手間やベンダーとのやり取りなどが軽減できる。あわせて、導入時の大規模な工事も不要。これらは、多忙なひとり情シスにとって大きなメリットだろう。また、担当者の負担が減るだけでなく、「セキュリティレベルの向上」も期待できる。従来は不十分だったセキュリティ対策も、UTMであれば包括的に実施できるためだ。

つまり、「担当者の負荷軽減」と「セキュリティレベルの向上」を両立できる点がUTMの魅力と言えるだろう。

一つの機器に複数のセキュリティ機能を搭載する点がUTMの特長だが、一方でUTMにトラブルが発生した際には多くのセキュリティが機能しないことになる。また、UTMはベンダーが提供するセキュリティ機能を丸ごと導入するため、カスタマイズ性は低い。自社のニーズやセキュリティ要件を満たす機能がそろっているかどうかは、事前に確認が必要となる。

「UTMはもう古い」って本当? UTM導入に適した企業とは

インターネットでUTMについて調べると「古い」「必要ない」というキーワードを目にすることがある。背景には、テレワークやクラウドサービスの普及によって「ネットワークの外部と社内のネットワークとの間に境界を設けて脅威に対応する(=境界防御)UTMでは、対策として不十分ではないか」という声があるものと考えられる。こうした声には一理あるが、一方で、2026年現在も主に中小企業において、UTMが現役のセキュリティソリューションとして機能している現状がある。では、UTM導入が有効な企業とはどのようなケースだろうか。

ひとり情シスの企業

ひとり情シスの企業の場合、一人で何種類もの製品を導入・管理・運用することは現実的に困難である。とはいえ、ウイルス対策ソフトなど最低限の対策だけでは決して万全とは言えない。その点、一つの管理画面で多様なセキュリティ対策を講じられるUTMであれば、ひとり情シスであっても比較的負担を抑えながら、多様な脅威に対抗することができる。

セキュリティ対策が急務な企業

複数のセキュリティ製品を導入するためには、製品の情報収集から機能・価格の比較など、さまざまな側面から検討を進めなければならない。一方、UTMは全ての機能が一つの機器にまとまっているほか、導入にあたって大規模な工事も必要ないため、比較的短時間かつ容易に運用を開始できる。従って、迅速にセキュリティ対策を講じる必要のある企業はUTMと相性が良い。

セキュリティ対策予算に限りがある企業

UTMは購入する機器が1台であることから、個別のセキュリティ製品を導入するよりも大幅に導入コストを削減できる。また、中長期的には担当者の業務量軽減による人件費の削減効果も期待できるだろう。

一方で、テレワークが主流の企業や主にクラウドサービスを用いて業務を行っている企業、従業員や拠点数が急拡大している企業などは、UTMが第一選択肢にはなりにくい。ベンダーとしてクライアントの状況を丁寧にヒアリングし、適切な企業へUTMを提案したい。