2027年1月にWindows Server 2016のサポートが終了する。クラウド普及やハードウェアの調達遅延などの問題もあり、今回のサーバーOS EOSは従来との違いも多くなると見られる。ここではいくつかの観点に基づき、そのポイントをあらためて整理してみたい。

Windows Server 2016 EOSの継続リスクと移行パターン

Windows Server 2016がリリースされたのは2016年10月。メインストリーム5年、延長サポート5年の計10年のWindows OSのライフサイクルに基づき、2027年1月12日にサポートが終了する。機能強化や仕様変更を含むメインストリームに対し、不具合や脆弱性の修正のみ行うというのが延長サポートの位置付けになり、最新OSであるWindows Server 2025がその主要な移行先になると考えられる。ある調査によると、現在国内で稼働中のWindows Server 2016はホスト・ゲスト合わせて約25万台。ワークロードはファイルサーバー、Webサーバー、アプリケーションサーバーなど多岐にわたる。

まずはサポートが終了したサーバーを使い続けるリスクから見ていきたい。最初に挙げられるのがセキュリティ面のリスクである。ローカルネットワークへのマルウェア侵入を完全に防ぐことは難しく、近年のサイバーセキュリティでは侵入後の対策が重要な課題の一つになっている。ネットワーク侵入後のマルウェアにとって、既知の脆弱性が修正されていないサーバーが恰好のターゲットになることは間違いない。また、OS側の不具合修正が行われなくなることは、メーカー側の運用保証の難しさにもつながる。部品交換を行ってもトラブルが解消できないことも想定される中、OSサポート終了を機に保守サービスも段階的に終了することが一般的だ。さらに、ハードウェアの経年劣化にも注目する必要がある。税制上のサーバー耐用年数は5年だが、実際には7、8年にわたり使い続けるケースも少なくない。リプレースせずにWindows Server 2016を使い続けた場合、運用期間は最長10年に及ぶため、故障リスクが高くなることは避けられない。

クラウドの一般化により、Windows Server 2016からの移行パターンは、大きく以下の4つが考えられる。
1.オンプレミスtoオンプレミス
2.オンプレミスとSaaSのハイブリッド
3.オンプレミスとIaaS、SaaSのハイブリッド

直近の調査では、今回も移行の主流はオンプレミスtoオンプレミスになると見られている。特にデータを社外に持ち出すことを禁じる内規や機密情報の保護、さらには複合機などの社内ビジネス機器のスムーズな運用という観点からは、ファイルサーバーやActive Directory(AD)サーバーのオンプレミス運用ニーズは根強い。その一方で、メールサーバーやグループウェア、オンプレミスで運用してきたCRMやERPツールなどは、SaaSに移行すると予想されている。

提案は今すぐにでも始める必要がある

その一方で、物理サーバー管理の省力化が重要な課題であり続ける中、多くの企業にとって、クラウド活用が避けて通れない課題になることは間違いない。クラウド移行の次のステップとして注目されているのが、業務アプリをそのままクラウドに移行したうえで最適化する、リフト&シフトの手法によるIaaS移行である。特に仮想環境上のVMとして運用されている業務アプリについては、リフト&シフトによるIaaS移行が有力な選択肢になるだろう。

最後に、移行準備期間について見ておきたい。これまで同様、特にアプリケーションサーバーの場合、業務アプリの動作検証に数カ月程度が必要になるため、余裕を持ったスケジュール設定が求められる。さらに今回の移行では、もう一つの大きな課題が浮上している。AIデータセンター需要拡大に伴う、メモリーやCPU調達の困難化である。昨年のWindows 10 EOSでも直面した問題だが、一定以上のスペックが必要になるサーバーの場合、その影響はクライアントPC以上に大きくなることが避けられないだろう。サーバーの納品は既に数カ月待ちという状況が続いているのが実情だ。今回のWindows Server 2016 EOSでは、納期遅れがこれまで以上に大きな問題になることは間違いない。さらには今後のPC値上げにも注目する必要がある。エンドユーザー様にとって、一刻も早く仕様を確定し、見積りを取り、発注を終えることが大きな意味を持つはずだ。Windows Server 2016 EOSに向けた提案は、今すぐにでも始める必要があることは間違いないだろう。

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