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新たにくらうどーるプラスを運用開始
取扱商材の拡大でスムーズなストックビジネス移行を支援

ITビジネスにおいて、クラウドサービスに代表されるストックビジネス移行は、今後を左右する大きなカギになろうとしている。その際に大きな役割を果たすのが、ライセンスや売り上げの管理を自動化するコマースプラットフォームの存在だ。大塚商会BP事業部は、くらうどーるに加え、新たに年額課金のライセンス製品やオリジナルサービスの管理自動化を実現するくらうどーるプラスを開設。パートナー様のストックビジネス移行を総合的に支援していく考えだ。

「くらうどーる」はCSPなど主力サブスクリプションに対応

急速に普及が進むクラウドサービスは、すでに多くの企業にとって、必要不可欠な存在になろうとしている。それに伴うサブスクリプションの台頭は、ITビジネスにも大きな変化を及ぼしつつある。

これまでサブスクリプションには顧客囲い込みやストックビジネスの実現というメリットがある一方、ライセンス管理や課金システムの構築など、そのハードルは決して低くないと思われてきた。しかしそうした状況は、大きく変わりつつある。

例えばマイクロソフトの場合、Microsoft 365やMicrosoft Azureなどのサブスクリプション製品を以前から販売しているが、それらはCloud Solution Provider Program(CSP)と総称される。CSPの直販はDirect CSPとしてユーザーに提供される一方、卸販売はIndirect CSPを経由してCSPリセラー様に提供される。課金システムの提供などはIndirect CSPによって行われるため、月額課金のサブスクリプション製品の再販が極めて低いハードルで可能になる。

Indirect CSPはそのほか、CSPリセラー様とエンドユーザー様のサポートやプロビジョニングなどを担い、サブスクリプション製品のよりスムーズな販売を支援する。その役割を担うのが、大塚商会BP事業部が提供するコマースプラットフォーム「くらうどーる」である。CSPライセンス管理は、MSデータセンター内のテナントで行われる。すでにテナントを持つエンドユーザー様に対しては、既存ライセンスのくらうどーる移行、テナント内のライセンス管理同居など、柔軟な対応が可能となっている。

CSPにおけるくらうどーるの位置付け
CSPにおけるくらうどーるの位置付け

さらに、くらうどーるが提供する独自サービスも注目したいポイントだ。その一つが販促資料の提供をはじめとする販促支援。そのほか、Microsoft Azureの利用状況が視覚的に確認できるダッシュボードやアラート機能、Exchange Online、SharePoint Online構築支援など、多彩なサービスが提供される。

2021年9月時点でくらうどーるは、CSPのほか、AutoCAD(Autodesk)、Creative Cloud(アドビ)など、月額課金のサブスクリプション商材を提供。その利用は、パートナー様のストア開設が第一歩になるが、ストアの使い方レクチャーも含めた支援が無償提供されるため、準備の必要なく、サブスクリプション製品の再販をスタートすることが可能だ。

ライセンス製品など多様な商材が管理できる「くらうどーるプラス」

さらに2021年4月からは、ライセンス製品、サブスクリプション商品、さらには大塚商会オリジナル保守製品など、より幅広い商材を掲載する「くらうどーるプラス」の運用も開始された。その最大の特長は、年額課金のライセンス製品など、これまでくらうどーるの仕組みに乗せることが難しかった製品にも柔軟に対応できる点だ。それによる、サブスクリプション製品のクロスセルの機会増、ストックビジネスへの移行促進などの効果が期待されている。

2021年9月時点の掲載製品は、TRENDMICRO、Cybozu、MOTEX、arcserve、Acronisの年額型商材。今後、大塚商会オリジナル商材や、ベンダー各社の年額型商材、月額型商材が随時追加されていく見通しだ。

そのメリットの一つとして注目したいのが、年額型商材の契約更新の業務負荷軽減に関する効果である。これまで契約更新にあたっては、ベンダーによる更新リスト作成を起点として、パートナー様による更新の案内、見積作成、発注申請、納期連絡など、商流全体に大きな負荷が生じていた。更新案内や更新手続き、納品を自動化するくらうどーるプラスなら、その負荷を大幅に軽減することが可能だ。

さらに更新率向上も期待したい点の一つ。従来の更新手続きは、それ自体が契約見直しのトリガーとして機能する一面があったことは否めない。見積もりを依頼する際には、コンペティターにも声掛けすることがビジネスの常識だからだ。手続きの自動化は、こうした手順を踏むことなく更新手続きを行うことにつながることも期待できるだろう。

ITビジネスがサブスクリプションに向かう中、いち早くサブスクリプションに移行し、ストックを積み上げていくことの重要性は以前から指摘されてきた。くらうどーるプラスはよりスムーズなストックビジネスへの移行という観点でも要注目だ。

くらうどーるとくらうどーるプラス
CSPにおけるくらうどーるの位置付け

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