2019年1月28日発行

オートデスク情報アップデート
オートデスク製品を快適に利用するためのAtoZ
アカウント作成手順やライセンスサーバー構築方法

2019年もオートデスク製品はパートナービジネスの一つの原動力となる。しかし、実際に製品を購入して利用するためには、アカウントの作成やライセンス管理に対する実務など、エンドユーザー様が事前に準備をしておくことがある。今回のオートデスク情報アップデートでは、その中で特に問い合わせが多いものを取り上げ、再確認したい。パートナー様がオートデスク製品をエンドユーザー様に販売する際に、ぜひ参考にしていただきたい。

利用開始メールを受信してAutodesk Accountを作成する

オートデスク製品を購入して利用する際には、以下のような手順でAutodesk Accountの認証が必要になる。以前は、IDとともに仮パスワードが送られてきたが、大きく変更されたので注意が必要だ。

契約管理者が新規ユーザーの場合は、契約開始日に利用開始メールを受信し、「今すぐアカウントを作成」をクリック。すると、Autodesk Account作成画面が開くので、名前、Eメールアドレス、パスワードを入力して完了ボタンを押す。

契約管理者がオートデスクの既存ユーザーの場合は、利用開始メールに記載されている「サインインして機能を利用する」をクリックしてAutodesk Accountサインイン画面を開く。そこに、登録済みのメールアドレスとパスワードを入力すれば完了する。

また、契約管理者とは別の担当者が実際のソフトウェアのユーザーの場合、そのユーザーをAutodesk Accountに登録する必要がある。契約管理者が新規の指名ユーザーに製品を割り当てると、そのユーザーに、アクセス権が割り当てられたことを知らせるメールが届く。そのメールに記載されている「今すぐアカウントを作成」をクリックし、ユーザー自身でアカウントを作成する。

指名ユーザーがオートデスクの既存ユーザーの場合は、そのユーザーに届いたメールに記載されている「サインインして機能を利用する」をクリックし、登録済みのメールアドレスとパスワードを入力することで手続きが完了する。

なお、契約開始日にオートデスクのメールが届かない場合には、メールソフトの設定によって迷惑ボックスに格納されている可能性があるので確認していただきたい。

マルチユーザーライセンスはライセンスサーバーの設置が必要

オートデスクのマルチユーザーライセンスは、オートデスク製品を同時に起動させたい本数が購入本数となる。例えば、10ライセンスを契約の場合は、同時に起動できるのは10台のPCまでとなっている。ちなみにインストールできるPCの台数については制限がない。

注意点としては、実際にマルチユーザーライセンスを利用する場合には、エンドユーザー様の社内環境にライセンスサーバーを設置し、社内でライセンス管理を行う必要がある。

ライセンスサーバーの構築方法は、シングル、冗長、分散型の3種類がある。

3種類のサーバー方式の特長や注意点を下記の表にまとめたので参考にしていただきたい。

サーバーの運用については、それぞれ特長が異なるので、どのモデルを選択するか十分考慮したうえで、マルチユーザーライセンスを利用することがポイントになる。

ライセンスサーバーの構築に必要となるライセンスファイルには、使用する製品のバージョンやライセンス数、契約期限などが記録されている。そのファイルは、Autodesk Accountの管理画面から取得できる。「AUTODESK KNOWLEDGE NETWORK」というWebサイトを利用すれば、パートナー様がお客様の代理で取得することも可能だ。

また、ライセンスファイルは、サブスクリプション契約のたびに新たなライセンスファイルを取得してサーバー内で差し替える必要がある。その際、契約管理者にライセンスファイルの差し替えを促すメールが届く仕組みになっている。

同様に、管理ツールのNLMも「AUTODESK KNOWLEDGE NETWORK」からダウンロードしてサーバーにインストールする。そのうえで、環境設定や起動確認を行うことで準備が完了する。なお、2019以降のバージョン製品は最新版のNLMのみの対応となる。

一方、クライアントPC側は、Autodesk Accountの管理ページから、購入した製品をダウンロードすれば、すぐに利用可能だ。ただし、2017以降のバージョン製品は、起動時にライセンスサーバーを指定する手順が加わるので、契約管理者にサポートしてもらう必要がある。


実際に行われたウェビナー(ウェブセミナー)の画面。大塚商会とオートデスクは、情報のアップデートを行うため、定期的にウェビナーを開催し、パートナー様に情報配信を行っている。

仮想環境でオートデスク製品を利用する際の留意点

オートデスク製品を仮想環境で利用する際にはいくつか留意すべき点がある。

例えば、サブスクリプションのシングルユーザーは、ライセンス製品が未実装の社外のPCから、モバイルVPN経由で社内のPCにアクセスしてライセンス製品を利用しても問題はない。

一方、マルチユーザーは、ライセンス製品が実装済みの社外のPCから、VPN経由で社内のライセンスサーバーにアクセスして製品を利用できるが、ライセンス製品が未実装の社外のPCから、リモートアクセスで社内のPCの製品を利用することはできない。

なお、詳しい内容は大塚商会の担当営業を通じてオートデスクに確認していただきたい。