2011年1月28日発行

クラウド時代のレビューツール『AutoCAD WS』
『AutoCAD LT』拡販にも効果大

オートデスクは、クラウド技術を利用したリアルタイムコラボレーションツールAutoCAD WS(以下、WS)をリリースした。図面データをクラウド上にアップし、どこででも閲覧や編集が可能なWSは、ユーザのニーズも高く、モバイル版だけでも既に60万ダウンロードに達している。AutoCAD WSはAutoCAD LT拡販のための大きなメリットとなるだろう。

ブラウザですぐにDWG図面を共有!AutoCAD WS

(右)
オートデスク株式会社
プラットフォームソリューション
インダストリーマーケティング
マネージャ
清水 卓宏氏

(左)
オートデスク株式会社
プラットフォームソリューション兼
社会・公共ソリューション
マーケティングデベロップメントマネージャ
田中 ゆかり氏

AutoCAD WSは、オートデスクが提供するクラウド上のサーバスペース、「www.autocadws.com」にアップロードした図面をリアルタイムで複数人が閲覧・編集できるサービスだ。AutoCADがなくてもWebブラウザとインターネット接続環境があればiPadやiPhoneといったモバイル機器でもAutoCAD図面を閲覧・編集できる画期的なクラウドサービスで、クラウド版のDesignReviewやDWG True Viewといえる。

マーケティングデベロップメントマネージャの田中 ゆかり氏は、「WSは、『いつでも・どこでも・誰とでも』をキーワードにオートデスクが無償で提供しています。無償の理由は、一人でも多くの人に、クラウドでDWGの図面を流通させることの便利さを体感してほしいからです」と話す。

設計者は、最新のAuto CADやAutoCAD LT(以下、LT)に、無償のプラグインをインストールするだけで、設計環境とWSをシームレスに連携させ、ワンクリックで図面をアップロードすることができる。WSでは、図面共有したい相手にメッセージを送ることができ、レビュワーはこのメッセージに記載されたURLリンクをクリックするだけで、すぐに設計コラボレーションに参加できる。WSの共有機能と連動しているチャット機能を使えば、会話しながら共同で編集や確認作業ができ、やり取りの履歴がメールで送信されるので行き違いもなく 安心だ。

WSは図面管理の上でも手間いらずだ。WSで行った修正は時間軸に沿って自動で履歴が保存され、タイムライン機能でいつでも任意の時点の図面を参照できるのだ。これらの図面はすべてクラウドサーバ上に保存されているため、紙図面の山から必要な図面を探したり、大量の印刷図面を確認作業のために持ち運んだりする労力と手間を大幅に削減できる。

田中氏は、「WSは、プロジェクトの関係者がどこにいても、クラウド上の図面をレビューできるだけでなく、同時に複数の関係者が同じ図面をみながら、簡単な編集や確認を行えることが特長です。リアルタイムで設計コラボレーションができ、意志決定が格段に速くなります」とメリットを強調する。

長年のユーザニーズを高いレベルで実現したWSは、AutoCADやLT販売時の大きなフックとなる。

LTのバージョンアップが人件費削減・時間短縮につながる

WSを活用するには最新のLTを利用することが大きなメリットとなる。つまり、WSはLT拡販のための起爆剤なのだ。

WSによる図面データの共有が一般化すると、「誰が見ても分かる図面」の作成が必須となる。

「例えば、支給されたExcelファイルに数式が埋め込まれていたり、Wordにスタイルシートが使われていたりしても、そうした機能を知らなければデータを共有できても共同編集ができず、どうにもなりません。一般的に他人の図面はわかりづらいものですが、WSでコラボレーションの効率化を図るには、共通認識に基づいた図面づくりが必要です。それが簡単に行える最新のLTとあわせてのご利用が効果的です」とインダストリーマーケティングマネージャの清水 卓宏氏は話す。

「お客様の中には、『うちはヘビーな使い方をしていないから前のバージョンでいいよ』とおっしゃるところもあります。しかし、最新版ならワンステップでできることに大きな手間を掛けているのではないでしょうか。LT 2008とLT 2011の比較で約44%の効率アップという調査結果があります。それ以前のバージョンからなら、効果はもっとあがります」と清水氏。

特に、LTは、Windows 7環境で最高のパフォーマンスを発揮するため、今年期待されるXPから7へのリプレースと同時にAutoCAD LTもご導入いただけるよう提案していただきたい。