2011年11月28日発行

スムーズな電子納品と工期短縮に貢献する
『AutoCAD LT Civil Suite 2012』

現在、土木業界の中小企業が直面している大きな課題の一つが、公共事業における電子納品への迅速な対応である。オートデスクでは、そうした中小企業を強力に支援するために、電子納品用の図面データ「SXF」をスピーディに作成できる『AutoCAD LTCivil Suite 2012』を新たにリリースした。さまざまな電子納品の仕様に柔軟に対応し、作業効率の向上によって全体の工期短縮にも大きく貢献する。

土木業界の環境変化に即応し、中小企業のIT化を強力に支援

社会・公共ソリューション
シニアセールスマネージャ
高倉 昌郎 氏

オートデスクは、東日本大震災の復興支援策として、被災地の緊急インフラ復旧や復興計画の策定を担っている官庁や自治体などを対象に、オートデスクのすべてのCAD製品を2011年12月31日まで無償提供する施策を実施している。申込期間は2011年5月16日~2011年11月30日で、8月末時点で約120本のCAD製品を貸し出した実績があり、その4割近くが土木系CAD製品である。

その一方で、国土交通省は平成23年度から公共事業に電子納品を適用すると発表し、これを受け、地方自治体でも電子納品を適用するところが増えている。さらに国土交通省は、電子データをすべての工程に活用する「情報化施工推進戦略」を策定し、平成25年度からの実施を目指している。そのため、土木業界では早急な情報化対策が求められている。

だが、土木工事を行っている中小企業の多くは、IT化への対応がそれほど進んでおらず、具体的な対処に苦慮している実情がある。そのため、オートデスクでは、「地方自治情報化推進フェア2011」に出展するなど、電子納品や情報化施工に関するイベントやセミナーに積極的に参画している。

「公共事業の電子納品は始まっていますが、コストやスキルの問題で、完全に普及していない現状です。ネットワーク環境が整ったことにより、より電子データの流通がしやすくなりました。情報をより活用し、業務の効率を向上させるための具体策として、エンドユーザ様の電子納品への対応を強力に支援する『AutoCAD LT Civil Suite 2012』をご案内しています」と社会・公共ソリューション シニアセールスマネージャー 高倉 昌郎氏は話す。

同製品は、世界中で利用されている2次元CADの定番である『AutoCAD LT』と、電子納品データ作成時の時間短縮とコスト削減を実現する『Autodesk CALS Tools』がセットになったもので、まさに土木設計・電子納品用のベストソリューションである。

繁忙期にエンドユーザ様がプリンタを止めない工夫満載

AECソリューション
リーダー/ソリューション コンサルタント
博士(工学)/測量士/SXF技術者
緒方 正剛 氏

電子納品用の図面データ「SXF」は、オープンCADフォーマット評議会(OCF)の検定に合格していることが品質面の目安となる。『Autodesk CALS Tools』は、その検定に合格した「SXF」を簡単に作成でき、『Auto CAD LT』などで作成した「DWG」や「DXF」データからSXFデータへの変換をスムーズかつ高速に行うことができる。また、各自治体によって異なる電子納品の仕様に柔軟に対応できるテンプレートも用意されている。そのため、煩雑な電子納品の作業が迅速かつ正確に行え、設計品質を維持したまま全体の工期を短縮できるようになる。

土木系の中小企業は、さまざまなCADソフトを使っているが、『AutoCAD LT Civil Suite 2012』は、それらのデータを読み込み、高品質な「TrustedDWG」へ変換し、『AutoCAD LT』の設計環境に継続できるメリットもある。公共事業では「DWG」の図面データの提出も求められるケースが多いので、かなり重宝するだろう。また、オートデスクでは、電子納品用の図面データ「SXF」を確認できる無償のビューアソフト『Autodesk SFX Viewer 2011』も提供しているので、エンドユーザ様の実情に応じた最適な提案が行える。

 「電子納品への対応はもちろんですが、建築・設計の分野でも『AutoCAD LT Civil Suite 2012』を活用する新しいご提案を行っています。例えば、先に紹介したテンプレートは、建築系の納品仕様にカスタマイズできるので、民間業務で元請けが求めるデータへの変換ツールとしての利用も可能です」とAECソリューション リーダー 緒方 正剛氏は話す。さらに、社内では『AutoCAD LT』を使用し、建設現場では、Webブラウザやモバイル機器から「DWG」図面を閲覧・編集できるクラウドサービス『AutoCAD WS』を利用するといった複合的な提案は、パートナー様の商機を拡大するきっかけになりそうだ。

将来的には、土木・公共事業の分野でも3次元対応が迫られると見込まれている。オートデスク製品なら『AutoCAD LT』の2次元データの資産をそのまま受け継げる3次元CADも販売しているので、将来の3D化を見据えたIT環境を構築できる点も大きな魅力である。