2012年11月28日発行

自信をもってお勧めできる高い品質の製品を提供
各種プログラムでパートナー様のビジネスを支援する

オートデスクのアジアパシフィック部門を統括するDenis Branthonne(デニス・ブランソン)氏が来日。オートデスク製品を販売するビジネスメリットとは、どのような分野にターゲットを絞るべきなのか、パートナー様のビジネスのキーポイントについて話を伺った。

オートデスクの製品に共通している開発思想は、どのようなものですか?

Denis Branthonne(以下、Denis):オートデスク製品の根幹にある思想は、技術を民主化するということです。すなわち、先進技術をあらゆる人が利用できるように使いやすさに徹底してこだわっています。特に高度なスキルが要求されるエンジニアや設計者のためのツールは、複雑な機能になりがちです。その複雑な機能を使いやすくしている点が大きな特徴です。また、オートデスクの製品は何百万人もの人たちに使われているので、小さな問題でも多くのユーザに影響を及ぼすことになります。そうならないために製品の品質を高めています。この2つの設計思想に基づいていることが、パートナー様がオートデスク製品を安心して販売できる理由だと自負しています。

Autodesk WWチャネルセールス
アジアパシフィック統括責任者
Denis Branthonne(デニス・ブランソン)

アジアパシフィック地域全体のチャネルセールス部門を統括。2001年の入社以来、インフラ製品やAutoCAD/LT製品のアジアパシフィックにおける営業責任者を歴任。ASEAN地域統括責任者をへて現職。国際的な設計プロジェクトのマネジメントやハイテク企業の戦略コンサルティングなどビジネス経験も豊富。米マサチューセッツ州立工科大学修士。

オートデスク製品は、どのような分野に拡販していけば効果的だと考えていますか?

Denis:オートデスクは、3Dビジュアライゼーション製品やPLM製品、シミュレーション製品など豊富なラインアップを用意していますが、一番良く知られているのがCAD製品です。特に『AutoCAD』の簡易版である『AutoCAD LT』は、全世界のオートデスクの売上の約35%を占めています。この2次元CADの市場はまだまだ成長し続ける余地があり、今後もパートナー様はビジネスを発展させることが可能です。日本でも多くの企業で利用されていますが、実際に使っているのは、設計者などほんの一握りの人です。その意味では、同じ会社内のデザイナーなど幅広い人々への利用を促すことによって成長する伸び代はまだ十分にあります。

また、オートデスク製品の利用者は、世界的に見ても建設業や製造業が多くを占めていますが、いずれもさらに成長する余地があります。例えば、日本市場では、土木分野や建設機械、設備系製造業などが勢い良く伸びているので、関連企業も含めてビジネスを循環させていくことが重要なポイントです。

オートデスク製品は、どのような分野に拡販していけば効果的だと考えていますか?

Denis:オートデスクでは、パートナー様の販売機会を促進するためのさまざまなプログラムを用意しています。例えば、ビジネスデベロップメント向けのプログラムでは、オートデスク製品の技術的なトレーニングや拡販するためのセールストークなどを提供しています。

製品サポートの面では、パートナー様のサポートビジネス展開を支援するプログラムのほかにサポートエンジニアを抱えていないパートナー様を支援するために、エンドユーザ様が直接オートデスクに電話で問い合わせができるアドバンスサポートの提供を新たに開始しました。エンドユーザ様がアドバンスサポートに加入すれば、パートナー様はオートデスクにテクニカルなサポートを一任できます。日本のようにエンドユーザ様がサポートに関してシビアな国には適しています。

マーケティングのプログラムとして、毎四半期に一度、販促用のキャンペーンを展開しています。これまでは企業全般を対象とした販促キャンペーンを実施してきましたが、これからは各業界に特化した販促キャンペーンに力を注ぎます。エンドユーザ様はオートデスク製品を購入することが目的ではなく、自分たちの業務に役立つツールを求めているので、キャンペーンのメッセージの内容も、単なる製品の訴求ではなく、エンドユーザ様の業務上の問題点や課題をどうすれば解決できるかという観点へ変化してきています。

例えば、製造業では、特に自動車関連や産業機械の分野で非常に大きなマーケットがあることがわかっています。各分野にどのようなエンドユーザ様がいるかなど、すべてデータ化されているので、そこにターゲットを絞ったメッセージを発信しています。実際、今年から取り組みを始めたところ、製造業の売上が急速に伸びつつあります。

CADソフトは、2次元から3次元へ技術レベルが進展していますが、今後はどのようなスタンスで製品開発に取り組んでいくのでしょうか?

Denis:『AutoCAD LT』は非常にシンプルなCADソフトですが、毎年新しい利用者が増えています。その意味では、今後も既存のテクノロジーを活用する人たちが増えつづけることは間違いありません。その一方で、ここ10年で浸透してきた3次元技術を使い始めているエンドユーザ様も増えています。つまり、2次元から3次元へと単純に移行するのではなく、2次元と3次元が共存しながら、お客様にとってより良い設計ワークフロー環境が構築されていきます。

また、現在はクラウド技術が大きな注目を集めています。オートデスクでは、サブスクリプション契約の特典という位置づけで他社に先駆けて多彩なクラウドサービスを提供していますが、既存のアプリケーションがすべてクラウド上で動くようになるとは思っていません。デスクトップのアプリケーションはそのまま残るし、クラウドのアプリケーションも増えていきます。それぞれのメリットを相互に補完しあうことで利便性がますます高まります。

オートデスクは、今後もさまざまな技術を融合しながら訴求力のある製品を提供していきます。パートナー様に絶好の販売機会を提供できるものと信じていますので、オートデスクとともに、皆さまのビジネスをぜひ拡張していただきたいと願っています。