2013年7月28日発行

進化を続けるオートデスクのクラウドサービスでバックアップ
クラウドサービスでパートナー様のビジネスを後押し、生産性アップに役立つ有償化サービスが続々と登場!

オートデスクは、今年からクラウドサービスに本腰を入れて拡充し、設計ワークフロー全体の生産性の向上に寄与している。同時に高度な機能を活用できる有償化サービスも続々と投入し、パートナー様のストックビジネスを後押し。これからはクラウドビジネスがパートナー様の重要な収入源の一つになる。そこで、常に進化を続けるクラウドサービスの最新情報と、有償化によるパートナー様のメリットを紹介したい。

有償のクラウドクレジットでパートナー様のビジネスに貢献

『Autode sk 360(スリーシックスティ)』は、オートデスクのクラウドサービスの総称で、その中には、クラウド上にファイルを保存するストレージ機能や不特定多数の人と図面などを共有できるコラボレーション機能などが含まれている。また、Suite製品をサブスクリプション付きで購入することで利用できるサービスもある。この場合、各エディションで使えるサービスが異なるが、改訂も存在する。例えば、『Infrastructure Design Suite』には、エネルギー解析サービスなどが新たに加わった。

クラウドの利点は、(1)いつでも、どこからでも図面・設計図書にアクセスできること。(2)スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスの活用が可能なこと。(3)複数の設計者間で図面の共有やオンラインコラボレーションを実現できること。(4)クラウドリソースを集中利用してデスクトップPCを演算負荷から解放できることの4点に集約される。

『Autodesk 360』を利用するためには、無償でAutodesk ID と呼ぶアカウントを一度登録すれば、シングルサインオンでクラウドを利用できる。もし、サブスクリプションに加入している場合には、サブスクリプションの情報とAutodesk ID を関連付けることで、前述のような専用サービストを享受できるようになる。

デベロッパ テクニカル サービス
マネージャ
伊勢崎 俊明氏

基本となるストレージ容量も増え、サブスクリプション未加入者は3GBから5GBへ、サブスクリプション加入者は25GBまで利用可能になる。またサブスクリプション加入者には一律、100クラウドクレジットが提供され、一定のクラウドクレジットを消費することで、レンダリングなどの多彩なクラウドサービスが利用できる。

例えば、『Autodesk 360 Rendering』では、レンダリング時間を大幅に短縮でき、時間帯によって少しずつ影が移動する日照シミュレーションなども行えるため、プレゼン資料の作成に効果を発揮してくれる。

特筆すべき点は、2013年4月から認定販売パートナー様経由でクラウドクレジットの追加販売を始めたこと。パートナー様は、100クラウドクレジット単位でお客様に継続的に販売できるので、安定したストックビジネスとして収益力アップに活用していただきたい。

待望の日本語購入ページを公開。アドオンソフトで生産性が向上

オートデスクは、各デスクトップ製品のアドオンアプリの購入窓口として、2012年3月にAutodesk Exchange Appsストアを開設し、デスクトップ製品内のアイコンをクリックすることで瞬時にサイトにジャンプする機能を実装してきた。そして2013年5月から、英語のみだったページが遂に日本語化された。これにより、世界中のサードパーティが作成した有償・無償・試用版の多彩なアドオンソフトをダウンロードし、設計作業の自動化・省力化が図れるようになる。

サブスクリプション加入者向けにオートデスク自身もアドオンアプリを公開している。例えば、鉄骨のフレームを簡単に生成できるツールなどを提供しており、今後も生産性の向上に役立つさまざまな便利ツールが登場する計画である。

Autodesk Exchange Apps ストアは、オートデスクの審査を受ければ、誰でもアドオンや電子コンテンツを公開できる。パッケージ化や流通費などの余分なコストがかからないので、パートナー様にとっては、アドオンアプリの新規ビジネスに参入する絶好の舞台となる。

パッケージには、サブスクリプションとアドバンスサポートの連絡先が明記された

有償版でモバイル用途が拡大『AutoCAD 360 Pro Mobile』

2013年5月22日、『AutoCAD WS』は、ブランド名を『AutoCAD 360』に変更した。クラウドサービスの一つであると改めて認知してもらうことが狙いで、引き続き無償で提供する。アクセス方法は従来と同じで、デスクトップ製品、Webブラウザ、モバイルアプリ経由の3通りがある。このうち、Webブラウザ版は『AutoCAD 360 Web』、モバイルアプリ版は『AutoCAD 360 Mobile』という別の名称で提供し、有償版の『AutoCAD 360 Pro Mobile』も新たに登場する。

無償版の『AutoCAD 360 Mobile』は、指によるジェスチャー操作で既定の図形が簡単に描ける「スマートペン」やGPS機能を活用した地理的位置機能の改良、外部ストレージ接続など利便性がアップ。さらに有償版の『AutoCAD 360 Pro Mobile』へアップグレードすれば、新規図面の作成、座標を表示した正確な作図、30MBまで対応する大容量図面の操作、オブジェクト情報の編集など、モバイルデバイス上で本格的な協調作業が可能になる。価格はアップル用とグーグル用で若干異なるが、パートナー様の新たな商材として収益力アップに貢献する。

一方、『AutoCAD 360Web 』は、HTML5という新しい技術に対応し、アドビのFlash Playerに依存せずに利用することもできる。

このようにオートデスクでは、パートナー様のビジネスを前提にした有償のクラウドサービスを続々と投入しているので、これから積極的に活用していただきたい。特にサブスクリプションとセットでクラウドサービスを販売することでお客様の満足度は確実にアップする。LT製品のパッケージには、サブスクリプション加入の利点を記したステッカーが貼られるので、それをきっかけに商談を進めてみてはいかがだろうか。