2013年11月28日発行

高いグラフィック処理性能と演算処理性能を誇る
CAD利用者向けモバイルワークステーションを投入
『Autodesk Inventor』などの検証作業も完了

東芝は、高いグラフィック処理性能と演算処理性能を誇るモバイルワークステーション『Satellite WS754』を国内向けに初めて投入した。CADを使って建築・デザイン設計やCG制作を行っているエンドユーザ様にモバイル用途で活用できる付加価値を提供することで、新分野の開拓を推し進めることが狙いだ。すでにCADソフトの検証作業も一部完了しているので、パートナー様は安心してお客様に提案することができる。

3次元CADも快適に動作し4K2K出力でプレゼンに有効

東芝のモバイルワークステーション『Satellite WS754』は、高いグラフィック処理性能と演算処理性能により、3次元CADもモバイル環境で快適に動作することが最大の特徴だ。具体的には、4つのコアで効率的なデータ処理を実行する「インテル Corei7-4800MQ」プロセッサと最新のグラフィックカード「NVIDIA QuadroK2100M」を搭載。膨大なデータの中から必要なデータを素早く検索・表示でき、複数アプリケーションの同時使用時も快適に動作する。特に3次元CADを利用する場合は、ハードウェアのグラフィック性能が重要になるので、高性能なグラフィックカードでストレスなく作業が行えることは大きな利点といえる。

第二の特徴は、15.6型フルHD(1,920×1,080)液晶画面を搭載し、4K2K出力に対応していることである。HD液晶に比べて約2倍の表示領域を実現。表示領域が広いので全体を把握しやすく、より多くの情報を同時に確認したり、写真や動画をきめ細かく美しい画質で閲覧したり、ビジネスのあらゆるシーンで有効活用できる。

とりわけ、モバイルワークステーションで4K2K出力に対応しているものは他に例がなく、かなり先進的といえる。市販のハイスピードHDMIケーブルで接続して、東芝のレグザなどの4Kテレビを大型モニタとして使用すれば、大勢による会議や顧客へのプレゼンテーションも効果的に行える。例えば、住宅展示会などで3Dモデルを使ったバーチャル展示を行い、部屋の壁紙や照明の明るさなどを変更したシミュレーション画面を見せながら、その場で顧客と商談することも可能になる。

4Kテレビはまだ高価だが、映像が圧倒的にきれいなので普及の兆しもある。実際、アジア最大級の映像・情報・通信の国際展示会「CEATEC JAPAN」で、モバイルワークステーションの映像を大型の4Kテレビに出力したデモを実 施し、好評を博している。

第三の特徴は、実用性を考慮した充実の先進機能で使い勝手の良い快適な操作性を実現していることである。Windows 8 Pro 64ビットとWindows7 Professional 32ビット/64ビットの最新OSに対応し、1台のドライブの中にハードディスクとNAND型フラッシュメモリを実装した新世代ハイブリッドドライブを選択することができる。これにより、OSやアプリケーションの起動時間を飛躍的に高速化することに成功している。メモリは最大32GB(8GB×4)まで搭載できるので、3次元モデルのレンダリングなどもスピーディに処理できる。

第四の特徴は、ワークステーションならではの高性能を維持したまま、手軽に持ち運べるので、さまざまに用途で利用できることだ。バッテリー駆動時間も約7.5時間と通常のノートPCと遜色ない。例えば、建設業や製造業、制作会社では、作成した3DCGを現場やお客様先で説明しながら確認・変更できる、教育分野では、IT設備のない教室などで3次元モデルのシミュレーションや解析などを行うことも可能になる。また、デスクトップ型のワークステーションは、停電などによってシャットダウンすると、それまで行っていた作業がムダになる危険性があるが、モバイルワークステーションはバッテリーを搭載しているので、そうした不安も解消される。

CADソフトの検証済みなのでお客様に安心して提案できる

今回、東芝が投入したモバイルワークステーションは、グローバル展開してきたノートPCで培った技術力と経験を生かし、これまで未開拓だった分野への販売拡大を目指した戦略的製品だ。欧米で別ブランド名で先行販売した後、満を持して国内市場で販売を開始した。

そもそも、モバイルワークステーションは、カテゴリ的には昔のハイエンドPCに相当する。海外メーカーの製品が多い中で、国産メーカーとして保守対応などのきめ細かなサービスを提供できる点が東芝の強み。そのメインターゲットは、建設業や製造業などのCAD利用者だ。

そのため、現在、『SatelliteWS754』上でCADソフトが快適に動作することを証明する検証作業が順次行われている。例えば、オートデスク製品では、製造業向け3次元CAD『Autodesk Inventor』がすでに検証済みで、近日中に『AutoCAD』などの検証作業も完了し、オートデスク社から正式に認証される予定だ。

お客様にとっては、現在利用しているCADソフトがそのまま『SatelliteWS754』上で問題なく利用できるので安心感につながる。パートナー様にとっても、導入後に動作トラブルなどが起こる心配がないので、お客様に自信を持って勧められるハードウェアといえるだろう。

2014年4月にWindows XPのサポートが終了するため、ノートPCからのリプレース需要も期待できる。また現在は、CADソフトをネットワークライセンスで購入している企業が大半なので、すでにデスクトップ型のワークステーションでCADソフトを利用しているお客様が、モバイル用途で活用するセカンドマシンとして購入するケースも想定できる。

昨年あたりから、クラウド上の強力なリソースを使って3次元モデルのレンダリングやシミュレーションなどが行えるサービスが人気を集めているが、その一方で、セキュリティの観点から社外秘の設計データなどをクラウド上にアップすることに抵抗を感じている企業も少なくない。しかし、ハイスペックのモバイルワークステーションならば、クラウドサービスを利用しなくてもレンダリングやシミュレーションを比較的短時間で行える利点がある。そのため、クラウド利用に躊躇している企業にも潜在需要がある製品といえる。

モバイルワークステーションの販売価格は決して安くはないが、すでに予想 を上回る引き合いがあるという。ここ数年は、CADソフトもノートPCも単価が急激に下がってきているので、パートナー様にとっては、売上を伸ばすための好材料といえる。最近、にわかに注目されている3Dプリンタなどの周辺機器を含め、お客様の生産性アップに貢献する新たなものづくりのソリューションとして提案すれば、さらなる売上アップも期待できる。

製品詳細
最新OSに対応Windows 8 Pro 64ビット
Windows® 7 Professional32ビット、64ビット
CPUインテル® Core™ i7‐4800MQ vPROプロセッサ(2.7GHz/ターボブースト時最大3.7GHz)
GPUNVIDIA® Quadro® K2100M搭載
HDD/SSDHDD:500GB(7200rpm),1TB(ハイブリッド)
SSD:256GB/512GB
※いずれか1つを選択
メモリDDR3 高速メモリを搭載標準16GB(8Gx2)搭載 最大32GBPC3L-12800(DDR3L-1600)対応
ディスプレイ15.6型F u l lHD T F TカラーLED液晶(1920x1080)(省電力LEDバックライト)
LANギガビットイーサネット対応1000Base-T/100Base-TX/10Base-T
無線LANIEEE802.11a/b/g/n準拠+BluetoothV4.0(vPRO対応)
光学ドライブDVD-ROMドライブ
DVDスーパーマルチドライブ
Blue-Rayドライブ
※いずれか1つを選択