2014年3月28日発行

2014年、オートデスクの販売戦略
3つのサブスクリプションを主役とした成長戦略で、パートナー様の営業活動を強力に支援する策とは?

オートデスクは、3つのサブスクリプションを主役とした成長戦略を打ち出し、今後はサブスクリプションの加入者を増やすことで大幅な売上アップを目指していく。それに伴い、これまで提供していたアップグレード版の販売を2015年1月31日に終了する。その成長戦略は、エンドユーザ様にさまざまなメリットをもたらし、パートナー様にとっても安定したビジネス基盤を確立するうえで極めて有効な武器になる。

サブスクリプションを強化し年平均12%の売上増を目指す

「オートデスクは、2013年10月に米国本社主催の投資家向けのイベントで、2018年1月末までに年平均12%の売上アップを実現していくと宣言した。その大きな柱になるのが、3つのサブスクリプションを主軸とした成長戦略だ。

これまでオートデスクが提供してきたサブスクリプションは単一の形態だったが、今後は用途に応じた3つ形態で提供される。具体的には、「メンテナンス サブスクリプション」「デスクトップ サブスクリプション(レンタル)」「クラウドサービスサブスクリプション」の3形態を製品購入時のオプションとして提供していく。いずれもオートデスク製品の付加価値を高めるもので、エンドユーザ様にとっては、オートデスク製品を購入する際に選択できるオプションが追加されることになる。

このうち、「メンテナンス サブスクリプション」は全体のベースとなる保守系のサブスクリプションで、以前から提供されているサービスだ。具体的には、契約期間内における最新バージョンへのアップデートが可能になり、常に最新の機能が利用できる利点がある。さらにWebや電話による技術的なサポートなども受けられる。

2つ目の「デスクトップ サブスクリプション」は、オートデスク製品を一定期間レンタルで利用できるサービスで、1ヵ月、3ヵ月、12ヵ月の安価なレンタルプランを 用意。このうち、パートナー様は、3ヵ月と12ヵ月の2つのレンタルプランをエンドユーザ様に販売できる。契約期間中、レンタルした製品は手元のPCにインストールして自由に活用できることから、「デスクトップ サブスクリプション」という名称を採用しているが、実際は2013年9月から開始したレンタルサービスのことである。

そのメリットは、初期導入コストが最小限に抑えられること。例えば、新規プロジェクトで一時的にCADオペレータを増員したときや、新入社員の研修用に一定期間CADを増設したい場合などに費用を削減できる効果が生じる。また、レンタルした製品は海外への持ち出しも可能なので、長期間の海外出張や海外で行われるイベントなどで活用する際に役立つ。

3つ目の「クラウドサービス サブスクリプション」は、オートデスクが提供している『Autodesk Simulation 360』など各種クラウドサービスを利用できるもので、1年ごとに契約を更新するかたちとなる。今後も『Autodesk BIM 360』など魅力的なクラウドサービスが続々と登場する計画だ。それらを利用するメリットは、クラウド上のリソースを活用することで高度なシミュレーションやコラボレーションが効率的に行えること。特に建設業に携わるエンドユーザ様は、日照シミュレーションの2CAD情報レンダリングなどをクラウド上で行うケースが多い。またジョイントベンチャーの案件で、企業間で円滑なコミュニケーションを図る手段としても期待されている。

オートデスクでは、この3つのサブスクリプションをエンドユーザ様に提供し、それに見合った対価を徴収することで毎年の売上アップを図る。具体的には、今後4年間でトータルのサブスクリプションの利用者を50%増やすことが目標だ。

3つのサブスクリプションは、一定期間ごとに契約更新する形態を取っているので、パートナー様にとっても安定した収益基盤を築くチャンスが広がる。例えば、新製品をライセンス販売する際に、複数のサブスクリプションを併せて提案すれば、それらのサブスクリプションを更新する度にビジネスが継続され、新規のソリューションを提案する好機となる。

パートナー様にとっても、今回紹介した3つのサブスクリプションは、今後の貴重な収入源のひとつになるに違いない。

アップグレード版の販売終了は、パートナー様のビジネスチャンスに!

オートデスク株式会社
チャネルセールス部長
草谷 裕信氏

もう一つの大きなトピックスは、2015年2月1日からオートデスク製品のアップグレード版のライセンス販売が終了することである。それ以降、旧バージョンからのアップグレードは、新規によるライセンス購入か、もしくは最新版へのアップデートが行える「メンテナンス サブスクリプション」でのみ可能になる。

エンドユーザ様にとって、アップグレード版のライセンス販売の終了は、決してマイナス要因ではない。その理由は、「メンテナンス サブスクリプション」を継続的に利用することで、いつでも最新版を入手できる環境が整うからだ。むしろ、アップグレード版を随時購入するよりも、サブスクリプションを継続的に活用した方がコスト効率は良いといえる。

現在、旧バージョンを利用されているエンドユーザ様の中には、近い将来、アップグレード価格で最新版を入手したいと希望している方もいるだろう。その場合にお知らせしたいのは、アップグレード版を購入できるのは、6世代前までに限られていることと、2015年2月1日からアップグレード版を購入できなくなることだ。

例えば、現在オートデスク製品の2008バージョンを利用されているエンドユーザ様は、2014年3月31日までにアップグレード版を購入しなければ、新規に買い直さなければならない。同様に、2009バージョン以降を利用されているエンドユーザ様も、2015年2月1日からアップグレード版を購入できなくなる。まずは、期限が迫っていることをお伝えしたい。そして、ラストチャンスであるアップグレード版の提案と最新版へのアップデートが可能になる「メンテナンス サブスクリプション」の加入をぜひ勧めていただきたい。

パートナー様にとっては絶好のビジネスチャンスが訪れているとチャネルセール部長の草谷裕信氏は話す。「2015年2月1日までにアップグレード版と『メンテナンス サブスクリプション』をセットで販売すれば、パートナー様の収益はアップし、エンドユーザ様のコスト効率も良くなります。またその際、『クラウドサービスサブスクリプション』などを併せて販売することで、より安定した収益基盤の確立が期待できます」この好機を逃すことなく、案件の獲得につなげたい。